証拠提出を拒むJR東 損賠訴訟 動労水戸が徹底弾劾
週刊『前進』04頁(2889号02面03)(2017/10/30)
証拠提出を拒むJR東
損賠訴訟 動労水戸が徹底弾劾
JR東日本による組合差別・不当労働行為を弾劾して闘われている動労水戸の損害賠償請求訴訟の裁判が、10月20日に水戸地裁で開かれた。ストライキに突入した原告組合員とともに、傍聴の組合員・家族が裁判闘争を闘いぬいた。
この裁判は重大な局面を迎えている。JR東日本は裁判の重要な証拠である賃金台帳・社員管理台帳・人事評価基準の開示を拒み続け、裁判を意図的に遅らせつつ、動労水戸への組織破壊攻撃を画策している。動労水戸はこれらの証拠の開示を求めて、裁判所に対し「文書提出命令」の執行を要求している。JR発足以来、会社による極めて恣意(しい)的な能力評価こそが、JR体制における労働者分断支配の道具となってきた。この損害賠償請求訴訟はJRの労務支配の根幹と対決する闘いとなっている。
この日の口頭弁論で、石井真一・動労水戸委員長は裁判所への意見書を提出し、法廷の場で陳述した。「運転士登用差別裁判判決において動労水戸組合員への不当労働行為が認定されたにもかかわらず、JRは動労水戸を憎悪し昇進試験での差別をはじめ不当な扱いを続けている」「JRはさらに『会社が提示する再雇用条件以外は認めない』として、60歳定年を迎えた辻川慎一副委員長の再雇用を拒否し解雇した。断じて許すことはできない」。石井委員長のJR東日本を弾劾する気迫に満ちた訴えが法廷を圧倒した。
閉廷後、三の丸市民センターで総括集会を開催した。裁判闘争をともに闘い続けている松田生朗弁護士、葉山岳夫弁護士、山本志都弁護士が文書提出命令の正当性を解説し、闘争参加者を激励した。
石井委員長が発言に立ち「衆院選を辻川副委員長を先頭に、斎藤いくま君とともに闘っている。戦争・改憲情勢の中で国鉄闘争が再び一大焦点になっている。11・5全国労働者集会への総力決起を」と訴えた。さらに石井委員長は「10月10日の強制出向無効確認訴訟でのデタラメ極まる反動判決を受け、JR東日本は3人の組合員に対して出向解除による業務はく奪を画策してきた。組織破壊攻撃を組合員一丸となって粉砕しよう。10月14日のダイヤ改悪による合理化・労働強化攻撃に対し、青年労働者の決起が巻き起こり車掌一人乗務の策動が粉砕された。JR東労組の制動を突き破って怒りが噴出している。被曝労働拒否を貫き、明日の常磐線富岡開通記念式典を粉砕する闘いに立とう」と呼びかけた。