青年労働者新年座談会 戦争・解雇阻止へ職場から総反乱を 青年労働者の団結を組織し非正規職撤廃のゼネストを

週刊『前進』08頁(2905号02面01)(2018/01/01)


青年労働者新年座談会
 戦争・解雇阻止へ職場から総反乱を
 青年労働者の団結を組織し非正規職撤廃のゼネストを

(写真 動労総連合の旗を林立させ、韓国・民主労総の仲間と共にソウル市内を車道いっぱいにデモ【11月12日】)

(写真 小田原駅でストライキに立った動労神奈川【9月11日】)

(写真 17年11・5全国労働者集会での青年労働者による寸劇)

(写真 星野さん・大坂さんを取り戻そう! 青年を先頭にデモ【11月26日 東京】)

(写真 5月、沖縄IJBS労組が全国と民主労総の仲間と解雇撤回へ社前闘争)


出席者
島本 健 動労総連合
池崎悠真 動労総連合
大岩武彦 動労総連合
平石孝也 動労総連合
館 一輝 自治体
花木 綾 自治体
貝塚賢斗 郵政
戸越太郎 教労
倉知愛美 医療・福祉
是永友樹 合同労組
吉嶺良太 合同労組/沖縄
司会 編集局

 2018年は朝鮮戦争切迫情勢の中、非正規労働者の大量解雇との闘いに年頭から突入する。この決戦を通して、安倍政権による戦争・改憲策動を粉砕する労働者のゼネストを引き寄せよう。昨年は動労総連合の青年部を結成し、青年運動の新たな結集軸をうち立てた。新年を迎えるにあたって、闘う青年労働者たちに闘いの決意を語ってもらった。(編集局)

動労総連合青年部を結成

正規と非正規の分断越え 池崎
島本 ゼネスト目指す運動体に

 司会(編集局) 昨年の闘いで大きかったのは6月10日に動労総連合の青年部が結成されたことですよね。
 池崎(動労総連合) 動労総連合青年部は、JR本体と関連会社の労働者、そして正規と非正規の労働者が一緒に結成したことが大きい。JR資本は本体と関連会社とか、正規と非正規で分断してきているから。
 島本(動労総連合) 正規と非正規の労働者が対等に議論して、団結してストライキを闘いゼネストを目指す運動体にしていきたい。
 平石(動労総連合) 結成にいたるまでの議論がすごく意味のあるものだった。動労総連合全体の青年部運動のためにという立場で、最後まで議論した。形だけではなく、青年を組織して労働運動をやるんだという真剣な気持ちがお互いに伝わったから結成できたと思います。
 大岩(動労総連合) 動労千葉の30年の闘いを引き継いでいるのは動労千葉の青年部。俺たちがそれを引き継ぐことで全国に運動を拡大できる。
 島本 青年部建設の前に、JR青年交流会を3年ぐらいやってきた。最初は大岩くんが「清掃のことを聞いても面白くないでしょ?」って。
 平石 動労千葉の青年が「そんなことはない」って言ってそこから始まった。労働運動って団結ですから、みんなが団結して、みんなで闘うことが大事だと身にしみついている。
 倉知(医療・福祉) 「2018年問題」と闘う上で絶対に必要な青年部建設だったよね。
 島本 自分はJR青年交流会でいろんな職種の人と話して、大きく変わった。それまでは自分のメンテナンスの仕事と下請けの清掃の仕事が重なった時に、「メンテナンスの方が優先でしょ」っていう意識が強くて、下請けの人にも「あなたは仕事をもらっている立場でしょ」みたいな気持ちがどこかにあった。でも運転士と電車があっても線路が悪ければ走れないし、清掃が終わらなくてもダメ。意見がぶつかった時にどっちかが引くんじゃなくて、現場の労働者同士が理解しようとお互いに歩み寄ることがすごく重要だとつかんだ。会社と労働者の間は非和解で闘うんだけど、労働者は現場での一つひとつが分断のきっかけにされるから。
 花木(自治体) 会社が委託元と委託先とかで分断している現実を、どうやってのりこえて団結をつくるのかですよね。

