外注化粉砕の控訴審へ 動労千葉10・10判決報告集会開く
週刊『前進』02頁(2900号01面03)(2017/12/07)
外注化粉砕の控訴審へ
動労千葉10・10判決報告集会開く
(写真 外注化・強制出向と真っ向から争った裁判の地平を確認し、決意も新たにガンバロー三唱【12月1日 千葉市】)
動労千葉は12月1日、DC会館で出向命令無効確認訴訟判決報告集会を開いた。動労千葉を始めとする動労総連合の組合員が、車両の検査修繕部門の外注化と、それに伴う外注先への強制出向の取り消しを求めて起こした裁判で、東京地裁は10月10日、訴えをすべて退ける判決を出した。これは安倍政権の「働き方改革」を最先頭で強行する超反動判決だ。
裁判で主任代理人を務める森川文人弁護士の講演を中心にした集会は、反動判決への怒りを燃やし、業務の全面的な分社化を狙うJRの第3の分割・民営化攻撃と対決する決意をあらためて固めるものになった。
田中康宏委員長があいさつし、18年間、外注化と立ち向かってきた動労千葉の闘いの重要性を強調した。特に、18年春の非正規労働者の大量解雇が迫る中で、外注先のCTS(千葉鉄道サービス)で非正規職の無期雇用への転換をかちとったことの大きさを確認し、無期転換後も変わらない低賃金を打破するため、さらに闘うことを訴えた。
森川弁護士は「外注化・強制出向と真正面から争ってきた動労総連合の裁判は他に例のない最先端の闘いだ」と述べた上で、判決の内容を詳細に解説した。
例えば、「原則3年」の出向期間が、事実上、無期限になっていることについて、判決は「外注化の実施から10年程度で、出向者はプロパー社員(外注先の直雇い社員)やエルダー社員(定年退職後に再雇用された社員)に置き換わることが予定されていた」から問題がないと言う。しかし、労働者を10年間も出向させ続ける計画が当初からあったことは、原告側が会社側の証人を追及して暴き出した事実だ。判決はそれを逆用し、JRを擁護するために使っている。
外注化の必要性についても、判決は「グループ会社全体の業務の適正配分」「合理的経営判断」とJRの言い分を無批判に繰り返すだけで、何の説得力もない。偽装請負や事故の多発についても、判決は現実を見ずにJRの言い分をすべて容認している。
さらに判決は、個別の同意がなくても就業規則で出向は強制できるとして就業規則を万能化した。
森川弁護士は、就業規則を万能化する攻撃との闘いは全世界で労働者の課題になっていると指摘し、JRの狙いは全業務を分社化し、自身は持ち株会社になることだと述べ、新自由主義の本質は労働者の団結破壊にあると強調した。そして、控訴審を資本との最先端の攻防として闘い、必ず勝利すると決意を示した。
質疑応答では「再雇用を拒まれ首を切られた先輩たちの無念を晴らしたい」などの意見が出された。
川崎昌浩書記長が来年3月のダイヤ改定をめぐる攻防や、地域によって6倍も差がある深夜早朝手当の是正を軸にしたCTS清掃労働者の賃上げ獲得、地元でのエルダー再雇用先の確保などの当面の課題を提起した。動労千葉は年末から18春闘へ闘争態勢を整えた。