署名・印鑑の偽造暴く 11・20 三里塚耕作権裁判

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週刊『前進』04頁(2897号03面03)(2017/11/27)


署名・印鑑の偽造暴く
 11・20 三里塚耕作権裁判

(写真 裁判後の報告集会で市東さんがあいさつに立ち、今後の闘いに向けた決意を述べた【11月20日 千葉市】)


 11月20日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で、耕作権裁判の弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民70人は、天神峰・市東孝雄さんの農地を死守する気概でともに闘い抜いた。
 午前9時からの千葉市中央公園での決起集会では、反対同盟事務局を代表して萩原富夫さんが「空港会社(NAA)は市東さんが祖父から受け継いだ土地を耕していることを〝不法耕作〟と決めつけ農地を取り上げようとしている。安倍の戦争政治阻止のためにも裁判に勝利を」と訴えた。
 動労千葉の川崎昌浩書記長、関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、裁判所に迫るデモに出発した。
 裁判では、NAAがこの間「同意書・境界確認書は偽造である」との弁護団の指摘に対して出してきた「反論」を徹底的に批判し粉砕した。NAAは「偽造してまで同意書などを作る意味はない」と動機を否定するが、まったくのうそだ。NAAの前身である空港公団は、旧地主から底地をひそかに買収した上で、市東東市さん(孝雄さんの父)の小作権は強制代執行で奪うという方針を固めていた。収用手続きには、土地所有者と関係者の署名・押印、土地調書が必要だ。同意書を偽造する動機は十分にあった。
 そして筆跡が違う。1985年に東市さんは軽い脳梗塞を発症した。87年に裁判の宣誓書で書いた署名はその影響で、文字に震え状の乱れがある。同時期に書かれたとされる同意書・確認書の「市東東市」署名は乱れのない勢いのある字で、別人の筆跡だ。しかも今回新たな鑑定で判明したことは、同意書と確認書にそれぞれ書かれた住所・署名は書き癖が固定化しておらず、書きなれた自分の名前を書いたとは考えられない。別人が東市さんの名前を書いたということだ。
 そしてNAAは新たに、90年2月に東市さんが代理人を通じて裁判所に提出した陳述書の署名・捺印(なついん)を証拠として出し、「市東」の印鑑が同意書・確認書と同一だと主張したが、重ね合わせて鑑定すると両者は別ものと判明した。NAAが印鑑まで偽造したことが明らかになったのだ!
 さらに弁護団は、71年の第2次強制代執行で大木よねさんの土地と家屋を強制収用したことの暴力性・犯罪性を突き出し、同じことを行うなど絶対に許されないと厳しく指摘した。
 弁護団は前回、以前に出された証拠の墨塗り部分を含め、公団と旧地主、当時の小作者各人との用地買収の交渉記録をすべて明らかにするよう求める新たな「文書提出命令申立書」を提出した。今回NAA代理人はまたしても「そのような交渉記録は存在しない」との恥知らずなうそに終始した。弁護団は鋭く追及し、そこに敵の急所があると重ねて明らかにした。
 裁判後の報告集会では、市東さんが、「みなさんと協力して闘う」と決意を述べた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団がこの日の法廷を振り返り、裁判長の拙速審理の策動を押し返したことを確認した。
 最後に司会の伊藤信晴さんが、「成田空港機能強化案」に対して説明会の場で住民とともに「絶対反対」を掲げて闘い、推進派の思惑に大打撃を与えていることを報告。2017年の闘いを最後まで気を引き締めて闘いぬこうと参加者全員で固く誓い合った。

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