衆院選と11月集会

 司会 昨秋は衆院選、11・5労働者集会、訪韓闘争と目白押しでしたね。
 倉知 衆議院選挙では斎藤郁真全学連委員長を先頭に「この国に革命を」「この社会は労働者が動かしているんだ」と訴えて登場した。学生が先頭に立って、私たちも一緒になって闘った。私自身が革命に責任をとりきることと、医療労働者は命を守る最前線にいる誇り高い労働者だとつかみました。
 司会 11・5労働者集会と改憲阻止1万人大行進はどうでしたか?
 島本 11・5は旗の入場で最初から盛り上がった。青年企画もやって、ずっと座ってるんじゃなくて、いろんな楽しみ方があった。デモから参加という人も結構いたと聞きました。
 平石 みんなが主催者という気持ちになって、協賛団体や青年が先頭に立ってやってくれたことがよかった。参加者が4800人で前回より減ったけど、職場で闘ってきたところは増えた。倉知さんのところも。
 倉知 増えました。組合が総決起しました。動労千葉の田中委員長が「時代を動かす集会にしたい」と言っていましたよね。まだ労働運動がそうなってないという課題はある。私は職場で動労千葉物販を続けてきましたが、17年はこれまでになく医療系の職場でも国鉄闘争は通用すると感じた。物販で回って11・5のビラを渡す。「行きたかった」と言ってくれる人が次の組合オルグにつながる。そういう闘いをつくった1年でした。
 吉嶺(合同労組/沖縄) 今の連合崩壊情勢の中で、それに取って代わる労働運動の軸として関西地区生コン支部、港合同、動労千葉の3労組が登場している。20年も続いてきた11月集会は、闘う労働運動をよみがえらせようと訴えてきた。その先頭で、3労組が職場で資本と闘い続けてきた。
 4800人が立っていることの意義を深めたい。沖縄の歴史では朝鮮戦争の1952年にメーデーをやった時、米軍政の弾圧で200人まで減らされた。でもその200人がいたからベトナム戦争の71年には何十万人のゼネストが実現した。今回の4800人はこれからゼネストを組織していく人たち。
 司会 訪韓闘争はどうでしたか?
 大岩 初めての海外だった。籠城(ろうじょう)闘争やっている人にビラを渡して交流した。あとデモがすごかった。8車線ぐらいの道路をズバンと。警察が1人もデモに近よれない。その中を意気揚々とデモ行進して、大勢の人が歩道から旗を振ったり応援してくれてた。ゼネストの息吹を感じた。
 池崎 ムンジェイン政権になっても現場の労働者は闘いをやめてない。解雇の撤回を求めて籠城闘争を続けている。今、日本でも現場の労働者の怒りはすごい感じる。労働者の怒りや思いを解き放つゼネストを日本でも実現できる展望をつかんだ。

