原発事故から7年 3・11福島行動へ 原発も核戦争も絶対許すな 動労水戸とともに被曝労働拒否を

週刊『前進』04頁(2911号03面01)(2018/01/29)


原発事故から7年
 3・11福島行動へ
 原発も核戦争も絶対許すな
 動労水戸とともに被曝労働拒否を

(写真 全国から1100人が参加し、大高揚した昨年3・11の反原発福島行動【郡山市】)


 2018年決戦が改憲・戦争阻止の戦後最大の政治決戦として急速にせり上がった。7年目の3・11は、原発も核も絶対に許さないという福島の根底的な怒りと労働者階級の国際連帯の力で改憲も核戦争も止める大決戦だ。3・11反原発福島行動18へ、全国の闘う労働者人民のみなさんの総結集を訴えます。

「福島はもう安全」デマへの翼賛動員を拒否して闘おう

 米帝トランプ政権は、新国家安保戦略にもとづく「核戦略の見直し」(NPR)で「低爆発力の小型核兵器の開発・配備」などを打ち出し、核兵器の先制使用をもいとわず朝鮮侵略戦争に踏み出そうとしている。安倍は「天皇代替わり前の改憲前倒し」を狙い、年内の改憲案発議へ動き出した。天皇アキヒトは3月の沖縄訪問を決断し、6月の南相馬全国植樹祭とあわせ、沖縄と福島の圧殺に最後まで使命感を燃やしている。
 年頭の麻生財務相の「連合は、陳情は自民党、選挙は民進党。全然おかしいですよ。われわれの方がよっぽど労働組合のためになっているんじゃないですかね」という発言をみるまでもなく、労働法制改悪をめぐる連合の底なしの屈服と産業報国会化が本格的に狙われる中、労働組合の存在意義がいまほど問われている時はない。
 「オール福島」陣形で開催される「2018原発のない福島を!県民大集会」が3月17日、福島第一原発からわずか15㌔の楢葉町の天神岬スポーツ公園で開催されようとしている。県教組など労働組合が事務局を担い、関東、東北の自治労など労働組合が動員される集会だ。避難者が帰還と被曝の強制と闘っている時に、あえて原発直近の屋外会場で集会を開く意味がいったいどこにあるのか。
 集会の呼びかけ人である福島大学名誉教授の清水修二らが執筆した『しあわせになるための「福島差別」論』(かもがわ出版)が先日出版された。この中で清水は、「被災地は新たな段階に入った」「原発事故がもたらした差別と分断を乗り越えるには、『科学的な議論の土俵を共有すること』です」「子どもを『安全な場所』に保養に出すという行動は、福島が『危険な場所』であることを認める行動でもあります。それは農産物の生産者を苦しめ、保養に子どもを出していない親を苦しめ、福島で子育てをしているすべての親を苦しめることになりはしないか」などと述べている。福島をめぐる問題を差別問題に切り縮め、福島はもう安全だという「科学的議論」をしようと、避難者や保養参加者に攻撃の矛先を向けているのだ。
 そして「年間1㍉シーベルト(あるいは毎時0・23㍃シーベルト)基準にこだわることが避難者の利益に必ずしもつながらない」として、高線量地域への帰還をうながす。これは、原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長が今月17日に、「1時間あたりの空間放射線量の基準値〈0・23㍃シーベルト〉を改めないと復興や住民の帰還を阻害する」と発言し、国の放射線審議会が提言をまとめることになった除染基準の引き上げを「あうん」の呼吸で導いたものだ。楢葉現地集会という設定は日本共産党などが主導しての「確信犯」的行為だと言わざるをえない。

常磐線の全線開通に反対の署名をすべての労働組合に

 3・11反原発福島行動18がますます決定的となった。動労水戸・動労千葉・動労福島・動労東京が呼びかける「被曝と帰還を強制する常磐線の全線開通反対署名」をすべての労働組合に持ち込もう。安倍や東電とともに「復興」と「安全」を宣言する手先に労働組合がなっていいのかを真っ向から問おう。被曝をなきものにすることは、「核と人類は絶対に相いれない。核と核戦争絶対反対」という労働組合と労働者階級人民が戦後守り抜いてきた闘いを投げ捨てることだ。
 「あらゆる被曝と核に反対。すべての原発ただちに廃炉」で闘ってこそ労働組合だ。3・11以来の反原発の怒り、被災者を切り捨てて被曝を強制する攻撃への根底的怒りは、動労水戸の被曝労働拒否、常磐線全線開通阻止の闘いと結びつき、避難者の帰還強制を許さない闘いとして発展している。この闘いをどこまでもつらぬくことが安倍政権の改憲プランもオリンピックも粉砕する。労働組合が絶対反対で闘えば勝てるのだ。昨年の4・1浪江、10・21富岡での、動労水戸、そして動労福島が先頭で闘った常磐線開通反対の実力決起は、帰還の強制と闘う地元の住民や全国へ避難している人たちを心底激励した。
 外注化も被曝の強制も労働者の共同性を分断し、安全と生命をおびやかす。これと絶対反対で闘うことは労働組合の階級的責務だ。動労水戸とともに動労福島が「労働の奪還」をかけて、JR本体と関連会社、正規と非正規の団結を生み出す闘いを開始した。福島の子どもたち、青年の未来と生命(いのち)を取り戻す闘いと一体だ。

甲状腺検査の縮小を許さず共同診療所とともに進もう

 福島県が実施している「県民健康調査」の検討委員でもあった清水修二は、前掲書で「被曝の影響の解明を過度に追求することで人々の健康がかえって損なわれかねない可能性が出てくる。甲状腺の検査をめぐって議論になっているいわゆる過剰診断の問題がそのひとつです」と言いきった。「見つけなくてもいいがんを見つけて、子どもや親に余計な負担を与えている」という「過剰診断」論に立つ委員で検討委員会を固め、学校検診もふくめた甲状腺検査の縮小に向けた動きを強める環境省や福島県立医大の代弁者だ。
 小児甲状腺がんの子どもは「県民健康調査」の「枠外」も含めるとすでに200人を超えている。B判定(5・1㍉以上の結節や20・1㍉以上ののう胞)などの「経過観察」となった子どもたちは通常診療への移行を理由に「県民健康調査」の枠からはずされ、がんになったとしても県立医大には検討委員会への報告義務がない。実際この間、外部から指摘されるまで報告されなかった事例が何件も明らかになっている。
 「経過観察」の子どもは2700人もいる。実際にはがんになっていても診療を受けていない、あるいは診療を受けても報告がなされていない事例が膨大に埋もれているおそれがある。被曝の現実を隠し、健康被害の実態を隠蔽(いんぺい)することなど絶対に許されない。政府と東電の責任を徹底追及する闘いで団結することが分断を打ち破る唯一の道だ。「避難・保養・医療」を闘うふくしま共同診療所とともに闘おう。
〔革共同福島県委員会〕

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福島から改憲・戦争を止めよう
原発・オリンピックを打ち砕こう
3・11反原発福島行動
 3月11日(日) 午後1時開会
 郡山市民文化センター大ホール
    ※3時から郡山駅前までデモ
 主催/3・11反原発福島行動実行委員会

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