三里塚3月決戦に立ち上がろう 農地死守・空港「強化案」白紙撤回へ

発行日:

週刊『前進』04頁(2917号03面01)(2018/02/19)


三里塚3月決戦に立ち上がろう
 農地死守・空港「強化案」白紙撤回へ



(写真 新年旗開きに先立ち反対同盟がデモ【1月8日 成田市天神峰】)


 安倍政権は米トランプの核戦争宣言を全面支持し、戦争・改憲へと突進している。軍事空港の完成=首都圏空港機能強化案との闘いは、戦争・改憲攻撃を打ち破る最先端の攻防だ。市東孝雄さんの農地強制収用を阻む闘いも、千葉地裁による請求異議裁判の早期結審策動の中で正念場を迎えている。三里塚芝山連合空港反対同盟が「3月決戦」として呼びかける3・4芝山現地闘争―3・8請求異議裁判・デモに集まろう。

安倍の改憲攻撃と一体の騒音地獄・住民追い出し

 1月22日の施政方針演説で安倍は、戦争・改憲に突き進むと内外に宣言した。その中で「羽田、成田空港の容量を、世界最高水準の100万回にまで拡大」「2020年までに8万回の発着枠拡大を実現」と、首都圏空港機能拡張を明言した。かつてない踏み込みであり、朝鮮侵略戦争の準備に他ならない。成田機能強化は改憲攻撃と一体だ。
 巨大空港建設は、何よりも戦争のための輸送・出撃基地、軍事使用が目的だ。成田空港はすでに、米軍50万人受け入れの兵站(へいたん)基地として位置付けられている。また、アジアをめぐる勢力圏争いの激化を阻んできた三里塚闘争をつぶすためにも、日帝は死活をかけて成田空港の巨大化を推進しているのだ。
 安倍の踏み込みを受けて機能強化案決定への動きが加速している。1月31日、千葉県と空港周辺9市町の首長(空港圏自治体連絡協議会)が成田空港会社(NAA)に「飛行制限緩和案の改善」や「騒音対策の拡充」などを掲げた要望書を提出。国とNAAは「7時間の静穏確保」などの「最終調整」をするという。県は地域振興策の具体案として国の特区制度を活用し、企業誘致やインフラ整備を提示しようとしている。
 これは機能強化案受け入れを前提にした出来レースだ。国とNAAの新たな「改善策」と千葉県の振興策を地元自治体が了承し、今年度中に4者協議会を開いて正式決定へと持ち込もうとしているのだ。
 新たなNAA案は、滑走路間で深夜・早朝の飛ばない時間帯を「スライド」させて設ける「静穏時間」を、6時間から7時間にすると言うが、騒音は直線上に現れるのではない。空港全体の飛行制限は、夜12時半から朝5時までのわずか4時間半で従来の「見直し案」と何ら変わらない。二つの滑走路の延長線にはさまれた「谷間地域」では、19時間半も騒音を浴び続ける。(図)そして、芝山町北部の広大な地域に3500㍍のC滑走路=第3滑走路を建設し、数百戸の住民を追い出し、農地・山林・水系を大規模に破壊することは「大前提」として語られている。こんなものは白紙撤回以外にない!

相川町長の妨害打ち破り3・4芝山町縦断デモを

 この先兵となっているのが芝山町長・相川勝重だ。相川は反対同盟の3・4闘争に対するあからさまな妨害という暴挙に出ている。3カ所の会場使用申請に対して芝山町は、「相川町長の指示で機能強化に反対する者に会場は貸さない」などと、ことごとく貸し出しを拒否してきた。反対同盟から脱落し条件派となり、今や空港推進の先兵へと転落した相川は、住民の命と生活を踏みにじっている。
 しかし、住民の怒りを抑えることなどできない。横芝光町に続き芝山町でも、住民の怒りを体現する看板が相次いで立った。「ここに私達の生活がある これ以上の騒音はごめんだ!」「協力し合って生きてきたのです! 地区の分断は絶対に許さない!」----これが住民の切なる声だ。
 新たな住民決起との連帯を深め広げよう。機能強化案粉砕は改憲阻止、安倍打倒の闘いそのものだ。「絶対反対」「白紙撤回」で闘う労働者・農民の固い団結を基礎に地域の大反乱を巻き起こそう。相川の妨害を許さず、4者協議会粉砕へ3・4現地闘争を闘おう。

3・8千葉地裁に結集し早期結審策動粉砕しよう

 最も重大な闘いが、3・8請求異議裁判闘争だ。
 反対同盟は請求異議裁判を軸として強制執行阻止の署名や千葉地裁包囲デモを闘い、1年にわたって最高裁の農地取り上げ決定を打ち砕いてきた。この不屈の前進によって、市東さんの農地を守る闘いは改憲阻止決戦のただ中に躍り出た。
 反対同盟52年の闘いは、戦争のための農地強奪を阻み、改憲を阻止し続ける労農連帯・国際連帯を生み出している。「三里塚のように闘おう」「三里塚と連なって闘おう」という声が沸き上がり始めている。
 階級闘争の鎮圧をもくろむ安倍政権にとって、三里塚が健在であることは容認できない。それゆえ今、三里塚関連の全裁判が反動訴訟指揮=終結策動との激烈な攻防になっている。請求異議裁判では前回、高瀬順久裁判長が突如「次回、市東さんと萩原富夫さん2人の証人調べをやりたい」と弁論打ち切りの意志をあらわにした。弁護団・傍聴席一体で弾劾し反撃して押し返したが、3月8日の裁判は証人調べをめぐる正念場の闘いであり、裁判終結=強制執行策動を打ち砕く最大の決戦だ。
 市東さんの「国家権力と真っ向から勝負する18年にしたい」(全国農民会議の総会でのあいさつ)という決意に応えよう。決戦本部に集い、強制執行阻止の陣形をさらに拡大しよう。
 平昌(ピョンチャン)五輪終了後、朝鮮侵略戦争情勢が一気に緊迫の度を深めることは間違いない。安倍は3月25日の自民党大会での自民党改憲案確定、秋までの改憲発議を狙っている。3・25改憲・戦争阻止大行進を頂点に、3月の激闘は歴史を画する闘いとなる。3月決戦の突破口を切り開くために、3・4芝山現地縦断デモに結集しよう。強制執行阻止の署名運動をさらに広げ、3月8日のデモ・傍聴闘争に集まろう。4・1全国総決起集会で戦争・改憲の先取り攻撃と真っ向から闘いぬいてきた反対同盟とともに安倍政権打倒へ攻め上ろう。
〔幸崎淳志〕

------------------------------------------------------------
◎団結街道裁判 千葉地裁
 2月27日(火) 午後1時30分開廷
 空港機能強化案粉砕・第3滑走路阻止!

3・4芝山現地闘争
 3月4日(日)午後0時30分
 芝山町岩山 野戦病院集合
 〜芝山町役場までデモ

3・8請求異議裁判・千葉市内デモ
 3月8日(月)
 午前9時 千葉市中央公園集合
 10時30分開廷 千葉地裁

このエントリーをはてなブックマークに追加