犯人蔵匿弾圧第5回公判 でっち上げは完全に破綻 DNA鑑定の限界が露わに
週刊『前進』04頁(2911号04面03)(2018/01/29)
犯人蔵匿弾圧第5回公判
でっち上げは完全に破綻
DNA鑑定の限界が露わに
1月18日、「犯人蔵匿」でっち上げ弾圧第5回公判が大阪地裁(第2刑事部・伊藤寿裁判長)で行われました。今回は、鈴木哲也同志とともに逮捕された「もうひとりの男」が大坂正明同志であることを証明するDNA鑑定関連の証言を6人から聞くというものでした。
今回の公判は法廷警備の厳重化のもとで行われました。仙台地裁で起こった裁判長への切りつけ事件を口実に、今年から大阪地裁・高裁のほか全国5カ所の裁判所に金属探知機ゲートが設置され、手荷物検査を強化する措置がとられました。新自由主義が崩壊し司法改革が破綻する中で、法廷には労働者の怒りが満ちています。国家権力は、このままでは司法が戦争・改憲のための暴力機関にならない事態を突きつけられています。朝鮮侵略戦争が切迫する中で、国家支配の維持・再構築の切っ先として今回の法廷警備の強化があると言えます。
今回の裁判では、冒頭から伊藤裁判長が退廷命令を乱発し、廷吏が傍聴者を暴力的にたたき出すという許しがたいエスカレーションもありました。これと断固対決して公判闘争が闘われました。
公判には、警視庁科学捜査研究所と大阪府警科学捜査研究所のDNA鑑定担当者、警視庁公安1課と大阪府警公安3課の警察官が出廷しました。大坂正明同志の母・姉・親戚を「説得」(恫喝だ!)してDNA鑑定の素材を提出させ、警視庁科捜研・大阪府警科捜研で「科学的に」鑑定して結論づけたというのです。
しかし、弁護側質問とこれに対する証言を通して、今回のDNA鑑定では「人物の特定」はできないことが逆に明らかになりました。母系関係の鑑定を行った警視庁科捜研の担当者は、「この鑑定は個人を識別できるものではない」とはっきりと証言しました。また、男系関係の鑑定を行った大阪府警科捜研の担当者も、「『(親族関係であることに)矛盾しない』という表現がDNA鑑定の限界」と、捜査手法としての限界性=破綻性を語る始末でした。
「犯人蔵匿」でっち上げは完全に破綻しました。無実の鈴木哲也同志をすぐ釈放せよ!
次回公判は2月20日(火)午後3時から大阪地裁201号法廷で行われる。全力で結集しよう。
(近畿救援会・Y)