機能強化は地獄の道 三里塚団結街道裁判 鎌倉孝夫教授が証言

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週刊『前進』02頁(2904号02面06)(2017/12/21)


機能強化は地獄の道
 三里塚団結街道裁判
 鎌倉孝夫教授が証言


 12月12日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で団結街道裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民は、天神峰・市東孝雄さんの農地を守りぬく気概で臨んだ。
 成田市は2010年、市東さんの家と畑を結ぶ「団結街道」を封鎖・廃止し、土地を成田空港会社(NAA)に格安で売り飛ばした。廃道処分を取り消せ! 裁判は立証段階に入り、今回は埼玉大学名誉教授(経済学)の鎌倉孝夫さんが証言した。弁護団の質問に答え、鎌倉さんは成田空港を根底的に批判した。
 成田空港は「航空需要増大への対応」「空港間競争に勝つ」を口実に空港機能強化を進めているが、実際はNAAの私的な営利追求のためであり、公共的なものは何もない。
 騒音被害、落下物など住民の生活を踏みにじっている。そして市東さんから生活道路を奪った。南台農地への移動時間は4倍に増加した。なぜ市東さんの営農がNAAの私的利益追求の犠牲にならなければならないのか。農業こそ不可欠の社会的生産だ。
 成田市は、市東さんへの一方的な通告で、一日200台もの車両が利用する道路を廃止した。地方自治の執行者としてあるまじき暴挙だ。そこには市の固定資産税収入の6割が空港関連という、空港依存体質の問題がある。
 終わりなき「完成」への成田空港のあがきは、地獄への道を舗装するものだ。新自由主義で、資本の存在そのものが人間を破壊している。労働者・農民が、社会の主人公として実力を発揮する時だ。市東さんの闘いは絶対に負けるわけにはいかない----。
 鎌倉証人の圧倒的な論旨に傍聴席から大きな拍手が湧いた。NAA・成田市は反対尋問を放棄し沈黙。
 次回2月27日には、成田市の元土木部長・中村壽孝の証人尋問が行われる。
 閉廷後に近くの会場で報告集会が開かれ、鎌倉さんが勝利感あふれるあいさつ(写真)。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が、証人全員採用への決意を語った。
 動労千葉の滝口誠さんが連帯発言に立ち、最後に太郎良陽一さんが1・8現地デモ(1月8日午前10時30分、市東さん宅南側開拓組合道路集合)と新年団結旗開き、4・1全国総決起集会の闘争方針を明らかにし結集を呼びかけた。

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