犯人蔵匿弾圧裁判 検察の立証は破産した 懲役2年求刑に怒りの陳述

週刊『前進』04頁(2921号04面03)(2018/03/05)


犯人蔵匿弾圧裁判
 検察の立証は破産した
 懲役2年求刑に怒りの陳述


 「犯人蔵匿」でっち上げ弾圧裁判第6回公判が、2月20日、大阪地裁(第2刑事部・伊藤寿裁判長)で行われた。裁判は、いよいよ論告・最終弁論・最終意見陳述であり、大詰めとなった。今回は、検察による被告人質問と論告が国家権力の体制的危機の深さを際立たせるものとなった。
 これまでの5回にわたる裁判において、警察・検察は「犯人蔵匿」とされる事実を何一つ立証することはできなかった。国家権力は証人を9人(警察官7人と科捜研2人)も立てたが、警察官証言をすべて撤回するところまで追いつめられ、内容としては信用性のない「非供述証拠」として出し直すという無様な取り戻しを行った。
 また、大坂正明同志を特定しようとしたDNA鑑定証言も、DNA鑑定では「親子関係として矛盾はない」としか言えず、本人と特定することができなかったことを認めた。DNA鑑定は検察が追加で提出した証拠であったが、惨めな破産をさらした。
 したがって、被告人質問も論告も検察のでっち上げストーリーを無理やり強弁するだけで、なんら説得力を生み出すことはできなかった。「捜索した部屋から『前進』や『星野新聞』が差し押さえられており、被告人は大坂正明が殺人罪で逃亡していたことを知っていた」などと主張するが、「知っていたはず」にすぎず、立証抜きの論理の飛躍である。しかし、検察はこのような破産を塗り隠す国家権力そのものの意思として、「懲役2年」という許しがたい求刑を行った。断固粉砕あるのみだ。
 次に、最終弁論と最終意見陳述が行われた。最終弁論を行った堀和幸弁護士は「何一つ立証されず、無罪以外にありえない」と警察・検察のでっち上げ弾圧を断罪した。
 裁判の最後に、被告とされた鈴木哲也同志が最終意見陳述を行った。冒頭、「私に対する『犯人蔵匿』はでっち上げであり、私は無実・無罪以外に絶対にありえない。検察が必要以上に時間をかけて立証しようとしたことは、すべて破産している」と正義の陳述を行った。そして「今回の弾圧は共謀罪攻撃の一環として画策されたものである。治安維持法の再来と言われ、多くの文化人もその成立に大きな危機感を表明していたにもかかわらず、安倍政権は無理やり成立させた」と、戦争のための治安弾圧としての共謀罪を弾劾した。「こうした攻撃で労働者民衆の闘いを圧殺できると考える権力は痛い目にあうだろう。共謀罪のどす黒いおそるべき全貌(ぜんぼう)はもっと明らかにされ、葬り去る必要がある」と弾圧粉砕の激しい決意を明らかにした。
 判決は4月27日午後2時からと決定された。戦争・改憲攻撃が激化する中で、戦争のための共謀罪弾圧を粉砕しよう。国鉄闘争30年の地平は、国家権力の特高警察化をすでに粉砕している。弾圧を団結に転化して闘おう。3・25改憲阻止!日比谷集会に総決起し、2018年決戦の革命的発展をかちとろう。
(近畿救援会・Y)
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