評価制度は絶対反対しかない 安倍と連合本部が手を組み分断と賃下げ・解雇を促進

週刊『前進』04頁(2885号02面03)(2017/10/16)


評価制度は絶対反対しかない
 安倍と連合本部が手を組み分断と賃下げ・解雇を促進


 戦争・改憲が最大の争点となった衆院選は、同時に貧困と過労死を拡大する安倍・小池・連合本部による「働き方改革」を許さず、闘う労働組合の再生をかちとる決戦です。選挙後に国会に提出されようとしている働き方改革関連法案の柱に、評価制度の全面的導入があります。それは資本による「評価」で労働者を分断して労働組合の団結を破壊し、賃下げや解雇を自由にできるようにする大攻撃です。

成果や意欲を誰がどう評価するのか

 関連法案は聞こえのいい「同一労働同一賃金」をうたって、労働施策総合推進法(雇用対策法から変更)と労働者派遣法、パート労働法、労働契約法に「職務内容、成果、意欲、能力または経験などを公正に評価し待遇を決定する」という条文を加えます。しかし成果や労働者の意欲、能力を誰がどう「公正に評価する」というのでしょうか。
 評価制度は「頑張った者が報われる制度だ」と宣伝されますが大うそです。労働とは本来、社会的な共同の作業として行われるものであり、労働者個々人を切り離して優劣をつけることなどできません。そうであるのに得手勝手に「こいつはAだ、Bだ、Cだ、Dだ」などとランク分けして労働者同士を競争に駆り立て、いがみあうように仕向けることが狙いです。団結を破壊することで抵抗する力を奪い、解雇や賃下げを自由に行えるようにする悪質な意図は明白です。
 これまでも人事評価をめぐって労働組合破壊の不当労働行為を許さない闘いが続けられてきました。しかし今後は法律に明記することで、労働者の屈服を誘い逆らえないようにしようというのです。2013年4月施行の労働契約法「5年ルール」で有期雇用450万人に「無期雇用転換か大量解雇か」が迫る来年4月を前に、労働者の総反乱をなんとか押しとどめるために、この法案を通そうとしているのです。

「同一賃金」掲げて総非正規職化狙う

 さらに「同一労働同一賃金」というお題目それ自体が重大な攻撃となっています。
 安倍首相と経団連会長、連合会長が3月に合意して関連法案の基礎となった「働き方改革実行計画」には、「多様で柔軟な働き方を選択可能とする労働制度の抜本改革を行う」「同一労働同一賃金の導入は、仕事ぶりや能力が適正に評価され、意欲をもって働けるよう、同一企業・団体における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すものである」という表現が何度も出てきます。
 「同一労働には同一賃金を」とうたって進められる評価制度の全面化は、あたかも非正規職の待遇改善をするかのような形を取って正社員も非正規職と同じ水準に切り下げようとする総非正規職化=「正社員ゼロ」化の攻撃です。

全産別・職場で闘いの火の手が上がる

 きれいごとを言いながら資本や当局の攻撃に屈し協力する連合本部や自治労本部、全労連本部は、「公平・公正な良い評価制度にする」と言い訳をしながら推進する側に回っています。それ自体が労働組合としての自殺行為です。
 しかしそうした裏切りを突き破ってJRや郵政、自治体、学校、医療・介護職場などを先頭に、労働組合の団結をかけた評価制度粉砕の闘いの火の手が上がっています。それは外注化阻止・非正規職撤廃と一体の闘いです。
 動労千葉はJR東日本の子会社・千葉鉄道サービス(CTS)の人事評価による労働組合破壊の雇い止め攻撃を粉砕しました。郵政資本とJP労組中央によるスキル評価を使った解雇制度導入・総非正規職化攻撃に対して、「スキル評価制度は不当労働行為である」とする労働委員会闘争が全国で闘われています。働き方改革関連法案に先行して16年4月に施行された改悪地方公務員法による評価制度の人事・賃金との結合の攻撃に対し、自治労倉敷は絶対反対で闘って17年4月実施を阻止しました。
 自治体や医療・介護の職場などで、評価制度を導入した団体・企業には交付金や給付金、報酬を上乗せし、遅れている場合は減らすトップランナー(先進事例)方式とインセンティブ(報奨金)の攻撃が激化し、当局・資本との闘いが火を噴いています。
 団結した労働者には力があります。怒りを総結集して絶対反対で闘えば、どんな卑劣な攻撃も粉砕できます。全職場で闘い、国や資本と手を組む腐った連合幹部を打倒しよう。労働者の力を安倍や小池に思い知らせる衆院選決戦と11・5労働者集会の歴史的勝利をかちとろう。
このエントリーをはてなブックマークに追加