10・8三里塚 戦争阻止・安倍打倒へ710人 北原さんの遺影に〝農地死守〟誓う

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週刊『前進』04頁(2885号03面01)(2017/10/16)


10・8三里塚
 戦争阻止・安倍打倒へ710人
 北原さんの遺影に〝農地死守〟誓う

(写真 全国から結集した労農学市民710人が市東さんとともに農地を守る決意を新たにし、団結ガンバローを三唱【10月8日 成田市東峰】)

(写真 北原鉱治事務局長の遺影が置かれた演壇で市東孝雄さんが主催者を代表してあいさつし、この日一日の奮起を訴えた)

 10月8日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する全国総決起集会が開かれ、労働者・農民・学生・市民710人が全国から結集し、「農地死守・第3滑走路粉砕! 安倍政権打倒」を固く誓い合った。
 会場は成田空港敷地を食い破って存在する東峰の萩原さんの畑だ。誘導路に挟まれてジェット機の絶え間ない騒音に満たされ、目の前に機動隊の宿舎が建つ。演壇には8月9日に95歳で逝去した北原鉱治事務局長の写真が飾られている。
 正午に司会の婦人行動隊・木内敦子さんが開会を宣言し、参加者全員で北原さんへの黙禱(もくとう)を捧げた。
 最初に主催者あいさつとして、天神峰の市東孝雄さんが北原さんの逝去を悼みつつ農地死守の決意を表し、この日一日の奮起を促した。(発言要旨別掲)

大地を取り戻す

 次に動労千葉の田中康宏委員長が連帯のあいさつに立ち、労農連帯の理解者として北原さんの生涯をたたえ、11・5全国労働者総決起集会への結集を訴えた。
 関西実行委に続き、反対同盟顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士が立ち、戦争国家づくりを進める安倍を断罪し、請求異議裁判、耕作権裁判などの攻防局面を伝え、現地実力闘争と一体での勝利を誓った。
 遺族からのあいさつとして、長男の北原健一さんが登壇した。会葬へのお礼を述べ、「おやじは空港によって奪われた大地を、平等な社会を、生きる権利を取り戻そうとの思いで闘った。私も反対同盟の一員としてがんばる」と万感の思いを込めて決意を表した。
 基調報告を東峰の萩原富夫さんが行った。①市東さんの農地を守る請求異議裁判の勝利、②空港機能強化の白紙撤回、③安倍政権打倒を訴え、全員が大きな拍手で応えた。
 婦人行動隊・宮本麻子さんのカンパアピール、ミニライブに続き、司会を太郎良陽一さんに交代し、顧問弁護団全員が決意を述べた。続いて「市東さんの農地取り上げに反対する会」と各地の「農地を守る会」が登壇。群馬の会は9・17労農連帯集会の成功を報告した。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋さんは、組合への不当弾圧を弾劾し、11・5集会への結集を呼びかけた。
 全国農民会議の小川浩共同代表は、自民党安倍農政を弾劾し、市東さんとの連帯の強化を強く訴えた。
 3・11反原発福島行動実行委の椎名千恵子さん、農地を守る沖縄の会に続き、「若狭の原発を考える会」の木原壯林さんが初登壇して原発への怒りを表した。さらに全国水平同盟、婦人民主クラブ全国協、星野全国再審連絡会議、動労水戸の木村郁夫書記長などの連帯発言が続いた。

斎藤候補に歓声

 満を持して全学連の斎藤いくま委員長が大歓声の中登壇し、「労働者の闘う政党をこの選挙で登場させる」と圧倒的な衆院選勝利の決意を述べた。
 伊藤信晴さんが集会をまとめて、団結ガンバローを三唱し、デモに出発した。
 反対同盟がデモ隊の先頭に立ち、宣伝カーからは宮本さんのシュプレヒコールが一帯に響き渡った。市東さん宅前を通り、第3誘導路のトンネルをくぐり、弾圧の機をうかがう公安刑事と大量に配備された機動隊をデモ隊は怒りのコールで圧倒した。南台の市東さんの畑に到着し、市東さんが丹精込めて作る畑の土に触れ、再び開拓組合道路までの往復デモを貫徹した。

