安倍の森友疑獄逃れ許すな 戦争教育の推進が生んだ腐敗

週刊『前進』04頁(2901号02面02)(2017/12/11)


安倍の森友疑獄逃れ許すな
 戦争教育の推進が生んだ腐敗


 安倍政権は、森友学園にただ同然で国有地を払い下げ、極右愛国教育、戦争教育の突破口を開こうとした。まぎれもない権力犯罪である。
 昨春の国有地売買をめぐる国と学園の交渉過程を記録した音声データが暴露され、財務省が認めた。その内容は、工事業者が森友学園の敷地を調査したところ地下3㍍より下からはごみがほぼ出なかったが、政府が地下9㍍までごみがあると「口裏合わせ」を求めたものである。実際よりも多くごみがあるとストーリーをでっち上げ、土地価格を値下げするためだ。国会で財務省は口裏合わせを否定したが、明白なうそだ。
 別の音声データでは近畿財務局と学園が売却価格をめぐり鑑定前に事前交渉をし、その中で籠池泰典理事長(当時)が「0円に近い形で払い下げをしてほしい」と求め、財務局担当者は「0に近い金額まで努力する」と明言した。
 実際、この2カ月後に国有地の評価額9億5600万円からごみの撤去費用として約8億2千万円が値引きされた1億3400万円で売買契約が成立した。政府はごみの一部の撤去費用として学園側に1億3200万円を支払っており、学園はたったの200万円で広大な土地を手に入れた。
 加計学園の事件も含め、まさに安倍などの腐敗しきった連中が国家を私物化し、違法不法のやりたい放題を尽くしている。それが暴かれてもいまだに逮捕すらされず首相の座にいる。闘う労働運動や学生運動には次々とでっち上げ逮捕しながら、安倍ならどんな犯罪をやろうと逮捕すらされないのか! 安倍の森友疑獄のごまかしと逃げ切りを絶対に許してはならない。

教育勅語の暗唱を園児に強いる

 森友問題の本質は、戦争の問題である。安倍政権が戦争に突き進み、極右愛国教育を推し進めようと焦りに駆られる中で起きた疑獄事件である。これを明らかにできない野党の追及は何の力も持たず、安倍の延命を支えているだけだ。
 森友学園が運営する塚本幼稚園では、幼稚園児に教育勅語を暗唱させ、「安倍首相がんばれ!」「安保法制の国会通過良かったね」と唱和させていた。森友学園が開校を予定していた小学校は、安倍政権の戦争教育のモデル校として設立が狙われていた。同小学校のパンフレットは「教育の要」の第一に「天皇国日本を再認識」と掲げ、さらに「教育勅語の素読・解釈による日本人精神の育成」「日本人DNAの呼び覚まし」などを列挙した。
 教育勅語とは戦前の軍国主義教育の要であり、「国の危機が迫ったら天皇のために命を投げ出せ」と教え込むものだ。その教育勅語を安倍は3月31日、「学校教材として用いることは否定しない」と閣議決定した。その意味は「国のために死ね」という教育につくり変えるということだ。

労働者の闘いが安倍追いつめた

 しかし、戦後革命期以来連綿として闘われてきた労働者階級の闘いは、安倍など極右勢力の思惑に立ちはだかってきた。何より改憲・軍事大国化を狙って強行された87年の中曽根による国鉄分割・民営化に対して、30年を超える国鉄闘争が闘われ、それを自治労・日教組など100万支援陣形が支えてきた。この力によって明文改憲が今日まで阻まれてきた。
 安倍は労働者階級に強制されてきた力関係を突破しようとあがき、06年に戦後憲法と一体の教育基本法を改悪し、「愛国心」をたたき込むことを教育の目標とした。だが現場の教育労働者がこれに怒りをもって立ち上がり、都教委の「日の丸・君が代」処分をも不起立闘争で打ち破ってきた。安倍が狙う戦争のための愛国心教育を現場で強制することを、教育労働者の誇りにかけて阻んできたのだ。
 だからこそ、日帝・安倍はどんなに不正の限りを尽くしてでも森友学園の小学校開設を支え、戦争教育の突破口とする以外になかったのである。しかしそれが大破産し、大疑獄事件に発展し巨万の人民の怒りを呼び起こしている。労働者階級の闘いがついに安倍政権そのものを打倒し尽くす決定的情勢をたぐり寄せた。
 安倍を打倒し戦争を止める力は、職場から階級的労働運動を発展させる中にある。「改憲・戦争絶対阻止」の12・17集会に結集し18〜20年階級決戦へ!
このエントリーをはてなブックマークに追加