労組の力で雇い止めを阻止 宮城 団交で無期転換を確認

週刊『前進』02頁(2918号02面03)(2018/02/22)


労組の力で雇い止めを阻止
 宮城 団交で無期転換を確認

(写真 雇い止めを阻止したみやぎ連帯ユニオンの仲間たち【1月20日】)

 私は、日本私立学校振興・共済事業団が運営するホテル仙台ガーデンパレス(仙台GP)のフロント職員として働いています。1年契約の臨時職員として20年以上働いてきました。昨年3月の契約更新の時に就業規則を渡されました。その際に何の説明もありませんでしたが、そこには「事業団が特に必要と認める場合を除き、5年を超える場合または65歳を超える場合は、更新は行わない」という項目が入っていました。事業団は「改正労働契約法」を受けて、「5年雇い止め解雇」を明記したのです。私はこれを見て、自分は雇い止め解雇されると思いました。
 仙台GPで働いている人の4分の3が非正規労働者です。職場に労働組合はありませんでした。仲間に「5年で首と就業規則が変わったことを知ってる?」「東北大学でも3千人を超える労働者が首に直面しているんだけど」と話をしても、知っている人はほとんどいませんでした。
 私はこれまで、低賃金であったり、労働者同士のいがみ合いから、知らない間に辞めていった仲間を多く見てきました。仲間がすぐ辞める職場を変えていきたい、5年で解雇される職場を変えたいと思い、みやぎ連帯ユニオンとして声を上げることにしました。
 みやぎ連帯ユニオンは、3・11東日本大震災の直後に、解雇に直面した労働者とともに闘って、解雇撤回・原職復帰をかちとった地域の合同労組です。ユニオンや地域の仲間との議論を通して、会社にどうやって組合員通告をするのか、団体交渉をどのようにやるのかなど、一から学びながらの闘いでした。
 1月20日、仙台GPと団体交渉を行いました。とても緊張したのですが、ユニオン組合員や地域の仲間15人が参加してくれて、その団結の力で仙台GP側を圧倒することができました。その結果、採用から5年を超える労働者や65歳を超える労働者について、希望すれば契約更新すると労使で確認しました。また、期限の定めのない雇用(無期雇用)への転換についても、書面を提出すればいいことを確認しました。大勝利です。「仕方がない」とあきらめさせられている現実も、労働組合の力で変えられると実感しました。
 後日、職場で団交報告チラシを配布しました。5年を超えても働けることを喜んでくれる仲間や、初めて会う仲間もいました。「宮城教育大学で無期転換になるという新聞記事を見たよ」と声をかけてくる仲間もいました。職場の仲間の意識が変わっていく姿を目の当たりにしました。勇気を出して、声を出して良かったと思います。さらに、低賃金や仲間がすぐに辞めていく職場を変えるために、頑張っていきます。
 みやぎ連帯ユニオンでは、あらゆる職場での雇い止め解雇を阻止し、有期雇用制度をなくすために、地域の仲間に呼びかけて2月22日に集会を行います。闘う労働組合の姿を社会に登場させて、労働者が誇りをもって生きていける社会をつくりましょう。
(みやぎ連帯ユニオン・松本岳人)
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