陸自ヘリ墜落を弾劾する 戦争狙う安倍こそ事故の元凶だ
陸自ヘリ墜落を弾劾する
戦争狙う安倍こそ事故の元凶だ
安倍政権による憲法9条破壊と軍備増強、朝鮮侵略戦争への参戦準備が急ピッチで進む中、ついに自衛隊が大事故を起こした。
2月5日午後4時43分頃、陸上自衛隊目達原駐屯地所属のヘリコプターAH64Dが佐賀県神埼市の民家に墜落し、住宅2棟が炎上、この家に住む11歳の女児が負傷し、乗っていた自衛隊員2人が死亡した。上空で爆発音をたて、パイロットが管制官と交信する間もなく、部品を撒き散らしながら住宅密集地に向かって真っ逆さまに垂直落下するという恐るべき大事故だ。
墜落現場から150㍍のところには認定こども園があり、事故当時園内には0〜5歳の園児約60人がいた。300㍍離れた地点には小学校もある。住民に死者が出なかったことはほとんど奇跡というほかない。負傷した女児の母親は、自衛隊関係者が謝罪に来たが「許せない」と話す。
「すごく恐ろしかった」「沖縄の事故を連想し、体が震えた」「いつどこで事故が起こるかわからない」「普段からヘリがうるさかったが、もう上空を飛んでほしくない」----周辺の住民からは、事故への恐怖感とともに激しい怒りの声が次々とあがっている。
侵略戦争のために攻撃ヘリを導入
今回の大事故の根本的な原因は、安倍政権が米トランプ政権と一体化して朝鮮戦争参戦を狙い、自衛隊の任務・訓練を激増させてきたことにある。この間、自衛隊機の墜落事故は異常な頻度で発生している。昨年5月、北海道北斗市の山中で陸自の連絡偵察機が墜落し隊員4人が死亡した。8月には海上自衛隊の哨戒ヘリが夜間訓練中に青森県沖に墜落し、隊員2人が死亡し、1人が行方不明に。10月には、静岡県浜松市の沖合で航空自衛隊ヘリが墜落し、隊員3人が死亡し、1人が行方不明となった。今年度だけですでに4件という異常事態だ。
しかも今回事故を起こしたAH64Dは、「空飛ぶ戦車」と呼ばれる攻撃任務のみに特化した武装ヘリである。30㍉機関砲、70㍉ロケット弾、対戦車ミサイルなどを装備し、イラク戦争で米軍の主力攻撃ヘリとして用いられた殺戮(さつりく)兵器だ。このような「攻撃ヘリコプター」は、敵地に海兵隊を上陸させる前に上空から敵を皆殺しにすることを意図して開発されたAH1が最初で、AH64はその後継機である。防衛省はこの攻撃ヘリを「戦闘ヘリ」などと言い換えて06年に自衛隊に導入した。
こんな殺戮兵器が住宅街の上を日常的に飛び回っていること自体が断じて許しがたい。さらに自衛隊は今年3月、相浦駐屯地(長崎県佐世保市)に水陸機動団=「日本版海兵隊」を発足させ、佐賀空港には輸送機オスプレイやAH64Dを集中配備することを計画している。朝鮮侵略戦争の最前線に自衛隊を投入するための準備にほかならない。
その矢先に起きた今回の事故に、陸自幹部は「最悪のタイミングだ」などと漏らしている。「国民の命を守る」と言いながら、安倍や自衛隊幹部が実際にやっているのは人々の命と暮らしを脅かしながらの戦争準備だ。これへの怒りの声はますます高まっている。
労働組合を先頭に、戦争を阻止し命を守る闘いを今こそ全国で巻き起こそう。
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▼AH64D 米マクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)が開発した攻撃ヘリコプター。通称「アパッチ・ロングボウ」。ベトナム戦争に投入されたAH1(通称「コブラ」)の後継機であるAH64A(通称「アパッチ」)をさらに性能向上させた機種で、現在米軍の主力攻撃ヘリ。最大速度は時速266㌔、航続距離は約500㌔。全周囲索敵能力を持ち、地上の100を超える攻撃目標を同時に捕捉できる。自衛隊は06年に導入し、事故機を含め現在13機を保有。