自治労中央委に向け訴える 公務員制度解体・総非正規化狙う 会計年度職員の導入阻もう

週刊『前進』04頁(2909号02面04)(2018/01/22)


自治労中央委に向け訴える
 公務員制度解体・総非正規化狙う
 会計年度職員の導入阻もう


 1月29〜30日、東京都内で自治労第154回中央委員会が開催される。2020年施行の改悪地方公務員法・地方自治法による非正規職の会計年度任用職員への移行は、雇用と団結を破壊する歴史的攻撃だ。職場に充満する怒りと闘いを圧殺し、丸ごと民営化・総非正規職化、労組破壊と戦争動員を狙うものである。自治労本部の裏切りを許さず、絶対反対の団結を固めて非正規職撤廃へ闘おう。

毎年全員を解雇し試用1カ月で選別

 会計年度任用職員制度への移行を求める改悪地公法・自治法の成立(17年5月)を機に、全国で新制度の創設とそこへの臨時・非常勤職員の統合・一本化が進められようとしている。それは全職員の3分の1に達した臨時・非常勤職員への攻撃をもって、すべての自治体労働者の団結を破壊し自治体労働運動を変質・解体させる大攻撃である。自治労本部は「期末手当などの支給を可能とする」と評価するが、その内実は許しがたい。(表参照)
 ❶会計年度職員は毎年度末に全員が解雇される。雇用継続の慣行や勝利判例、定期昇給などはなくなる。
 ❷毎年、試験・選考を経て採用されるたびに1カ月の試用期間を設け、評価制度でふるい落とす。不当労働行為が日常化する。

全労働者の雇用と団結破壊する攻撃

 ❸これまで認められてきた特別職の団体交渉権・スト権(争議権)を奪う。
 会計年度職員制度の導入は、非正規職労働者の渦巻く怒りを1年ごとの解雇と試用期間、評価制度で抑えつけ、団結と闘いを断ち切ろうとするものだ。
 ❹総非正規職化に向けた戦後地方公務員制度の解体攻撃である。これまでは常勤職員が基本で、臨時・非常勤職員は例外的なものとされてきた。その非正規職を会計年度職員として法律で固定化し定着させる。
 ❺法案の基礎となった総務省の「任用等の在り方研究会報告書」(16年12月)は、常勤職員の業務として組織の管理・運営、差し押さえ、許認可などの権力的業務を挙げた。それ以外は非正規職がやるか民間に委託するということだ。
 改悪地方自治法は自治体窓口業務の民間委託の歯止めを外した。総務省は法成立後の自治体への通知で、〝民間委託の推進と効率化、臨時・非常勤も含め適正な人員配置に努めよ〟と指示した。「非正規職の処遇改善」どころではない。改憲と一体で自治体の全労働者の総非正規職化と民営化を進め、雇用と団結を破壊する大攻撃に現場から怒りが巻き起こっている。

自治労が労働改悪のお先棒担ぐのか

 改悪地公法は17年5月、安倍政権と民進党、連合・自治労本部が手を組んで成立した。3月の法改悪案の閣議決定に際し、当時の連合事務局長・逢見直人は〝官製ワーキングプアと称される臨時・非常勤職員の措置を講じるもので、不十分な点はあるが諸課題の解決に向けて前進をはかるものであり、本法案を成立させることが重要だ〟と後押しした。8月自治労大会議案も「法改正は組織化と処遇改善の取り組みを一体的に進める大きな契機」と賛美し、今次中央委員会議案は「条例整備を進め」「マスコミ対策を強化する」と強調している。
 労働法制改悪の働き方改革関連法案の基礎となる「働き方改革実行計画」も安倍と経団連、連合本部の合意で3月に成立した。実行計画は「柔軟な労働市場や慣行を確立すれば国全体の生産性向上につながる」と明記した。安倍が「働き方改革国会」と称して朝鮮への戦争と改憲、労働大改悪に突進しようとしている今、自治労が戦前の産業報国会のように政府に協力することは許されない。

民営化と戦争動員絶対反対のストを

 安倍政権は全国の公営交通、水道、病院、保育所、清掃の破壊と全面民営化を本格化させている。JRの第3の分割・民営化と一体の戦争と改憲のための労組破壊、地方切り捨てだ。
 内閣官房と小池都知事は1月22日の国会開会日に、東京で初となる「ミサイル避難訓練」を強行し、これに激しい抗議行動が巻き起こっている。「弾道ミサイルが発射され飛来する可能性がある」との想定で、地下施設への避難訓練を実施し、自治体職員や東京メトロ・都営地下鉄の労働者、住民を動員する許しがたい戦争動員攻撃だ。31日には神奈川全県で「北朝鮮による弾道ミサイル」に対する14秒間にわたるサイレンの一斉再生訓練が行われる。朝鮮への侵略戦争と戦争動員に絶対反対し闘おう。
 被曝と帰還の強制に反対する動労水戸、愛媛県職労、京都府職労舞鶴支部の闘いに続き、3・11反原発福島行動(郡山)に総決起しよう。18春闘を有期雇用労働者の3月末大量解雇に絶対反対し闘おう。安倍打倒へゼネストで闘う労働組合をつくりだそう。

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雇用と団結を破壊する会計年度任用職員制度

❶全員を年度末で解雇。かちとってきた雇用継続の慣行や勝利判例、定期昇給などはなくなる
❷毎年、新たに試験・選考で採用されるたびに1カ月の試用期間を設け、評価制度で選別・排除
❸特別職の団交権・スト権を奪う
❹非常勤・臨時職員の任用規定を国の基準で一本化し厳格適用
❺常勤職員の業務として組織の管理・運営、財産差し押さえ、許認可などの権力的業務を挙げ、それ以外は非正規職化・民間委託化する留め金を外す

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