JR総連解体の大決戦へ 国鉄「民営化受容」は悪だ 民主労総がカクマルを断罪

週刊『前進』04頁(2901号02面01)(2017/12/11)


JR総連解体の大決戦へ
 国鉄「民営化受容」は悪だ
 民主労総がカクマルを断罪


 国鉄分割・民営化と外注化・非正規職化の先兵、JR総連(旧動労本部)カクマルの正体が、動労千葉を先頭とする国際連帯闘争の前進によって暴かれた。その悪行を断罪する怒りが韓国・民主労総の中で巻き起こっている。韓国・鉄道労組は民営化絶対反対の長期ゼネストを貫徹し、「民営化は悪」を全社会的共通認識に押し上げてパククネ政権打倒の先頭で闘った。こうした民主労総の闘いの前に、どんなペテンも言い逃れも通用しない。今こそJR総連カクマルを打倒し、ストライキで闘う18年決戦の爆発をかちとろう。

民営化協力居直る四茂野

 JR総連・国際労働総研の隔月誌「われらのインター」に、JR総連カクマル幹部・四茂野修の「危機に瀕する労働運動の未来―韓国労働運動リーダーとの対話」と題する文章が連載されている。そこで四茂野は民主労総指導部からJR総連の「民営化受容」の大罪を批判されたことに追いつめられ、カクマル特有の詭弁(きべん)で居直ろうとして破綻する醜態をさらけ出した。
 四茂野によれば「韓国労働運動リーダーのBさん」は「民営化受容に対する批判を受け入れない動労(JR総連)、理論と実践を分離する歪んだ運動論」を問題にし、〝資本の道具や統制メカニズムとして機能する動労の行為は究極目標の実現をめざす運動への原理的な裏切りであり原則からの逸脱だ〟と批判している(2017年6月号、連載第4回)。国鉄分割・民営化とその後の悪行の数々を見れば、その批判は極めて正当なものだ。
 これに対し四茂野は「当時国鉄内の最大勢力だった国労組織には、闘いによって攻撃を打ち砕く力も体制もなく、ナショナルセンターの総評や日本社会党にも力はなかった」「その状況で決戦を挑めば壊滅的な打撃を受けることは目に見えていた」から、「動労は『闘わなかった』のではなく、別の闘い方を模索した」(16年10月号、連載第2回)と強弁する。
 だが、カクマルがやったのは、動労千葉や国労、さらには動労傘下の組合員の首も差し出して、カクマルだけが生き延びるということだった。1987年の国鉄分割・民営化は、動労カクマルのこの犯罪抜きにありえなかった。
 当時の中曽根政権は改憲と戦争国家化のために最強の労働組合運動といわれた国鉄労働運動を破壊する分割・民営化に突進した。動労カクマルは、当局にもできない陰惨な暴力で労働者を脅迫した。80年時点の国鉄職員数は42万人。それがJR発足時には21万人に減らされた。20万人が退職を余儀なくされ、200人を超える労働者が自殺に追い込まれた。それ以降、JRだけでなく社会全体に広がった民営化・外注化・非正規職化も、JR総連が労働者の怒りを圧殺することで進められてきた。
 この対極で、動労千葉は「団結を守る道はストライキ以外にない。敢然と闘い社会に信を問おう」と2波のストに決起した。国鉄労働者の総決起を切り開く突破口が開かれ、1047名解雇撤回闘争が始まった。国鉄分割・民営化の陰謀は暴かれ、日本帝国主義による改憲・戦争、労働組合絶滅の攻撃は大破綻した。
 そして韓国・鉄道労組は13年末、23日間ストに立ち、民営化反対の圧倒的世論をつくり出した。さらに16年9月からの鉄道労組74日間ストを中軸とする民主労総のゼネストは、資本主義の競争原理そのものを否定し粉砕を求める価値観の転換を全社会的に生み出し、パククネを打倒した。その先頭に立った鉄道労組は「民営化は粉砕できる」という確信に満ちている。

外注化推進へまた裏切り

 動労千葉を先頭とする国鉄闘争30年の闘いは、民主労総との強固な国際的・階級的団結をつくり出した。それがJR総連カクマルの大うそをも暴き出した。JR総連カクマルは、その頭目であった松崎明(故人)の肝煎りで「国際労働総研」をつくった。「国際連帯」の仮象で、あたかも闘う労働組合であるかのように押し出して韓国をはじめとする世界の労働者とJR総連の青年労働者をだまし、自らの延命を図ってきた。そのカクマル路線が最後的に破綻したのだ。
 JR総連・四茂野は過去を居直るだけではない。民主労総、鉄道労組の闘いに唾を吐きかけるとともに、今後も資本の先兵になると表明しているのだ。
 今やJR総連傘下の現場労働者からも、JRの大合理化への怒りは噴出している。カクマルは「自分たちに相談なく進められる合理化には反対」というペテン的な言い方でごまかしながら、提案されれば合理化に賛成すると、カクマルの切捨てに動く資本にすがりついている。JRは10月に強行できなかった特急の車掌1人乗務や車両基地への列車の出入区作業の外注化などを来年3月のダイヤ改定で強行しようとしているが、それも受け入れる大裏切りに走っているのだ。
 今こそJR総連を打倒し、ストライキで闘う動労総連合が主流派として登場する時だ。民主労総と固く団結し、朝鮮侵略戦争絶対阻止、改憲・労働大改悪粉砕、外注化・大量解雇阻止の18年決戦へ闘いぬこう。

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民主労総に断罪され四茂野が窮地に

 「(民主労総リーダーBさんとの)討論の際、率直に言うと被告人席で検事の論告を聞いているような感覚に襲われました。B検事が「民営化受容」の罪で私の有罪判決を求め、当時の事情からはやむを得ない面もあると情状酌量の余地を示した——そんな感じを受けたのです。当然私は情状酌量ではなく無罪を主張し、この日の法廷は議論がかみ合わないまま、閉廷となりました」(四茂野修「危機に瀕する労働運動の未来―韓国労働運動リーダーとの対話」第6回)
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