知る・考える 用語解説 象徴天皇制―戦後革命が強制した天皇制の延命形態
週刊『前進』02頁(2916号02面05)(2018/02/15)
知る・考える 用語解説
象徴天皇制―戦後革命が強制した天皇制の延命形態
日本帝国主義の支配構造の柱をなす近代天皇制の、戦後における延命形態。
アジア・太平洋戦争において昭和天皇ヒロヒトは、大日本帝国の元首かつ陸海軍を統帥する「大元帥」として侵略戦争を指揮した。2千万人から3千万人ともいわれるアジアの人々と「天皇の軍隊」に徴兵された日本軍兵士・人民310万人を虐殺した責任はヒロヒトにある。ゆえに日帝の敗戦後、労働者人民は天皇の戦争責任を厳しく追及して闘いに決起し、46年の「食糧メーデー」では、25万人が皇居前広場を埋め尽くした。
ところがGHQ(連合国軍総司令部)と日帝支配階級は天皇の戦争責任を不問に付し、戦後日本の統治と支配の手段として天皇制を維持した。「戦争放棄」をうたう一方で「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」(第1条)と定めた現憲法は、戦後革命の敗北と引き換えに支配階級が行った「譲歩と妥協」の産物だ。
天皇は専制君主としての権能を失い、国政への関与を禁止されたが、現天皇アキヒトは憲法で定められた「国事行為」とは別に、「象徴としての務め」と称して戦跡への「慰霊の旅」や被災地への「慰問」など極めて政治的な行為を行ってきた。
天皇制こそ差別・抑圧の元凶であり、日帝が再び戦争に突き進むとき、必ず支配階級の反革命的シンボルとなる。労働者階級にとって象徴天皇制は、帝国主義もろともプロレタリア革命で葬る対象だ。