JR総連・東労組が大崩壊に 動労総連合拡大へ決戦の時 第3の分割・民営化粉砕へ
週刊『前進』02頁(2920号02面01)(2018/03/01)
JR総連・東労組が大崩壊に
動労総連合拡大へ決戦の時
第3の分割・民営化粉砕へ
JR総連・東労組はついに大崩壊を開始した。JR東日本資本の指示で、本社・支社の幹部社員や現場の助役以上の管理職が東労組から脱退している。その人数はすでに数千人に及ぶ。大学卒採用の幹部候補生も含めれば、管理者層は1万人規模だ。JR資本は、東労組の最後的な解体に本格的に乗り出した。これは、国鉄分割・民営化が31年を経て、根底的に破産したことを意味している。
資本の指示で数千人が脱退
この事態の直接のきっかけは、東労組が「格差ベア永久根絶」を掲げ、東京近辺の運転職場で分会役員らの「指名スト」を準備しろという「闘争指令」を下ろしたことにある。これを逆手にとって、JR資本は管理職層の東労組からの総脱退に踏み切ったのだ。脱退の雪崩が管理職層だけにとどまるはずはない。資本の力を前提に成立してきた東労組は、大崩壊の過程に入ったのだ。これは、東労組が東日本労連という形で組織しているJRのグループ会社労組にも広がると見なければならない。
東労組の執行部を握る反革命党派のカクマルはそもそも、国鉄分割・民営化の手先となり、国鉄労働者1047名の解雇を率先推進してきた存在だ。分割・民営化後もカクマルは、外注化をはじめとする資本の進める合理化施策を先頭に立って進めてきた。その軸にあったのが「スト根絶」をうたう労使共同宣言だった。カクマルは動労千葉―動労総連合が決行するストライキへの敵対者・圧殺者として自らを資本に売り込んできた。
そのカクマルが「指名スト」指令を下ろさざるを得なくなったことに、彼らの根底的な破産がある。
カクマルの自己保身が目的
かねてからJR資本は、カクマルとの結託体制を清算し、カクマルを切り捨てることを決断していた。これに対してカクマルは、根底的な激突には至らないところで資本との「対立関係」を演出し、それによって結託体制の維持を資本に哀願するとともに、東労組内部を引き締める手段としてきた。カクマル活動家の再生産も、その構造の中で行われてきた。だが、カクマルが本質的に資本の最も悪質な手先となっている以上、東労組組合員は誰も労組を信頼しない。「仲間を出し抜いてでも管理者に取り入る」という行動様式がはびこり、カクマルの後継者づくりもうまくいかなくなった。この中でカクマルは「指名スト」指令という冒険に走らざるを得なくなったのだ。
「格差ベア反対」の指名ストは、資本と根本的に激突するものではない。JRは鉄道業務を全面的に分社化し、労働者をそこに転籍させて非正規職に突き落とすことを狙っている。2000年以来強行されてきた外注化で、外注会社の非正規労働者が低賃金で鉄道業務を担う構造がつくり出されてきた。この攻撃の最先兵こそカクマルだ。
ストライキを言うなら、この現実に立ち向かうストライキこそが求められている。だがカクマルは、あえて焦点をずらして「格差ベア反対」を押し出した。それは、本気で資本と対立するつもりはないというアピールだ。しかも、その「指名スト」さえ「勤務時間外での自己啓発活動には応じない」というストならざるものに後退させ、ついにはスト指令も解除した。すべては、カクマルの自己保身だけが目的だったのだ。
「水平分業」との全面激突に
JR資本もまた、労働者支配をカクマルに丸投げにしてきたことのつけがたまり、労務政策を資本の立場で強行できる人材を育成できずにきた。カクマルの切り捨てを決断しながら、その本格的な実行に踏み込めなかったのはそのためだ。だが、「水平分業」と称する鉄道業務の全面的な分社化に突き進むために、資本はこの状態を引きずることができなくなった。
昨年6月、JRは「水平分業」に着手するための布石として、60歳定年後65歳まで再雇用されるエルダー社員を、JR本体に配置することもあると提案した。これに対し東労組は、施策自体は容認しつつ、「効率化が前面に押し出されていることには反対」という態度をとった。資本はこの東労組との水面下での調整に手間取った。
その過程で昨秋、JRは常磐線特急の車掌1人乗務化や電車の基地への出入区作業の全面外注化を企てた。これには東労組の現場組合員からも怒りが噴出し、その怒りは誰にも抑えられず、計画は頓挫した。
この事態は、外注化攻撃の核心を撃つ動労総連合の強制出向無効確認訴訟と現場での闘いがJRを追い詰めた結果でもあった。
この状況を強行突破するために、JRは東労組の最後的な解体に乗り出してきた。第3の分割・民営化攻撃はいよいよ本格化する。これは安倍「働き方改革」の最先端にある。東労組に向けられた攻撃の刃は動労総連合にも向いている。第3の分割・民営化攻撃との全面激突が始まったのだ。
この激戦を貫く中に、動労総連合の組織拡大をかちとる展望がある。カクマルがペテン的であれ「ストライキ」をわめけばわめくほど、資本と真に対決するストライキへの欲求はかき立てられる。東労組崩壊の中で、一人ひとりの労働者が「労働組合とは本来、何か」を自らに問うている。長時間労働と低賃金への怒り、安全崩壊と事故責任の労働者への転嫁に一矢報いたいという思いは、JR本体でも外注先でも、労働者の中に必ずある。これに分け入り、動労総連合の組織拡大を実現する時は来た。
国鉄1047名解雇撤回・ローカル線廃止反対の新たな闘いも、2・11国鉄集会で打ち立てられた。JR総連を階級的労働運動の力で打倒し、国鉄分割・民営化体制を打ち砕く歴史的決戦の幕は開いた。