連合支配うち破る労働者の怒り

みんな体壊し辞める郵政 貝塚
戸越 低賃金で何校もかけもち
外注化を絶対に粉砕する 平石

民営化で職場崩壊

 司会 各地で連合に取って代わる闘いが始まっていますね。職場の状況はどうですか?
 貝塚(郵政) まず郵政の話を。衆院選で選挙ハガキを配達しました。1人あたり600〜800通を1通単位で配達、還付、転送を記録して、その日のうちに配達する。加えて年賀の営業もやらされる。みんな体調をぶっ壊してました。
 最近だと、朝礼で「北朝鮮の核ミサイルが飛んで来たら、地面に伏せて頭を守ってください。爆発して終わったら、配達に戻ってください」と。これ死ぬでしょと思うんだけど。
 島本 そんな状況でも配達しろって言う郵政当局って、完全に壊れてるよね。
 貝塚 最近多いのはゆうパック。ヤマトと佐川がアマゾンの小包を打ち切ったから、その分が郵便局にきてパンクしている。会社は「皆さんが残業した方がコスト的にはいいので、人を入れません」と言っている。
 JP労組は「交渉の結果、だめでした」と。労働者はやってられるか、と辞めていく。
 是永(合同労組) 労働者がそういう時に辞めるって、決起なんだよね。最後の誇りを守るための。職場の組合がそんなんだったら絶望しかない。
 戸越(教労) 教育現場も同じです。私は非正規職で家庭科を教えています。来年の仕事もあるのか分からず、昇給もなく、低賃金。何校もかけもちして、別の仕事もしています。忙しくて採用試験の勉強をする時間もありません。授業のやり方も正規だと公務で研修の機会も多いが、そういう機会もない。そういう私が中学生や高校生に「いくつで就職して、いくつで結婚して、何人の子どもを育てるか、将来のライフプランを考えてみましょう」と授業をやる。複雑な気持ちになります。
 学校現場でも多くの欠員が出ていて、私の県では千人単位で非正規の講師が募集されています。なのに正規では雇わない。日教組の方針は「非正規をなくす」ではなく「処遇改善」です。「非正規という雇用形態を選ぶ人もいるから」と。
 島本 それは財界の言い分とまったく同じですよね。
 戸越 不安定な働き方を選びたい人はいないでしょう。本来なら日教組として、国の方策を変えるような闘いをしなければならないはず。
 花木 私は自治体の正規職ですが、職場では委託先の労働者と一緒に仕事をしています。そこはほぼ女性で、正規なんだけど賃金は最低賃金レベル。全国でストライキができたらいいよねって話になるくらい。だから次々人が辞めて、残る人は負担が増える一方なんだけど、そこの組合は自治労傘下で、委託先の会社とは一切闘わない。
 倉知 それは正規じゃないよね。名ばかり正規。
 花木 自治労が委託を認めて、闘わないできた結果です。委託も破綻寸前です。非正規職員についても自治体は多く、そのほとんどが女性です。20年から会計年度任用職員という1年雇用の非正規職にされようとしていて、この内容が本当にふざけているのに、自治労は賛成してる。韓国の公務員労組は「非正規職の正規職化」で闘ってるのに! 「非正規職撤廃」の内容がだんだん具体的になってきたと思っています。
 館(自治体) 大阪市では地下鉄・バスを民営化しようとしている。バスは赤字だからと言って、大阪シティバス株式会社という下請け会社をつくって、そこに全員転籍させた。月収16万円から始まる。賃金が安くて人は来ないし、来てもどんどん辞めてる。今は交通局の職員が「応援」に行って穴埋めしている。当局はこれでいいと、民営化の破綻を居直ってる。
 花木 動労総連合は委託先と委託元を一緒に組織しているのがすごい。今までの労働運動の常識をとっぱらってる。共通の敵とちゃんと闘うからできること。うちでは組合から「ほかの組合に口出すな。労働組合の支配介入になる」と言われるよ。

JRは安倍と一体

 司会 国鉄分割・民営化から30年。JRの職場はどうですか?
 平石 JRと言えば第3の分割・民営化との闘い、中心が外注化阻止闘争です。5年前から始まった動労総連合の強制出向無効確認訴訟の判決が昨年の10月10日に出ました。会社は外注化の目的として、「雇用の場の確保」とか「業務の適正化」とか言うけど、なんでJR本体でできないのかは誰も説明できなかった。判決文では「偽装請負でも見過ごせないほどひどくなければOK」みたいなことが平気で書かれていて、本当に裁判所が書いたのかと思う内容。安倍政権の「働き方改革」のために、偽装請負でも外注化は合法だと強弁することが必要で、こういう判決が出されたんでしょう。外注先の会社で低賃金で使われている仲間をさらに獲得して、過半数をとって外注化を絶対に粉砕する闘いに動労千葉は立ち上がっています。
 池崎 JR西日本は、下請け会社の労働者の月の賃金が10万円以上にならないように出勤日数を制限している。「ダブルワークをやってください」って会社側が推進してる。
 島本 会社がダブルワークを推進するのはおかしいよね。
 大岩 JRの下請けにパートで入って月13万円で清掃の仕事をして組合を立ち上げた。「契約社員にしろ」と団交もやった。でも会社は「会社の都合、能力、総合的に見る」と言って15年末に解雇した。それで解雇撤回闘争に入った。
 それから、小田急の下請けに入ってもう一度、清掃をやりだした。朝早い職場で真面目にがんばった。8月の暑い中、所長に呼ばれて行ったら解雇予告。9月11日に小田急とJRの両方でストをうって、団交もやった。解雇はされたけど、会社を圧倒した。
 倉知 大岩くんは人生で3回も解雇されて普通だったら死にたくなる。でも彼は元気がトレードマーク。団結の力だよね。
 大岩 悩むんだったら、動労総連合に来いよ!だね。