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主催者あいさつ
北原さんの信念継ぎ空港廃港へ
 天神峰 市東孝雄さん

 本集会は、8月9日にお亡くなりになりました北原鉱治反対同盟事務局長の追悼を行い、その後本集会に移りたいと思います。北原さんは信念を曲げず、正義を貫き、50年の長きにわたり、一つのぶれもなく闘争を続けてきました。そのすごさに私たちも感服し、また感謝いたしております。
 うちの離れに決戦本部をつくりまして、いろいろ事務局で論議して、いろいろな所に出向き、そして国策と闘ういろんな人たちと交流をはかり、そこに学びながらこれからも進んでいきたいと思います。そして、動労千葉を先頭とする労農連帯、市民運動、学生とともに団結し、大きな輪を作りながら、反対同盟とならともに闘えるということをつくり上げていくのが私たち残されたものの責任だと思っています。
 みなさんの力をお借りして、三里塚の空港反対が終わっていないということを世に知らしめる決戦の場でもあると思います。今日は最後のデモまで全力で闘って下さい。

基調報告
三里塚闘争の新たな発展開く
 東峰 萩原富夫さん

 本日の集会は8月9日に逝去された北原鉱治事務局長を悼み、52年目の三里塚闘争の新たな発展を切り開く総決起集会です。北原さんの熱い反戦の思いを胸に刻み、決意も新たに立ち上がりましょう。
 市東さんの農地を守る請求異議裁判は3回の弁論を重ねています。体を張って闘い、強制執行を実力で阻止する決意はなんの変わりもありませんが、請求異議裁判で私たちの正義はますます明らかです。裁判に勝利し、最高裁判決をひっくり返しましょう。
 空港機能強化策(第3滑走路建設、B滑走路の1000㍍北伸、夜間飛行時間延長)に反対する住民団体が発足し、国・県・町・空港会社への要望書提出などの活動が始まりました。反対同盟は周辺住民との連携を強めています。立ち上がる住民と共に機能強化案の白紙撤回へ闘いましょう。
 2日後には衆議院選挙がスタートします。この情勢の中で、三里塚は「改憲・戦争阻止」の先頭に敢然と立つ決意です。

11月集会成功で戦争・改憲阻止を
 動労千葉委員長 田中康宏さん

 三里塚闘争は世界的にも歴史的な闘いです。そこに押し上げた力は、今は亡き戸村一作委員長と北原さんだったと私は考えています。
 北原さんは、労農連帯の最高の理解者でした。私たちがジェット燃料貨車輸送阻止闘争を決意・決断した時、支援共闘会議を結成し、代表に就任してくれたのが北原さんでした。動労本部の千葉地本への弾圧は動労全国大会での統制処分まで行き着きました。処分を決定する中央委員会、大会の会場の津山まで農民や戸村委員長と乗り込み、処分を撤回しろと闘ってくれたのが北原さんでした。
 それと、反対同盟を切り崩し、総条件派化しようという3・8分裂攻撃の時に、北原さんが本当に仁王立ちし、闘いを守った。もう一点、それは北原さんが貫いた戦争絶対反対の強い意思です。この意思が三里塚闘争に本当に普遍的な意味をもたらした。
 市東さんの農地を奪おうとする不正義極まりない攻撃に根底から怒りが爆発しつつあります。闘いを本当に大きくするため、そして戦争と憲法改悪の情勢に対して11月5日、日比谷野音で全国労働者集会―改憲阻止1万人大行進を成功させ、朝鮮半島における戦争を絶対止めましょう。

衆院選に出馬しこの社会変える
 全学連委員長 斎藤いくまさん

 北原鉱治事務局長の戦争絶対反対、そして民衆の実力闘争で社会を変えていく思いを引き継いで闘っていきます。今回の総選挙に、私は「この国に革命を」「新しい労働者の政党をつくろう」と強く訴えて出馬します。
 三里塚農民が示した意思を形にしていく闘いをともに始めていきましょう。

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三里塚裁判日程
◎第3誘導路裁判
 10月24日(火)
 午前10時30分 千葉地裁

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