国際連帯で戦争とめよう 安倍も小池、枝野も改憲勢力 腐った政治を終わらせよう

週刊『前進』02頁(2884号02面01)(2017/10/12)


国際連帯で戦争とめよう
 安倍も小池、枝野も改憲勢力
 腐った政治を終わらせよう

(写真 10・8三里塚全国総決起集会で発言する斎藤いくまさん)

(写真 共謀罪反対を訴えて連日国会前で声を上げた【6月15日】)

朝鮮半島を戦場にするな

 衆院選の最大かつ最重要の争点は戦争・改憲問題です。安倍・小池らの進める戦争と改憲を許さない! そして何よりも、切迫する朝鮮半島での新たな戦争=核戦争を絶対に阻止しなければなりません。斎藤いくまはこのことを断固として訴える唯一の候補として、選挙戦を「朝鮮戦争阻止・改憲絶対反対!」の民衆総決起の場として闘います。
 安倍政権は今、米トランプ政権とともに北朝鮮を激しく挑発し、戦争の危機を意図的につくり出しておきながら、「北朝鮮の脅威から国民を守れるのは安倍・自公政権だけだ」などと叫んで政権を維持しようと必死になっています。そしてこの選挙さえ乗り切れば、もはや「全権委任」を得たとばかりに改憲と朝鮮戦争参戦へ突き進むことは明らかです。都知事・小池の率いる「希望の党」も安倍とまったく同じ、いやそれ以上の極右集団としての正体をあらわにし、選挙後は自公との「連携」を公言しています。
 しかし、安倍・小池らに対する怒りの声は地に満ちています。安倍は行く先々で激しいヤジと怒号に包囲され、今や自分の街頭演説の場所を前もって公表することもできない状態です。希望の党に「合流」した民進党代表・前原も、自らの地元・京都で「帰れ!」と怒号を浴びました。
 いま必要なことは、この渦巻く怒りの声を「本当に戦争を止める力」へと転じていくことです。もはや与野党の議席数がどうなるかが問題ではありません。パククネ政権を倒した韓国のようにゼネスト・実力闘争を巻き起こすこと、そしてその民衆の怒りを真に代表する人物を一人でも国会に送り込むことです。

新しい労働者党を

 民進党が総選挙を前に崩壊し、枝野幸男らを中心に「立憲民主党」なる新党が登場しました。しかしこの党もまた、改憲・戦争と闘う勢力ではありません。
 特に枝野は旧民主党時代から党内改憲派の筆頭です。安倍の「9条に自衛隊を加筆する」という改憲案も、もともと枝野が『文芸春秋』2013年10月号に「憲法9条 私ならこう変える」と題して発表した「改憲私案」で主張していたものです(枝野はそこで9条1、2項を残したまま軍事力の保有、集団的自衛権行使などを明記すると主張)。10月7日の党首討論でも、枝野は「憲法は不磨の大典ではない。変える必要性があるなら変えればいい」と発言。また希望の党に対しても「安倍政権打倒で動くなら連携できる」と秋波を送っています。
 他方で日本共産党は、枝野の改憲私案が出た当時、これを「改憲政党としての民主党の性格をあらわにするもの」などと「批判」したにもかかわらず、今では手のひらを返して枝野を絶賛し、「野党共闘」の名のもとに立憲民主党への投票を呼びかけています。そもそも共産党はこの間安倍政権と口をそろえて「北朝鮮への圧力強化」を要求し、「自衛のためなら米軍・自衛隊も活用する」と公言してきました。立憲民主党も共産党も、戦争・改憲を本気で止めたいと思う人びとをペテンにかける改憲勢力、戦争推進勢力です。
 こんな連中にげたを預ける時代は終わりました。斎藤いくまを国会へ送り、一切の既成政党を乗り越える新しい労働者の党を労働者自身の手でつくる時です。
 朝鮮戦争の危機を背景に「米国防産業が『北朝鮮特需』に沸いている」(9月26日付毎日新聞)という報道が示すように、現代の戦争は、一握りの巨大資本やそれと結びついた政治家が、自らの利益のために各国の労働者民衆を互いに殺し合わせるものです。だからこそ、労働者の国際連帯が戦争を止める力です。
 11月5日の労働者総決起集会と改憲阻止1万人大行進には、韓国やアメリカを始め各国の労働運動のリーダーが参加します。斎藤いくまを国会へ! そしてすべての怒りの声を11・5日比谷に結集し、戦争をもたらす社会そのものの変革へ全世界の労働者とともに進みましょう!

