全国Jアラート訓練反対 職場・地域で戦争動員阻もう

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週刊『前進』04頁(2919号03面01)(2018/02/26)


全国Jアラート訓練反対
 職場・地域で戦争動員阻もう


 3月14日に内閣官房主導でJアラート(全国瞬時警報システム)情報伝達訓練が全国で一斉に強行されようとしています。朝鮮戦争突入の体制をつくるための戦争動員訓練です。絶対にやめさせましょう。全国の職場・地域から反対の声を上げれば阻止できます。自治体、学校の労働者、労組は先頭に立ちましょう。

労働組合の闘いで止められる!

 昨年9月8日に文部科学省が「北朝鮮による弾道ミサイル発射に係る対応について」という通知を全国の都道府県・指定都市教育委員会などに発出しました。これを受けて、各地の学校で頭を抱えてしゃがむなどの「ミサイル避難訓練」が始まっています。
 ある地教委では、12月に「避難訓練実施要項の策定について」という文書を各学校長に送り、避難訓練実施要項に「Jアラート発報時対応の避難訓練を年1回以上設定する」ことを、来年度の教育計画に記載することを求めています。
 すでに「弾道ミサイルが着弾した場合の行動例」の文書を子どもたちを通して保護者に配布したり、校長が教職員に何の説明もしないで、突然授業中に「机の下に10秒間潜りなさい」と校内放送で流し、後から「ミサイル避難訓練だ」と説明した学校もあります。当然にも「おかしい」という怒りの声が現場から上がっています。
 これに対して、組合が先頭に立っていち早く情報をつかみ、学校でやらないように抗議して、市教委が動き出す前に阻んだ地区もあります。
 神奈川県三浦半島の小中学校では、訓練をやらせない闘いが、分会(学校)単位で行われて、各所でこれを阻止しています。声を上げれば止められます。

昔の「防空演習」と完全に同じだ

 これらの訓練は、子どもたちを守るためのものではありません。北朝鮮の脅威と排外主義を扇動し、戦争をあおって、教育労働者と子どもたちを戦争に動員するための訓練です。したがって、実際にミサイルが飛んできたとしても何の役にも立たない無意味な訓練です。訓練が実行された自治体の担当者も、「こんなことで守れますか」という問いに、うなだれて答えられないか、守れないことに同意するほどです。
 Jアラート訓練は、戦前・戦中の「防空演習」と同じです。『「逃げるな、火を消せ!」戦時下トンデモ「防空法」』(大前治著)によれば、1928年に大阪で始まった防空演習は「全市ものすごい戦争気分」をつくり出し「思想宣伝として」行われました。37年には「防空法」がつくられ、これによって最後は「空襲は怖くない、消火は簡単、防空は『国民の義務』、猛火へ飛び込め、命を捨てろ」と強制されました。子どもや民衆の命を守るどころか、すべてが〝国土防衛〟に駆り出され、国のために殺されていったのです。

命を守るために安倍を倒そう!

 3月14日には、内閣官房主導で「Jアラート全国一斉情報伝達訓練」が行われることがわかりました。全国、同日同時刻に内閣官房が発報し、防災無線・学校・保育園が受信し、「建物の中への避難」や「個々の施設の判断で、机の下に隠れるなどの対応をお願いする」というものです。これらは、日頃学校で行っている災害・事故の避難訓練とはまったく性格が違います。教育労働者と子どもと学校を戦争体制に組織するものです。何よりも戦争の機運をつくって9条改憲を強行するためのものです。
 内閣官房は今、「核爆発」には〝目で見ないようにし、とっさに身を隠し、口と鼻をハンカチで覆う〟と指示しています。子どもたちの命を守るのは無意味なミサイル訓練ではなく、戦争そのものを止めること、改憲・核戦争にのめり込む安倍を倒すことです。
 自治体や学校で働く労働者・労働組合は、職場から地域から反対の声をつくり出して、戦争のためのミサイル訓練を阻止しましょう。
(東京 元教員・米山良江)
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