大量解雇粉砕の18春闘

「選別試験やめろ」とスト 吉嶺
大岩 動労総連合も全力で闘う

 司会(編集局) 今年3月の大量解雇を粉砕する闘いに私たちは踏み出しています。朝鮮戦争の切迫、19年の天皇退位と5月1日新天皇即位、20年の新憲法施行とオリンピックなど、安倍や資本家階級はこの過程で階級闘争を一掃しようとたくらんでいる。これに対して労働者が解雇阻止、戦争阻止で階級的に闘うことが今年の決戦構造だと思います。
 吉嶺(合同労組/沖縄) 有期雇用の450万人と9月に派遣労働者の130万人、つまり約600万人が解雇に直面する。僕も解雇の対象者です。職場では無期転換にするかどうかを選別する試験を導入してきた。それに反対して「全員そのまま雇い続けろ」とストライキを闘った。闘いというのは職場に残ることが前提。だけどストをうてば僕は首を切られることは確実。ストをうつべきか、そうとう悩んだし、ものすごい議論した。その上で決断した。自分の利害ではないんだと。階級全体の利害をかけて闘いきる。18年は非正規労働者の総反乱をつくりださないといけない。
 大岩(動労総連合) うちの組合員も解雇が狙われている。動労総連合として全力で粉砕していきたい。
 花木(自治体) 自治体の外注先の職場で、1年更新で最長5年の契約職員に3月末で雇い止めの宣告がされています。当局は「無期で雇う財源の見通しがないから5年で終わり」と言い放っている。これとの闘いで3月を迎えます。
 吉嶺 600万人を意図的に流動化させて、新自由主義で崩壊している製造業や、公務員労働者を攻撃するために自治体につぎこむ。民営化のためにあらゆる手段を使って、労働者6千万人を破壊し総非正規職化する。これがやつらの攻撃の本質なんだ。その中でUAゼンセンが600万人を闘わせないために組織しようとしている。

ストで立ち向かう

 花木 日本共産党は、「労働契約法はいい法律、脱法行為をやめろ」と、あくまで裁判闘争の枠の中に押し込めて労働者自身が立ち上がっていくことを否定する路線。私たちはこの大量解雇に対して労働者のストライキで立ち向かう。戦争反対、民営化反対、非正規職撤廃のストライキをよみがえらせて闘うことが必要だし、求められている。そういう中で大きなうねりをつくりだせると思います。
 館(自治体) 18年は改憲阻止の大決戦の年でもある。安倍は青年の大反乱に恐怖して、北朝鮮への戦争をあおっている。森友・加計問題では次々に新しい事実が出てきて、総選挙後もさらに追いつめられている。製造業の不正が明らかになっていることも大ダメージ。危機になっているからこそ、戦争と改憲に突き進んでいる。
 吉嶺 今の時代は、1914年の第1次世界大戦開戦から17年ロシア革命にいく過程と同じ。僕らの階級的労働運動が絶対反対の旗をこの中で掲げ続けた時にゼネストが起こるんだ。
 是永(合同労組) 3月解雇に、僕らは絶対にひけない闘いをぶちあげる。東京で行われた12月17日の集会で合同・一般労組全国協議会が、解雇に直面する労働者に向けて「一人の決起が必ずや労働者の団結と闘いを呼びおこします。私たちは労働組合の存在意義をかけてともに立ち上がります」とアピールを発した。全国協の出番です。

時代を動かす青年運動

職場を超えた団結つくり
是永 苦闘をみんなで乗り越え

 司会 青年を組織する挑戦が各地で行われていますね。
  今、青年労働者の中に団結をつくりだすことが、階級的労働運動を一気に爆発させていく。関西青年労働者集会実行委員会は、決戦の渦中にある奈良や舞鶴に集団で行って、仲間の格闘をともにして、議論で中身を豊かにして突破してきた。
 職場を超えた団結の中でみんな自分の闘いの位置をつかんできた。大手電力会社向けの部品を作っている職場では、原発が再稼働しないことを賃下げの口実に攻撃してくる中で、労働組合として原発反対の旗を立て続けるのか激論になった。かたや舞鶴では、大量被曝前提の避難訓練で原発再稼働の片棒を担がされることに反対して、自治体労働者が闘いを開始した。この両方の労働者が場をともにし、議論する中で、自らの闘いの大きさをつかんできた。
 一緒に闘っている仲間が自信を持って一歩踏み出すための議論が大事。職場を超えた団結だからこそ、すべてを獲得できるイメージがもてる。それができるようになった時、新たな青年がその団結の中にどんどん獲得される。
 是永 東京の青年集会では職場のことを話し合う。いけてることも、行きづまっていることも、まだ踏み出せないという思いも全部、共有する。職場の仲間を連れてきて、ここに来たら元気になれる、労働運動を見せられるというイメージです。
  本当の階級的労働運動をつくろうと思ったら、いいことだけじゃなくて、苦労話やうまくいっていない話を聞きたい。でも行きづまっている課題を出すのは簡単なことじゃない。それ自体が闘い。だから青年の個人任せにせず、地区党の総力で一つの攻防を議論して闘う。
 是永 東京はそれぞれの苦闘をみんなで引き受けて、のりこえる作風をこの1年でつくってきました。ビラをつくるのも、一人でやらずにみんなの力でつくって、仲間と一丸となって青年の獲得に挑戦しています。

