強制執行を許さない 三里塚請求異議裁判 裁判長の拙速訴訟と対決
強制執行を許さない
三里塚請求異議裁判
裁判長の拙速訴訟と対決
11月6日、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で天神峰・市東孝雄さんの農地取り上げ強制執行に対する請求異議裁判の第4回弁論が開かれた。
開廷を前にした午前9時、決起集会が千葉市中央公園で開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟を先頭に動労千葉など90人が意気高く千葉地裁に迫るデモに出発した。(写真1面)
デモ後直ちに地裁正面に集合し、強制執行阻止署名の提出行動に移った。今回は第3次分として1860筆を提出し、通算で1万684筆となった。
10時30分に開廷。弁護団は、強制執行が「権利の濫用(らんよう)」であり許されないと3点にわたり主張した。
①7月15日に成田空港B滑走路で大型貨物機が通常通り離陸できず、東峰に大惨事をもたらしかねない重大事態を起こしていた。②1971年の第2次強制代執行で取香の大木よねさんに対して、国家権力は非道な暴力をふるい土地と家屋を強制収用した。その違法性をめぐる訴訟で国、成田空港会社(NAA)は、よねさんの養子である小泉英政氏と一昨年に和解し、謝罪した。ところが市東さんに対しては民事裁判の形をとって農地を収奪しようとしている。③「離作補償」の支払いは農地の賃貸借契約の解約の条件であるにもかかわらず、口頭弁論終結後も一切行っていない。
この批判にNAAは答えてみろ!
弁護団が証人申請する予定の人びとの名前を明らかにすると、裁判長は「原告の市東さんと萩原さんの証言は聞きたい」と言いながら、唐突に被告NAAに意見を求めた。NAA代理人は待ってましたとばかりに「証人は必要ない」と応答。抗議がやまない中、裁判長は「次回期日で市東さん、萩原さんの証言をお願いしたい」と言うではないか。ほかの証人を採用せず弁論打ち切りへ一気に進もうというのだ。弁護団全員が裁判長を激しく弾劾。「弁論を尽くすことなく人証調べに入ることなど絶対に認められない。NAAに答弁させよ。次回に本人尋問など不可能だ」
この猛反撃で、「次回に市東、萩原尋問」という策動はいったん阻止された。だが裁判長は、非常識な訴訟指揮を使ってひたすら拙速裁判の道を走ろうとしていることは疑いない。
次回期日を3月8日として閉廷した。
裁判後の報告集会で市東さんは「弁護団の力で今日は押し返した。拙速裁判を打ち砕くため油断せずがんばろう」と奮起を促した。
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耕作権裁判・デモ
11月20日(月)
午前9時 千葉市中央公園集合、千葉市内デモ
午前10時30分 千葉地裁