自治体非正規職の撤廃へ 横浜 嘱託職員交流会で怒り共有

週刊『前進』04頁(2899号02面01)(2017/12/04)


自治体非正規職の撤廃へ
 横浜 嘱託職員交流会で怒り共有


 安倍政権は民営化・非正規職化を制約している「岩盤」を打ち砕くために、2020年4月施行の改悪地方公務員法で「会計年度任用職員」という新たな制度を設けた。1年の雇用期間の厳格化は全員いったん解雇、雇用の更新で試験や評価を導入して選別、さらに1カ月の試用期間の設置など、国鉄分割・民営化と同じやり方で、自治体で働く65万人の非正規公務員に襲いかかろうとしている。これは全社会の総非正規職化に拍車をかけるすさまじい攻撃であり、その核心は公務員労働運動の破壊と戦争(協力への)動員だ。

交流会を積み重ね

 横浜市も20年4月施行に至る過程を見据え攻撃を構えている。われわれは昨年の自治労横浜大会以来、嘱託職員問題が職場の怒りを組織する革命の戦略的環であることをつかんだ。今年初めから職場で積み重ねてきた5回の嘱託職員交流会は、嘱託職員の思いや職場の状況を語りあい不安や怒りを共有する場として始まり、改悪地公法についての学習を行ってきた。
 交流会では参加者から、「嘱託職員は低賃金で手当もつかない。私たちがいなければ自治体の業務は成り立たないのに」「私たちは非正規職を好んで選んだんじゃない。生きるために他に選択肢がなかったからだ。非正規職を増やす法律やルールが間違っている」などと、職場の現状と怒りがせきを切ったようにあふれ出た。
 そして今年11月労働者集会に向けた踏み込みとして、横浜全18区を対象とした「嘱託職員交流会」を呼びかけた。10の区役所と本庁舎への朝ビラを行い、動労千葉物販オルグを行った。その結果、交流会には新たに2人の嘱託職員が参加し、真剣な討論が行われた。
 1人の仲間が職場の状況への怒りを爆発させた。「仕事のきつさで体を壊し、低賃金、サービス残業でやってられない。みんな次々と辞めていくような職場でいい仕事ができるはずがない」「子どもの命を預かる責任ある仕事。『昨日までいたおばさん、辞めたの?』と聞いてくる子ども。どれだけ傷つくか」、しかし「悩むけれど自分は辞められない。子どもたちと向き合って安全を守りぬいている」と。これが彼女の誇りだ。
 普段は言えないことや思いを、途切れることなく語ってくれた。討論では何かこうすればいいという回答が出たわけではないが、訴えに真剣に向き合うことで信頼が深まったことは大きかった。
 10月27日の自治労横浜大会で2人の仲間が代議員として、「安倍・トランプ会談粉砕、11・5労働者集会に参加しよう」「労働組合として改悪地公法に反対すべき」と発言に立った。地公法改悪について本部の答弁は「いいとは思ってない」だ。嘱託職員の不安や怒りを抑えつける「待遇改善」路線で、最後は労働者を裏切ってきた。嘱託職員がどんな状態に置かれているか、どう考えているか、これと向き合うこともしない労働組合が何を言っても労働者に通用するはずがない。
 闘いの路線を貫き、怒りの結集軸を示した1年間の闘いが11月労働者集会への新たな結集へつながった。時代認識と路線を貫いた職場闘争と職場の拠点化がゼネストと国際連帯を切り開く。徹底的に職場にこだわり、仲間との団結をつくることが一切だ。

労組権力を取りに

 次の課題は労組権力を取ることだ。支部・分会での主流派・多数派へと飛躍しよう。衆院選決戦でかちとった拠点建設の地平に学び、自治体労働者委員会―地区党―県党の団結を固めて闘う。機関紙活動をすべての基軸にすえ、組織的・意識的に拡大していこう。
 「私たちはモノじゃない!」という非正規職労働者の怒りに応え、「非正規職撤廃」ですべての労働者が団結して闘うとき、安倍・小池百合子を打倒できる。改悪地公法を許さず、民営化阻止・非正規職撤廃の旗を立て、現場の怒りを組織して18年決戦を爆発させよう。
(神奈川自治体労働者委員会)
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