●全学連新年座談会 大学ストで改憲とめよう 京大先頭に自治会建設へ
●全学連新年座談会
大学ストで改憲とめよう
京大先頭に自治会建設へ
全学連(全日本学生自治会総連合)は2017年、改憲・戦争阻止の闘いの最先頭に立ち、京都大学を筆頭に全国での学生運動復権への突破口を切り開いています。全学連のみなさんに、17年の闘いの地平と18年の決意を語ってもらいました。(編集局)
座談会出席者(敬称略)
斎藤郁真 (法政大学、全学連委員長)
安田淳敏 (京都大学、全学連書記長)
赤嶺知晃 (沖縄大学、全学連副委員長)
森田寛隆 (広島大学、全学連副委員長)
武田雄飛丸(法政大学、全学連副委員長)
阿津良典 (京都大学、京大同学会書記長)
作部羊平 (京都大学、京大同学会委員長)
藤井優輔 (富山大学)
飯田純一 (首都圏大学)
(司会) 洞口朋子(法政大学、全学連救援対策部)
新たな挑戦始めた17年
革命訴えた衆院選
洞口 昨年は、8月全学連大会と斎藤委員長を押し立てた10月衆院選を通して、「300万学生と結びつく全学連運動」をつくる挑戦を開始しました。特に「この国に革命を」のスローガンで闘った衆院選は、全学連にとっても大きな挑戦でした。
斎藤 街頭演説で意識したのは、「戦争や国家の問題」をどう語るかということです。僕たちには生まれた瞬間から「国家」があり、逆に生まれた瞬間から「団結」はない。この乖離(かいり)を埋めたいという問題意識があった。「新自由主義の中で最初から団結を奪われてきた人間の存在」を前提にした運動論をつくっていかなければいけない、と。
赤嶺 「政治と日常の分離」をどうのりこえるか全学連大会で激しく討論し、すぐに衆院選で実践することができました。
斎藤 安倍政権の支持率は当時30%ぐらい。しかし、衆院選結果での自民党の絶対得票率(比例区)は17%。そういう状況の中で、みんな怒りは持っている。選挙直前に民進党が解体して立憲民主党が登場する中、僕らがどんな軸を立てて闘うのか。「安倍政権打倒」はもちろんありますが、僕らがどういう力によってこの社会を変えたいと思っているのかを中心に訴えた。非常に大きな闘いができたと思います。選挙で訴えた「労働者こそ社会の主人公だ」という実感を社会的規模でつくっていくためには、僕ら自身が労働運動と学生運動の主流派にならなければいけません。
飯田 「政権打倒のためなら立憲民主党に入れた方がいいでしょ」という考えの人も多い中、僕たちがブルジョア議会の欺瞞(ぎまん)をしっかり暴かないといけない。
森田 労働者民衆は議員たちの「面従腹背」ではなく、この社会を本当に変える力を求めています。
飯田 11月の訪韓闘争で感じたのは、韓国の労働者民衆は自分たちを「歴史的存在」として捉えているということです。日帝植民地時代の闘争など、反日抗争の歴史を引き継いで今の社会がある。籠城(ろうじょう)闘争をしている労働者が、「いま自分たちが闘っているのは復職のためだけでなく、過去の労働者が闘ってかちとってきた権利を次世代にも引き継ぐためであり、悪い前例をつくらないため」と言っていました。こうした意識は特に学生運動にとって重要で、「苦しくても4年間我慢すればいいや」という考えの対極にあると思います。
斎藤 保守派が天皇制など非常に幻想的で事実に基づかない「日本人の歴史」を背景にイデオロギー攻撃をしていることに対して、労働者民衆の闘いの歴史を復権させる必要がある。
京大で決起広がる
洞口 17年は京大闘争にとっても飛躍の年でした。
斎藤 安田君の決起は大きかった。
安田 寮闘争にも本格的に参加し、同学会執行部選挙を闘い、全学連大会を経て全学連書記長になりました。「1人の決起」が決定的だということと、みんなの団結で運動が前進することも重要です。僕の決起で「次の決起」が起きることが大きい。昨年11月の僕と阿津さんへのでっち上げ弾圧で、不正義に怒って新たな学生がどんどん立ち上がっています。「第二第三の安田」をつくりたいです。
洞口 昨年7月の4人の京大生への「放学」=退学処分や、10月の12人の学生への「キャンパス入構禁止通告」など、京大当局―山極壽一総長体制との関係も一変しましたね。
斎藤 安田君の決起こそ全学連運動の前進の象徴です。「自分を踏み台にしてくれ」という安田君の訴えには、キャンパス全体を動かす目的意識を持って決起する視点があります。
阿津 こういう後輩がいるともっと広めていきたいです。