非正規職は今すぐ撤廃を

 安倍や小池が進める「働き方改革」は、いま社会にあふれかえっている非正規職労働者の劣悪な労働条件や貧困・過労死の問題を「解決」しようとするものではまったくありません。逆に、この現実をこれまで以上に、けた違いに拡大する攻撃です。
 先日、2015年末に電通の新入社員・高橋まつりさんが過労自殺に追い込まれた事件の企業責任を問う裁判の判決がありました。判決は「社長が反省の弁を述べ再発防止を誓約している」として50万円の罰金で済ませました。月に100時間以上もの残業を強制し人の命を奪っておいて、彼女の命はわずか50万円だと言っているようなものです。ふざけるな!
 高橋まつりさんのお母さんは判決後に訴えました。「(過労死は)大企業や中小企業を問わず、様々な業種を問わず、日本全国でいまだにたくさん起きています。そのつど、企業は二度と同じことを起こさないと表明されていますが、その言葉が空虚に思えるほど、何度も何度も企業の不当な労務管理により過労死は繰り返されています」
 しかし安倍政権が国会に出そうとしている働き方改革関連法案は、許せないことに高橋まつりさんを死に追いやった月100時間の残業を合法化しています。さらに「残業代ゼロ法」は、残業という考え方もなくして無制限の長時間労働を強いるものです。もっと多くの労働者を「合法的」に過労死するまで働かせる。これが資本と国家による殺人でなくて何か! 絶対に許してはなりません。
 残業は低賃金と貧困、人員削減と一体です。多くの労働者が長時間の残業や仕事を掛け持ちしなければ食べていけないし、仕事も回らない状態に置かれています。とりわけ青年の大半が非正規職の使い捨て労働者とされて、結婚もできず子どもも産めない、将来の夢さえ描けない生活を強いられています。
 私たちに必要なのは、こんな経済や社会のあり方を根本から変える革命です。資本が労働者を意のままに使い捨て、青年の未来すら奪う「非正規職」という働き方自体を廃止することです。生きる誇りを取り戻すことです。そのために団結して闘おう!

社会を壊す民営化に反対

 安倍政権も小池都知事も民営化と規制緩和をどんどん進めようとしています。都営バスや地下鉄、公立保育園、築地などの中央卸売市場、上下水道、清掃、公立学校、公立病院などありとあらゆる公的事業の民営化であり規制緩和です。
 その理由として彼らが挙げるのは「民間企業に任せた方が安く済む」とか「民間活力を活用する」「競争させることでサービスが向上する」という決まり文句です。あたかも「民営化・規制緩和で問題はすべて解決する」かのようです。でもそれは本当でしょうか。

企業の目的は利潤

 民間企業の目的は利潤を上げること、金もうけが第一です。それ抜きに企業の経営は立ち行きません。一方、自治体の公的事業はどうでしょうか。先に挙げた事業のどれ一つ欠けても社会は成り立たなくなります。それらは労働者・住民が闘いをとおしてかちとってきたものです。
 安倍や小池が公言しているのは、規制を緩和し利潤が見込める部門は民間に譲渡してもうけさせ、赤字の部門は廃止か民営化・民間委託です。受託企業は利潤を上げるために労働者の数を減らして低賃金の非正規職に置き換え、必要なメンテナンス費用は徹底的に切り詰めようとします。その結果はどうなるでしょうか。1987年の国鉄分割・民営化以降に起きた全事態を見れば明らかです。
 国鉄分割・民営化=JR発足は赤字を口実に行われました。しかし当時の中曽根首相は「分割・民営化で国労と総評を解体し立派な憲法を床の間に安置する」と公言していました。労働組合つぶしと改憲のためだったのです。

労働組合の再生を

 その結果、労働者20万人が職場を追われ、1047名が不当解雇されて今も闘いが続いています。社会全体に非正規職が拡大していきました。利潤がすべてのJRで脱線や停電・漏電、下請け労働者の死亡事故が多発しています。安全の崩壊です。赤字ローカル線廃止で「地方消滅」が加速しています。国鉄分割・民営化は大破綻したのです。
 どうしてこんなことがまかり通ってきたのでしょうか。労働組合が闘いを放棄してきたからです。しかし団結した労働者には本当は力があります。安倍や小池と手を組む連合幹部を倒しストライキで闘う労働組合をよみがえらせましょう。

東京オリンピックは返上

 オリンピックが若者に夢を与える? 復興五輪? 冗談ではありません。こんなのは大うそです! 安倍や小池が徹底的にオリンピックを政治利用し、大資本が「もっと金もうけさせろ!」と群がっています。 オリンピック招致の裏金問題をめぐっては、ブラジル五輪委員会の会長が逮捕されました。16年のブラジル・リオ五輪の開催都市決定の際に露骨な買収を行ったからです。東京招致もまさにこれと同じです!
 オリンピックが労働者に何をもたらしているのか。新国立競技場建設をめぐって無理な工期が現場に強いられ、新卒23歳の労働者が月200時間超の残業を強いられ「過労自殺」に追い込まれました。オリンピックが青年の命を奪ったのです! 必要なのは闘う労働組合です。仲間との闘う団結があれば青年は命を絶つ必要はなかったはずです。
 さらに安倍政権は「大震災・原発事故からの復興を世界にアピールする」と言っています。しかし、現実に行われていることは福島圧殺と被曝・帰還の強制です。オリンピックのために子どもたちの命と健康、未来を奪っているのです。
 JR東日本は20年3月までにJR常磐線を全線開通させ原発直近に突っ込ませようとしています。国とJR資本は住民の命・安全など一切考えていません。
 小池都知事は原発事故で故郷を奪われた「自主避難者」への都の住宅提供を打ち切り、またしても住む家を奪おうとしています。それに抗議の声を上げた都庁議事堂レストランの非正規職労働者への首切りは「反対したらこうなる」という脅しです。
 それだけではありません。安倍と小池は、アスリートや観客を放射能まみれの汚染地帯である東京湾の中央防波堤に集めて競技させようとしています。これが行われれば、史上最悪のオリンピックです。
 このようなオリンピックにかかる経費は現時点で1兆3850億円。実際には2兆、3兆円にも膨れ上がるでしょう。1%のゼネコンなど大資本はぼろもうけし、後に残るのは自治体財政の巨額の赤字。ツケはすべて私たちと次の世代に回されます。自治体労働者への賃下げや教育・保育・水道・交通などの丸ごと民営化、大増税、社会保障制度解体がますます強まる結果をもたらします。
 「オリンピックやめろ!」の声を、私たちとともに上げましょう。

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