被曝労働拒否貫き

 島本(動労総連合) 被曝労働拒否という今までにない闘いを11年10月から始めてもう6年もたつ。3・11の原発事故で放射性物質が飛び散って、その中を走った列車は、放射能がついたちりをつけて車庫に帰ってくる。それを検査・修繕したり、清掃したりする時に労働者が被曝をさせられる。
 動労水戸は大子(だいご・茨城県)でラジエータというエンジンを冷却する装置についたちりを飛ばす「気吹き作業」を止めるためにストライキで闘った。青年を守るために闘うんだけど、動労水戸がストに入ったら、代わりに他の青年がその作業をやらされる。矛盾しているんだけど、闘う姿を見せて「あなたたちと一緒に闘いたいんだ」って真正面から訴える。
 常磐線全線開通に反対する闘いは、まだ力が足りなくて強行されてる悔しさはあるけど、この闘いは職場の労働者にしっかり通用する。動労水戸から始まった闘いだけど、地域と結びついて、福島現地に拠点をつくる闘いだと思う。福島の人たちが声を上げることが何よりも全国に響く。
 平石(動労総連合) 僕らの強みは絶対反対で闘ってきたこと。だから主流派になれる、むしろ多数派になるんだっていう自信と確信をもって訴えて闘っていく。
 島本 後輩が「会社辞めようと思うんですよね」とか言うから、「辞める覚悟があるんだったら、動労水戸に来る?」と言うと、「いや、動労水戸は辞めるよりもハードルが高そう」だって。どれだけハードル高いんだよと思う。
  でも労働者がそのハードルを越えちゃう瞬間ってあると思う。たとえばうちの下水道の労働者が民営化という解雇攻撃が来た瞬間に、「労働の誇り」にかけて転籍を拒否して闘った。彼らは例外なく「下水道が民営化されて、金もうけで成り立つわけがない。命がけの仕事を誇りと団結で守ってきた」と言う。それまで普通の人に見えていたのに、自分のためではなく、仲間のため、社会のために、労働者は自分を犠牲にしてでも決起することをこの1年で現場労働者から教わった。
 島本 仕事に対する誇りを語り出したら、もう決まりだな、という感じはするよね。

戦争・改憲とめる労働組合に

各産別で具体的な闘いを 倉知
花木 革命家として職場に登場

 司会 今年1年の抱負をお願いします。
 倉知(医療・福祉) 私たちが革命を起こすんだという立場で労組拠点建設にかけたい。私の組合は少数ですけども、自分がきちんと仕事をして、組合として資本と闘って信頼をかちとって仲間を増やしていきたい。

拠点をつくる討論

  労組権力を本気でとる、つくるという討論が一番大事だと思う。自分自身、目の前の人を獲得しようという時に、どんな運動したらいけるかな、とか戦術的に考えがちだったことに最近気づいた。
 しかし「労働組合をよみがえらせる会」で大阪市の労働者の総力で民営化阻止の闘いをつくりだそうと議論する中で、「大阪市職が生まれ変わったらそれがゼネストだ。ビラまきや署名の一つひとつがゼネストを組織している」という議論があった。あらゆる拠点攻防は小さな闘いではなくゼネストの部隊をつくりだす壮大な事業。そういう気概をもって目の前の労働者と向き合うことが大事だよね。
 島本 今の若い人はそうとう僕たちを見ている。この人はどんな人間なんだろうって。こちらが決して引かない、そういう闘いが求められるのかなって。
  現場の労働者は「本当にお前らは命をかける気があるのか。本当に俺の人生をかけられるのか」と真剣に考えている。そこにこっちが真剣に応える。労働者は次の日には職場で会っちゃうからごまかせない。どこまでも本音でぶつかり合う。これが労働運動だし、この闘いがゼネストをつくりだす闘い。