作部 当局との関係では、4月新歓から学内の立て看板をがんがん撤去してきたし、クラス討論への規制も本格的に始まり、キャンパスで集会をやるたびに大量の弾圧職員が来て妨害やビデオ撮影を繰り返すようになった。「危険団体」キャンペーンに対して同学会が粘り強く活動を続けることで、京大生も「この人たちの話を聞かなければいけない」という空気になってきました。処分や逮捕、呼び出しなど当局も畳みかけるような弾圧をしてきたけれど、やればやるほど学生が問題意識を持って活性化していく。京大闘争が社会的に広まって注目されていることも大きい。
洞口 京大周辺の立て看板を「景観条例違反」を理由に全面禁止しようとしていることが全国ニュースでも特集され、学内外で怒りが広がっています。
赤嶺 「正門の『京都大学』のプレートが学生の看板で見えないのが京大だ」と言ってくる学生もいました。立て看板規制と闘っている京大生がいることをもっと発信していきたい。
斎藤 京大は「自由の学風」を掲げているけれど、実は最初からそうだったわけではない。1958年に京都大学で同学会再建の全学選挙をやったことで「無期停学」処分を受けた学生(北小路敏さん。元同学会委員長・全学連委員長)がいた。その処分を大衆的反撃で撤回させ、京大当局との力関係、京大の「自由」を闘ってつくってきたのです。政府と京大当局は、それを破壊したくても破壊できなかった。しかし今、当局は追いつめられて攻撃に踏み込んできています。
作部 昨年2月、京大も含めた大学の軍事研究の実態が新聞で暴かれました。京大当局は2070万円の米軍マネーを受け取り、「寄付金」として処理して隠していた。この問題で学生とクラス討論を行い、当局に申入書を出す決議が上がりました。学生の闘いに焦っているのは山極総長です。
斎藤 「大学の再びの戦争協力を許さない」という学生自治会運動がいよいよ重要です。
作部 秋の熊野寮寮祭企画の時計台占拠も学生の力を示しました。当局や警察が逮捕や処分でどんなに恫喝しても、絶対につぶせない学生の思いがあります。他の大学でも闘う場さえあれば、学生は必ず立ち上がる。
武田 討論する学生の多くは「こんな大学でいいのか」と怒り、学問とはどうあるべきかを真剣に考えています。僕らが真正面から闘ってきて、その地平を「前進チャンネル」などで発信し始めたことを、多くの若者が好意的に受け止めてくれています。
作部 衆院選の街頭宣伝で「前進チャンネルを見て来ました」という人が毎日たくさんいました。
斎藤 日本軍軍隊慰安婦問題をめぐる2015年末の「日韓合意」に、「左派」といわれる人たちがどんどん賛成する中、中核派が直ちに反対の声を上げて闘ってきたことを知ったある学生は、街宣現場に何度も来てくれました。「中核派は筋の通ったことをしている」と認識し、「前進チャンネル」を友達にも拡大してくれています。
武田 「前進チャンネル」を通して、僕たちがこれまでの殻を破ろうとしていることが伝わっています。
学生の現実見すえ
森田 8・6ヒロシマ大行動にこれまで不干渉だった広島大学当局が、僕が広島大学の旗を掲げて参加していることについて「広島大の名を辱める行為」と言い出しました。一体でサークル自治破壊も進んでいます。朝鮮戦争=核戦争を止めるため、さらに多くの学生と討論・団結して運動をつくりたい。
藤井 全学連大会で「『正しいこと』を訴えるのは重要だが、それを全学生のものにすることが最も重要な課題」という提起を受けて秋にキャンパスで実践し、僕たちが新しい挑戦をしていると感じています。「大学ってこんなにつまらない場所なのか」という学生の意識をひっくり返していきたい。「僕たちと一緒に活動し、団結して闘ったら楽しいし元気になる」と伝えていきたい。
赤嶺 沖縄大では、自治会選挙で副委員長に新しい学生が決起したことが一番大きかったです。これまでの運動のあり方を変えて彼と向き合う中で「4人に1人がやめていく沖大を変えよう」というスローガンも生み出されました。多くの学生が週5、6回バイトをしている状況で、授業もまともに受けられない。高い学費で借金漬けにされ、学生のすべてが奪われています。同時に、昨年末にも沖縄の保育園や小学校に米軍ヘリの部品が落下しましたが、これは間違いなく朝鮮戦争情勢の中で起きていることです。学生の現実を変えることが戦争を止める力になる。戦争情勢だからこそ、学生の現実に向き合って日常的信頼をつくりたい。
朝鮮戦争とめる闘いを
主体に迫る鋭さを
