3・11郡山―3・25日比谷へ 大量解雇と過労死を許すな 春闘ストで安倍を倒そう

週刊『前進』02頁(2918号01面01)(2018/02/22)


3・11郡山―3・25日比谷へ
 大量解雇と過労死を許すな
 春闘ストで安倍を倒そう


 安倍政権と経団連、それに屈した連合幹部が進める「官製春闘」の現実を打ち破り、職場に労働組合をよみがえらせて18春闘をストライキで闘おう。無期転換を阻むために資本が強行する非正規職の大量解雇を打ち破ろう。3月25日、日比谷野音で行われる改憲・戦争阻止大行進に集まろう。(2面にアピールと要項

「働き方改革」法案粉砕を

 今年冒頭、経済団体の新年祝賀会に参加した安倍晋三首相は、「賃上げ3%をお願いしたい」と異例の要請を行った。これに応え、経団連・榊原定征会長も自ら「3%賃上げという踏み込んだ呼びかけを行っている」と述べている。
 「官製春闘」と言われて5年、労働組合の言葉であった「賃上げ」を経営者や政権の側が声高に叫ばなければならないほどに社会の矛盾は広がった。しかし、それは一方で労働運動が後退し力を失ってしまった現実でもある。
 麻生太郎副首相は「給料やボーナスを上げて欲しいと政権が経団連に頼んでいるが、本来は連合や野党の仕事。自民党の方が民進党より労働組合のためになっている」と発言した。賃金を上げてやるのは自民党なのだから、連合や労働組合は安倍政権を支持しろと言わんばかりだ。
 昔と違って、今は労働組合がない職場も多い。連合傘下の労組の組合員でも、幹部が組合員のために何かをしてくれたという経験のない労働者がほとんどだ。しかし、だからと言って、会社がもうかれば、安倍を支持すれば賃金が上がるなどということに納得できる労働者はいないだろう。5年来の「官製春闘」は、労働者自身の団結と闘いによってしか、賃金は上がらないことを突き出したのだ。

「無期転換」悪用し総非正規化を狙う

 昨年秋、トヨタ自動車やホンダなど大手自動車メーカーが、改悪労働契約法で定められた無期雇用転換を前に、6カ月の空白期間を置けば無期転換の対象にはならないというルールを悪用し、転換逃れを行っていることがマスコミで報じられた。一方で、この1年間の純利益は、トヨタが2兆4千億円、ホンダが1兆円、日産が7千億円と、いずれも過去最高に達すると報じられている。労働者に一生派遣、一生非正規を強制することで、企業はぼろもうけしているのだ。
 改悪労働契約法により、2018年4月に無期雇用転換の対象となる労働者は450万人と言われている。しかも、日経新聞のアンケートによれば、従業員30人以上の企業の45%が、「無期雇用に転換した場合も賃金を変えない」と回答したという。無期転換したとしても待遇は非正規の時と同じであれば、企業は痛くもかゆくもない。しかし、4月を前に多くの企業や大学が無期転換を逃れるために膨大な非正規雇用労働者を雇い止め解雇にしている。
 「労働者を守る」という口実で制定された法律も、実は企業からの要請によって「抜け穴」が数多く準備されている。残業時間を規制するはずの労働基準法36条、いわゆる「サブロク協定」は、労使が合意すればいくらでも残業時間を引き延ばせる協定に変貌(へんぼう)している。残業代などまともに出ない、一日8時間・週40時間の労働時間規制は、多くの職場ではすでに解体されていると言っても過言ではない。
 しかし、それにも飽きたらず、安倍政権と経団連は「働き方改革」の名のもとに、労働基準法などの戦後労働法制を最後的に解体し、「正社員ゼロ(総非正規職化)、解雇自由、労働組合の存在しない社会」をつくろうとしている。18春闘の最大の課題は、この攻撃を打ち砕くことだ。

労働組合の力取り戻そう

 結局、資本家階級と労働者階級の間の闘争、力関係だけが物事を決する。人間らしく生きていけない現実に対する不安と怒りは確実に高まり、労働者が命を守るために団結して闘う意義はますます高まっている。
 今の時代、労働組合をつくって闘うことは簡単ではないかもしれない。労働者が声を上げれば、経営者は決まって言う。「いやなら辞めろ。お前の代わりはいくらでもいる」。労働者は働かなければならない。生きていくには金が必要だ。しかし、労働者も人間だ。一体どこまで一生懸命やれというのか。無期雇用に転換されても非正規の時と待遇は変わらない。それどころか正社員になった方が基本給が下がる職場さえある。会社はそれでも解雇する。「だったらみんなで辞めてやろう」となるのは、人を人とも思わない会社に一泡吹かせる行動として、労働組合に入って闘うよりもリアルにさえ見える。
 しかし、それでも職場に労働組合をつくり、闘う労働組合をよみがえらせ、この春、ストライキで闘おうと訴えたい。労働者の団結こそ、賃金、仕事、誇り、奪われたものすべてを奪い返すことができるからだ。
 JRの労働組合、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は、2年間に及ぶ闘いの末、子会社であるCTS(千葉鉄道サービス)で、ほぼ希望者全員、約200人の無期雇用転換をかちとった。その上で動労千葉は、無期転換になっても「最低賃金レベル」は変わらないという現実を突き崩すため、今春、ストライキを構えて闘う決意を固めている。
 CTSでは毎年200人が「これでは生活できない」と辞めている。この現実に対し、動労千葉は「非正規雇用というあり方そのものを撤廃しない限り、自分たちも、子や孫の世代も、人間らしく生きていくことはできない」とストライキに立ち上がる。労働者は自分のことだけでなく「こんなつらい思いは他の人にさせてはならない」と思いながら働いている。その気持ちを実現できるのが労働組合の本来の力だ。
 さらに、安倍政権の進める戦争と改憲に反対することは労働組合の特別の任務だ。安倍は3月25日の自民党大会で改憲案をまとめ、秋の国会での改憲発議を狙っている。自国の労働者を苦しめている安倍やトランプが、朝鮮で核戦争をやろうとしている。3・11反原発福島行動を闘い、3・25改憲・戦争阻止大行進に集まろう。世代を超え、立場の違いを越えて、労働者の団結した力を結集し、安倍の戦争と改憲を止めよう。

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全産別で総非正規職化と大量解雇の攻撃
自動車 契約終了後から再契約までの間に6カ月以上の空白があれば以前の契約期間を通算しないというルールを悪用し、無期転換できないようにしている
JR JR東日本のグリーンスタッフは、雇用期間を5年に限定され、無期転換前に雇い止め。グループ会社は、無期転換はするが賃金などの労働条件は変わらない
郵政 「アソシエイト社員」制度を導入し17年4月に7万5千人を無期転換。しかしスキル評価でB以上などの条件を満たさないと無期転換されない。「アソシエイト社員」は業務が廃止・縮小された場合は解雇されると労働条件通知に明記
教育 東北大学は3200人の非正規教員を雇い止め。私立高校の有期雇用教員のうち少なくとも204人に雇い止め通告。2013年度の公立小中学校の非正規教員は11万5745人で非正規率は16.5%。雇用期間は1年以内で年度末に解雇され、翌年度に再雇用される場合は空白期間を設定
自治体 改悪地方公務員法が施行される20年に臨時・非常勤職員を「会計年度任用職員」に統合。全員を年度末で解雇し、試験・選考を経て採用されるたびに1カ月の試用期間を設け、評価制度で選別
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