都労連労働者が闘えば小池は倒せる 「10・11豊洲移転」は無効だ 築地更地化阻止へ団結し闘おう

週刊『前進』02頁(2910号02面02)(2018/01/25)


都労連労働者が闘えば小池は倒せる
 「10・11豊洲移転」は無効だ
 築地更地化阻止へ団結し闘おう

(写真 「トランプ・安倍の戦争会談許すな」と訴える銀座デモで豊洲移転反対を掲げる労働者【昨年11月5日】)

 東京都は昨年12月20日、豊洲市場の開場日を18年10月11日だと発表した。築地市場の営業は10月6日で終了し、豊洲開場後、築地は解体し更地化するという。小池都知事と業界幹部は築地市場の現場で働く人びとの圧倒的な移転反対の声を踏みにじって移転日を決めた。「10・11移転決定」は無効だ。絶対反対の団結で豊洲移転は必ず粉砕できる。闘いはこれからだ。
 この決定に、仲卸を始め市場で働く人々との合意は一切ない。「築地女将さん会」と東卸組合員有志は移転日の決定が狙われた新市場建設協議会に先立ち、12月20日に絶対反対の緊急声明を発した。「築地市場の移転にかかる全組合員投票を求める請願署名」は仲卸538店舗中、過半数を超える277事業者から集まり提出されている。だが全組合員投票が行われていない以上、緊急声明にあるように「一団体たりとも反対であれば豊洲には絶対に行きません」という98年11月の全組合員投票での移転否決決議は生きている。
 小池は業界幹部が求めた「安全宣言」も拒否した。豊洲市場の汚染について〝追加対策工事をし、その後に農林水産省が認可することが事実上の安全宣言だ〟として逃げ回り、あくまで豊洲移転を強行しようとしている。

東京五輪のために築地市場つぶすな

 小池は「風評被害の払拭」「豊洲がこんなに素敵なところだとアピールする」などと述べた。だが、汚染は「風評」ではない。豊洲市場では今も高濃度の毒物が検出されている。12月25日、都は豊洲市場の地下水調査で9〜11月に最大で環境基準の160倍ものベンゼンが検出されたと発表した。14年の調査開始以来最大値である。都は移転日を決定するまで結果を隠していた。いかなる対策をしてもベンゼン、シアン、ヒ素、水銀などの有毒物質は除去できない。豊洲移転は労働者の命と安全、食の安全を破壊する。
 築地更地化・豊洲移転は20年東京オリンピックと完全に一体だ。安倍や小池、五輪組織委員会会長の森にとって、これ以上豊洲移転が遅れることはオリンピックの致命的破産を意味する。だから「10・11移転」決定に踏み切らざるを得なかったのだ。東京都は26日、築地市場解体と並行して19年度末までにオリンピックのための大規模な車両基地を造ると発表した。また、築地跡地には選手村と都心を結ぶ環状2号線などを通す計画である。
 原発事故で古里を奪われ被曝を強制されている福島の怒りを押しつぶし、大資本の利益のために開かれるのがオリンピックだ。福島の怒りとつながり、築地更地化に絶対反対しよう。

「民営化の実験場」にされてたまるか

 最大の狙いは中央卸売市場の民営化である。政府の規制改革推進会議は昨年11月24日にまとめた提言で、国や自治体が運営する卸売市場の民間運営を認めることを要求した。安倍と農水省は今通常国会で原則公営を定める卸売市場法の廃止を狙っている。豊洲移転はこれと一体である。小池都知事は都内の11の中央卸売市場を一つの経営体として捉えて民営化しようとしている。豊洲は「民営化の実験場」にされようとしている。すでに大量の仲卸が廃業に追い込まれているが、民営化でさらに仲卸の一掃がもくろまれている。
 何よりも市場民営化阻止は都労連の正面課題である。市場の管理・運営に携わる正規・非正規の全自治体労働者の任用換え・解雇であり、職場そのものをつぶして現業労組をつぶす攻撃だ。国鉄分割・民営化がもたらしたのは3人に1人の首切りと団結破壊、際限のない外注化であり、鉄道の安全運行の崩壊だった。
 食の安全は命の問題である。絶対に譲れない。築地更地化阻止、豊洲移転白紙撤回を掲げて労働組合が闘いの先頭に立とう。18年、東京都丸ごと民営化を狙う小池との決戦に勝とう。
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