洞口 18〜20年は、改憲、朝鮮侵略戦争、天皇退位・即位、東京オリンピックをめぐる激突になります。
作部 「戦争が近づいている」ことが、最近多くの人の中で「常識」になってきました。
斎藤 同時に、戦争がリアルになればなるほど労働者・学生の主体に迫らないと、結局戦争反対論にはなりません。「戦争はイヤですよ。でもやる意味があるんだったらやります」と。
作部 昨年、日本学術会議で大学の軍事研究を解禁するかどうかで議論になりましたが、声明文には〝軍事研究では公開性が担保されないから良くない〟とあります。「公開された軍事研究なら賛成するのか?」という話ですが。そもそも04年の国立大学法人化で研究予算が減らされ、軍事研究をやらないと資金を確保できない現実があり、改憲や朝鮮侵略戦争という情勢も加わっている。「そこと対決しないでどうやって戦争を止めるの?」という学生も多いし、逆に、1年生ですでに「自分は金もうけしたいので軍事研究やりたいです」という人もいる。
赤嶺 「戦争と貧困」をのりこえるため、沖大でもアンケートを集めていますが、常にこちらの政治的立場を出していくということと、とことん僕らが学生の現実と向き合い、話を聞く姿勢が重要だと思います。
斎藤 戦争と研究と貧困、問題の一個一個がどうつながっているのかを理解する回路、結局団結することなんです。たとえば、就職活動をみんなでやっても、結局全員で全員の商品価値を下げているだけです。全員で競争することが今の労働条件悪化に対抗する方法ではない。有効なのは団結することだし、レールの上をみんなで走らされることをやめることなんだ。そこに学生自治会や団結組織をつくることの意味があると押し出していきたい。
作部 「同学会は支持するけど、今はみんなが一緒に声を上げるとはならないから、やり方を変えた方がいい」という人もいます。でも、立て看板の全面規制に「さすがにそれはやばい」という不安は広くあります。「団結したらこんなこともあんなこともできる」と経験して身につける過程が始まっています。ドラスティックな価値観の転換が起きる予感はすごくしています。
階級性を鮮明に
斎藤 階級性の解体が新自由主義のもとで進んできて、天皇制問題についても、階級性を鮮明にさせないと理解できない。
武田 「多数決の論理」や「みんなが決めること」だけでやっていたら、絶対に戦争反対にはならない。日本共産党の、改憲・天皇制についての「国民投票で」「将来的に国民のみなさまが決めること」みたいなロジックの延長線上に戦争反対はない。「悔しいけれども選挙で決まったことには従いましょう」にしかならない。学生運動でストライキを復権させるとき、自分たちがこの社会をどう変えたいのかをはっきり出すことがものすごく大事です。
飯田 本当に階級性の問題だと思います。共産党が一番いい例で、天皇礼賛―自衛戦争賛成に落ちぶれている。あと、「みんな戦争に反対だ」と言いますが、私はちょっと違うと思っています。「いっそ戦争で社会がボロボロになってくれないか」って思う学生はけっこういるんですよ。そういう学生にも「戦争じゃなくて革命だ」と提起しないといけない。あと一つ、最近キャンパスで聞くのは、「学生の価値観が多様化しているのに全員加盟制の学生自治会に意義があるのか、それでうまく活動できるのか」という意見です。自治会役員なんかもこう思っている。しかし、価値観は多様化しても学生という立場は変わっていないわけで、そこに依拠することが学生自治会にとって重要だと思っています。
武田 多様性を強調して共同性を絶対に言わない、という傾向が強いですよね。
赤嶺 左派の側も「全体主義じゃなくて個人で孤独に考えることが大事」みたいな。
斎藤 個人の趣味・嗜好(しこう)レベルで細分化したものが収拾つかないのは当たり前。でも僕らは自分が作ったわけじゃないものを着たり食べたりして生きていて、そこには明白に社会性がある。ここに依拠することが階級性になるわけです。
団結の中に新しい社会
革命の展望語ろう
安田 今の体制の欺瞞(ぎまん)について僕らはいくらでも言うけれど、革命後の社会についても言わなければいけない。
斎藤 革命後の社会がどんなものか、団結しないと意味が分からないと思う。
安田 主要な壁は「まわりが立ち上がらないから自分も立ち上がらない」ということ。そこは実践を積み重ねるしかない。
武田 革命はある日突然来るものじゃなくて、しかるべき経過や歴史、いろいろな人たちのドラマがあるわけです。11年の「エジプト革命」だって、労働組合の非合法状態での地道な活動とか、日常的な労働者自身の闘いがあった。ロシア革命や日本の戦後革命期の経験を継承し、広めていくことが大事だと思います。
