米日の朝鮮半島出撃許すな 米軍ヘリ炎上事故 沖縄はすでに戦場だ

発行日:

週刊『前進』04頁(2887号01面02)(2017/10/23)


米日の朝鮮半島出撃許すな
 米軍ヘリ炎上事故 沖縄はすでに戦場だ


 「12月にもアメリカは北朝鮮に先制攻撃するのではないかと報じられています。沖縄米軍ヘリ事故もこの中で起きています。僕らの労働が戦争に動員され、人殺しの道具にされ、安倍はそんな国に『誇りを持て』と言う。こういう国のあり方に、今こそ反乱を起こそう。この国に必要なのは革命だ!」——労働者階級の立場から戦争・改憲絶対阻止を一点の曇りもなく訴える斎藤いくま候補の演説は、衆院選の全過程を通じて、東京8区のみならず日本中で大反響を呼び、広範な共感を巻き起こした。
 他方で安倍以上の極右・小池や、「立憲主義を守れ」「安倍政権下での改憲には反対」などと言いながら米日の朝鮮戦争策動については一言半句も反対しない立憲民主党、共産党などの野党勢力の正体も、斎藤いくま候補の怒りのアジテーションで徹底的に暴きだされた。
 この地平から、今こそ朝鮮戦争絶対阻止の階級的大運動を巻き起こす時だ。

米日韓が臨戦態勢に突入し軍事演習

 16日、米韓両海軍による合同海上軍事演習が朝鮮半島周辺で始まった。米原子力空母ロナルド・レーガンを中心とする空母打撃群を始め、米韓両軍で約40隻の艦船を動員した大規模演習であり、「朝鮮半島有事での『実戦』を見据えたもの」(読売新聞10月17日付)だ。ロナルド・レーガンは16日まで九州周辺海域で海上自衛隊との共同訓練を行っており、今回の米韓演習は事実上、米日韓の海上戦力が一体化した3カ国合同演習の一環である。
 これに先立つ13日には、巡航ミサイル・トマホーク約150発を搭載し、キムジョンウンら北朝鮮首脳部を暗殺する「斬首作戦」の実行部隊を乗せた原子力潜水艦ミシガンが韓国・釜山港に入港。同艦も海上軍事演習に投入された。
 また在韓米軍は、17日からのソウル郊外での航空・宇宙ショーに米軍戦略爆撃機B1、ステルス戦闘機F22、同F35などを次々と投入。また有事の際に米民間人を韓国から退避させる非戦闘員護送訓練も23日から実施すると発表した。
 この1カ月ほどの間、北朝鮮側が目立った軍事動向を見せていないにもかかわらず、米日韓の方が圧倒的な巨大軍事力を動員し、極めて挑発的な軍事行動を一方的に強行していることが明白となった。今や「北朝鮮を完全に破壊する」と公言する米トランプ政権と、これに完全に同調する安倍政権のもとで、恐るべき朝鮮戦争=核戦争が狙われている。11月5日のトランプ訪日と日米首脳会談は、朝鮮侵略戦争の発動を合意するための戦争会談だ。

ヘリ墜落が暴いた「命守る」の大ウソ

 そして、こうした朝鮮戦争切迫情勢の中で引き起こされたのが、沖縄での米軍ヘリ炎上事故である。11日、米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Eが飛行中に原因不明のトラブルを起こし、北部訓練場に近い東村高江の民間の牧草地に緊急着陸・炎上した。大破した機体の状態から、事実上の墜落に近いハードランディングであったと見られる。CH53は2004年に沖縄国際大に墜落したヘリと同型機だ。
 炎上現場は民家からわずか200㍍(図)。牧草地を所有する地元の住民は事故当時、現場から100㍍の場所で作業をしており、「もう少しで死んでいた」と話している。しかも、事故直後に矢ケ崎克馬氏(琉球大学名誉教授)が指摘したように、機体にはストロンチウム90と見られる放射性物質が使われており、周囲に大量の放射能が飛散したのは間違いない。
 だが米軍は事故現場を占拠して調査を拒んだばかりか、早くも18日からCH53の飛行を再開した。安倍は「国民の命を守る」などと称して、宇宙空間を飛ぶ北朝鮮のミサイルにJアラート(全国早期警戒システム)を鳴らして仰々しく騒ぎ立てておきながら、墜落事故を繰り返す米軍機が市街地の真上を低空飛行することは平然と容認しているのだ。絶対に許せない。
 「こんな生活はもう嫌だ」「低空飛行する米軍機への不安で眠れない」「政府は私たちの命を何と思っているのか」——沖縄から沸き起こる怒りの声は「全基地撤去」の要求となり、高江ヘリパッド建設を容認した翁長県政とオール沖縄勢力に対しても突きつけられることは不可避だ。
 戦争は労働者のゼネストと国際連帯の闘いによって必ず止めることができる。今こそ戦争への怒りを11・5全国労働者集会―改憲阻止1万人大行進に総結集させ、切迫する朝鮮戦争を阻止しよう。韓国、アメリカを始め全世界の労働者と団結して、戦争を引き起こす政府を労働者の力で一つ残らず打倒しよう!
このエントリーをはてなブックマークに追加