現場にこそ力ある

 吉嶺 僕の夢は辺野古基地建設を止めるために、労働運動をよみがえらせてあそこに青年の隊列を膨大に生み出すことなんです。僕たちが2018年の闘いをもって、UAゼンセンに代わる勢力になる。すべてをとる。もう一つは基地の中に労働組合を復権させて戦争を絶対に阻止する。
 倉知 各産別で具体的な闘いを爆発させることが本当に必要だと思います。そのスローガンこそ「戦争反対、改憲阻止」。
 是永 現場から怒っていくことが戦争を止める力。18春闘は戦争を止める春闘だし、貧困、総非正規職化、600万人の首切りを絶対に許さない闘いに。
 戸越(教労) 戦争になったら経済界はもうかるのかもしれないが、犠牲になるのは労働者。非正規職にされ、雇用も生活も安定せず、日々の暮らしに追われていると、戦争とか改憲の問題を考える余裕もなくなります。それが戦争や改憲をやりたがっている財界とか政治家の狙いだったんだなと気づきました。こういう状況は、働いている者自身が声を上げない限り変わらない。11・5労働者集会では現場から声を上げている労働者の発言に心を動かされました。この労働者の団結で闘いたいと思います。
  戦争反対の闘いが必ず爆発する。侵略戦争阻止の中身をひるまずにこっちが出していくことが重要だと思います。そういう討論の中で、ある仲間は自分の小さな職場の闘いが戦争を止める力なんだとつかんだ。
 花木 女性がどんどん決起してきている。私はずっと思ってるんだけど、普通に考えて怒っていることを青年が口に出し始めたらもう革命情勢。それを言わせない圧力を生まれた時から受けている。ここを突破したい。たとえば韓国のゼネストの闘いを持ちこむ。今の青年はゼネストという言葉すら知らない。ゼネストという社会を変える方針があることを体現して、革命家として職場で登場する。
 島本 館くんがよく絶対反対の旗を掲げることが大事なんだと言うけど、本当にその通り。少数でも、闘う旗があるかないかで全然違う。動労総連合の青年部はつくって半年。まだまだこれからです。闘いを一つひとつ経験して、一人ひとりが前進している。一人のできる人に頼るんじゃなくて、一人ひとりが支え合いながら前進していくのがこれからの時代は重要。おかしいものと真っ向対決して闘う決意をもった人間と、必ずつながれるっていう確信をもって2018年を闘っていきたい。
 司会 ありがとうございました。

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2018年問題とは
無期転換せず大量解雇/転換しても実質非正規

 有期雇用労働者と派遣労働者の法律による大量解雇が2018年に狙われていることから「2018年問題」と言われる。
●有期・派遣約600万人が対象
 13年4月施行の改悪労働契約法は、有期雇用労働者は通算5年で無期雇用に転換できるとした。資本の側は就業規則を一方的に変更し、無期転換権が発生する18年4月を前に解雇するか、低賃金のまま形ばかりの無期雇用にしようとしている。対象となる労働者は約450万人。
 東北大を始め全国の大学で、試験制度を使った事実上の雇い止めが強行されようとしている。
 またトヨタ自動車など大手自動車メーカー8社は、最長4年半で有期雇用労働者全員の首を切る雇用制度に変更。これに対し連合は、事務局長名で談話を発表し、「残念だが合理的」と擁護の姿勢を明らかにした。
 15年9月施行の改悪労働者派遣法は、派遣労働者(約130万人)が同じ職場で働ける期限を3年とした。資本の側は、労働者を替えれば何年でも派遣労働者を使い続けられるため、施行から3年を迎える18年9月を前に全員を雇い止めにしようとしている。
●全国で解雇阻止の闘い
 動労千葉はCTS(千葉鉄道サービス)の非正規労働者の組織化を進め、無期転換をかちとっている。しかし、労働条件は劣悪なままであり、その抜本的改善に向けさらなる闘いを開始している。動労千葉や合同・一般労組全国協を先頭に、全国で「2018年問題」への反撃が始まっている。
 「2018年問題」は全労働者を「正社員ゼロ・解雇自由」「全員派遣・一生派遣」にしていく攻撃であり、労働法制改悪との攻防の最大の焦点である。

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