飯田 革命後のビジョンを語ることは重要だと思います。「中核派って暴力革命をめざす団体だね」って言われるけど、それだけじゃなくてその先を目指している。新自由主義と資本主義の行き詰まりは、若い人なら誰だって分かる。「革命後はこんな社会・大学にしよう」ともっとアピールした方がいい。
赤嶺 「革命」が活動家の頭の中だけにあるわけじゃない、というのは大事なことです。
斎藤 韓国の公務員労組が成果給制度に反対し、上がった分の賃金を組合に集めて平等に分配することを非組合員にも呼びかけて均等にした。組合の力で制度を粉砕した。その実践の先にあるのが、「各人は能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」(マルクス『ゴータ綱領批判』)社会だと思います。
森田 「社会を動かしているのは労働者だ」ということが一番重要だと思います。高層ビルも労働者がつくっているし、スマホだってそう。そこまでの生産力があって社会的富は拡大しているのに労働者の生活は向上しない。そのあり方を変える。「労働を奪還すること」が、ストレートに革命後の社会を展望するものになります。
学生自治の可能性
斎藤 いわゆる「ブルジョアジーが悪い」論って、〝ブルジョアジーに変わってほしい〟という論理も同時に含んでいる。「ブルジョアジーが悪いけど、ブルジョアジーの言うことを実行するのは労働者だから労働者が変えるべき」という議論は共産主義者にしかできない。
だから僕らは労働者階級に依拠するし、労働者階級の主体の成長にすべてをかける。学生自治会とか労働組合が団結して物事を決めていく、どんなに小さく未熟だろうが、そこに必死になることに僕らの軸があります。僕らが肯定したいのは立憲主義じゃないし、安倍政権が倒れるだけじゃなく、労働者が変わらないと社会は変わらない。その時に初めて、学生自治会建設と政権打倒がつながる。
武田 学生自治会は、当局と闘う組織であると同時に学生自身が変わるための組織であり、失われた共同性を闘う中で奪い返していく。
共同性守る自治寮
作部 自治寮が学生運動の中で果たす役割は大きい。大学当局が規制を強めても、寮が「学生自治」を実際の行動で示している強さがあります。この間、熊野寮が近隣住民とも交流してオープンに討論する中で、団結を固めて闘おうという人たちがたくさん出てきている。ガサで認知度も上がって、寮祭に来る人が増えました。敵の弾圧が逆に団結を拡大させています。
阿津 「寮を守るために必要だ」という理解・教育がされ、機動隊導入でもくじけない気風があります。ここに、学生は立ち上がるという展望がある。
作部 昨年12月12日の「京都大学当局による学生自治破壊を許さない会」(仮称)立ち上げでの記念講演で、京大出身の新川登茂宣弁護士が「60年代に大学の中で直接統治=コミューンがあった」とおっしゃっていたけれど、自治寮もまさにそう。
阿津 何ものにも制限されず、自分たちの意思で決定し行動することの解放感が時計台占拠や寮祭で爆発している。また、日常的にみんなが助け合うという新自由主義にはない団結や共同性が残っている。ここを基礎にもう一回学生運動を爆発させていく可能性があります。
作部 寮生は「常識」でものを考えない。共同体の論理で考える。常に一緒の場所に住んで、飯を食って会議をやって昼寝してっていう中で、自分たちが共同してやれることの可能性をどんどん広げていく。一人だったら「社会規範」に負けるかもしれないけれど、自治空間が闘いとられ、実際の力をもった集団として寮が形成された時にどこまでいけるのか----それが一つの「革命後の世界」をあらわしている。
だからこそ、寮などあらゆる共同体=団結を解体して組み敷く攻撃に対して、僕らの団結を「階級的団結」に変えていく闘いが必要です。
斎藤 熊野寮の存在自身が改憲を止めている、と言えるのではないでしょうか。この時代に団結を崩さずに共同性を守り抜いている一点で、ブルジョアジーの意思をくじき続けている。「自分たちがやってきたことはやっぱりすごいことだ」と内側から再認識し、これをどう学内的・社会的に広げていくのか。寮闘争に取り組む仲間から、大衆運動の論理を真摯(しんし)に学ぼう。生活空間=共同空間であり、いろいろな人間がいる中、いかに集団的団結を維持するのかということです。
