鉄道労組、解雇を撤回させる 韓国 98人全員が職場復帰へ
週刊『前進』02頁(2922号02面02)(2018/03/08)
鉄道労組、解雇を撤回させる
韓国 98人全員が職場復帰へ
民営化反対貫きもぎとった勝利
2月8日、韓国鉄道公社と民主労総傘下の鉄道労組が代表者懇談会を開催し、2003年以降に解雇された鉄道労組組合員98人の復職に合意した。最長で14年もの闘いの末に実現した解雇撤回だ。鉄道労組のカンチョル委員長は、組合員あての書簡に「今回の合意は単純に『復職』だけの意味を超えて、鉄道労組組合員同志の犠牲と苦労が無駄でなかったこと、鉄道の公共性を命のように大切にし国民と一つになって、鉄道民営化反対を叫んだ組合員同志の主張が決して間違っていなかったという事実を立証したもの」「すべて解雇同志と組合員同志の力で勝ち取ったとうとい結果」と記した。
これは、2016〜17年の「ろうそく革命」を切り開いた民主労総のゼネストを牽引(けんいん)した鉄道労組の74日間のストライキから現在に至るまでの闘いをとおして、韓国の労働者階級が実力でもぎとった偉大な勝利だ。
労組の力示した74日の鉄道スト
新自由主義と労組破壊攻撃を徹底的に推し進めた前大統領パククネは、一貫して民主労総の解体を狙ってきた。その攻撃の焦点こそ、KTX(韓国高速鉄道)の民営化だった。鉄道労組は13年の23日間ストに続き、16年秋から12月には74日間のストを決行。資本と癒着して労働者の生活を破壊してきた歴代政権の底なしの腐敗が暴かれる中、民営化と外注化、さらに賃金体系を破壊して労働者を分断する「成果年俸制」に対し真っ向から立ちはだかったのだ。労働組合のもとに団結した労働者こそが社会のすべてを動かし、安全を守り、未来をつくる力をもった存在であることを堂々と宣言した鉄道労組の闘いは、多くの人々の価値観を一変させた。
鉄道労組はこの史上最長のスト終結後にも団結を守り抜き、ムンジェイン政権下でついに、KTXの外注化中断に続いて成果年俸制を廃止に追い込む大きな勝利を実現した。
鉄道積弊清算へ闘争継続を宣言
復職合意は実現したが、闘いは終わっていない。2006年の子会社設立と乗務業務の外注化に伴う整理解雇に対して12年に及ぶ闘いを続けてきたKTXの女性乗務員33人は、巨額の債務からは解放されたものの、直接雇用での復職は果たされていない。鉄道労組は「これからが鉄道積弊清算の正念場だ」と決意を明らかにしている。また、韓国政府は2月28日に勤労基準法の改悪を強行。無制限の労働延長を認める「特例業種」を残し、休日労働の賃金では裁判所の判決より後退させた。安倍がぼろぼろになりながら狙う「働き方改革」とまったく同じ攻撃だ。これに対して民主労総は、3月24日の全国労働者大会を始めとした闘いで反撃に打って出ることを宣言している。
韓国の労働者に続こう。日本でも、国鉄1047名を始めあらゆる不当解雇を撤回させるために闘おう!