作部 自治寮の原則は、徹底討論と当事者間解決。それ以外にない。がんがん攻撃が来て当局とどう闘うかが問われる中で、あらためて共同性や再団結が問題になっています。
議論・納得・団結の運動
怒りを力に変える時
洞口 最後に今年の抱負を。
飯田 この3年間で改憲・9条破棄、朝鮮戦争発動、天皇の退位と即位、そしてオリンピックという、100年に1回あるかどうかの一大攻勢にブルジョアジーが出てきている。徹底的に闘うしかありません。労働者の立場で闘うことにこだわる。全国学生運動の再建へ、東京でも頑張ります。
藤井 富山大では、新樹寮という自治寮がなくなった後、大学の規制が本格的に厳しくなって立て看板もない、ビラもまけなくなっています。自治寮を強くすることで、学生にこれだけのことができるとアピールできるようにしていきたいです。
赤嶺 沖縄は激動情勢です。「オール沖縄」をのりこえる決起が始まっている一方、現実の激しさとはまったく関係ないかのようにされているキャンパスの現実。戦争と貧困ゆえに続く現実を突破する運動を始めて、5月沖縄現地闘争を爆発させます。みんなで団結して声を上げる文化をよみがえらせるために、学生のありのままの声と向き合って団結をつくり出す。沖大生とともに貧困と戦争を打ち破るストライキをめざします。
洞口 沖縄と一体で、国策と闘う三里塚と福島も重要です。市東孝雄さんの農地強奪と闘う三里塚闘争、3・11福島現地集会に全国学生はぜひ集まってほしい。そして、昨年は2月の東北大・青野君、10月の安田君・阿津君と、警察権力の不当逮捕を打ち破ってきました。公安警察の全学連大会襲撃に対する告訴・国賠の裁判傍聴への大結集もかちとりたい。
阿津 京大でも学生にどんどん分け入って共同性をつくっていきます。大学当局の規制強化に対して僕らが引いたら引いただけ何もできなくなり、それが新入生の「常識」になってしまう。15年の反戦バリケードストライキがそうだったように、僕らの行動で新しい常識をつくりながら運動していきます。
安田 新たな学生層と結びつくために4月新歓闘争を重視し、あわせて中高生も獲得したいです。3月の卒業式でも訴えていきたい。
武田 京大闘争が10年をこえる法大闘争の経験をもとに闘われていることが、法大闘争にとっても重要です。「弾圧は激しいけど楽しく闘う」という京大学生運動のスタイルに学び「楽しく激しい学生運動」を法大と首都圏でもつくっていきます。
森田 今年は非妥協的闘いが関心を集めると思います。3月には大学で働く労働者の大量首切りが狙われていることを新入生にも訴えていく。朝鮮侵略戦争情勢も深まり、戦争と首切りの時代が始まる。改良主義的あり方は全部吹き飛ぶ時代です。
怒りを現実の力に変えていくために、問われているのは僕たちに力があることを示せるかどうか。団結の軸として広大学生自治会の運動をつくりたい。
作部 天皇退位と改憲―国民投票に向かう過程で、京大闘争がそれに立ちはだかっています。京大闘争をつぶさないと改憲はできない。敵が共謀罪まで準備してきている中で、全学連への弾圧をすべて粉砕していることも本当に重要です。
学生は闘えば勝てるということを具体的闘いで示してきました。怒りを束ねて力に変える存在に飛躍しよう。京大闘争が多くの人たちの展望になっています。時代の先頭で闘うため、マルクス主義で学生運動を鍛えていきます。
斎藤 僕らがこれまでやってきた内容と確信を、学生みんなのものにしていくための宣伝・扇動をしっかり鍛えていこう。核心は、戦争も労働も教育もすべて「階級性の問題」として訴えていくことです。それぞれがいいと思った論理を出し合いながら、実践を通して宣伝・扇動に習熟していこう。キャンパスでみんなを振り返らせるために、いろんなやり方を試していこう。「主体の爆発としての革命運動」を僕らはもっとつくっていくべきだと思います。
当然、感覚の違いをめぐって大げんかがよく起こる。だから、僕らが本当の意味で団結することが求められています。お互いが直面している課題と条件を見据えあいながら団結していく。「何に向かって僕らが闘っているのか」を議論して一致していこう。みんなが納得すること、そして団結することが正義です。そういう全学連運動をつくっていくことが今年の課題です。朝鮮戦争と改憲に対し、別の理念、別の権力、別の世界のあり方を僕らが運動を通して提示していこう。
労働者階級と団結し、学生運動の復権へ、壮大なビジョンで頑張っていきましょう!