安倍「教育無償化」の狙い 子育て・教育を戦争と金儲けの道具にするな

週刊『前進』04頁(2883号02面04)(2017/10/09)


安倍「教育無償化」の狙い
 子育て・教育を戦争と金儲けの道具にするな


 子ども1人を幼稚園から大学まで卒業させるのに1千万円、とてもじゃないが払えない! 安倍はこの叫びを逆手にとって、総選挙で消費税を10%に引き上げ3〜5歳の幼児教育・保育を無償化することを打ち出し、子育て世代を取り込もうとあがいています。
 しかし、子どもを生み育てることさえ困難な状況にしてきたのは安倍らです。この20年で18歳未満の子どものいる世帯の貧困率は約2・5倍に急増、13・8%に達しました。非正規職化し貧困に突き落としてきたからです。その上消費税をむしりとるなど許せない!
 しかも保育と教育を破壊してきたのも安倍らです。規制緩和・民営化で保育士の非正規雇用は5割を超え、賃金も民間平均より年間100万円も低く、どんどん辞めていく。また公立小中学校に関しては非正規教員130人分の求人がハローワークに出されたり、名古屋市ではコンビニ約350店に市立学校の講師募集のポスターが張られている。非正規職化で公教育も崩壊しています。そもそも安倍に保育や教育を語る資格などないのです。

戦争・改憲と一体

 安倍は選挙公約で初めて改憲を前面に打ち出しました。憲法9条、教育無償化などです。改憲の狙いは戦争をする国に転換させること。そのために教育も戦争のために変える、それが安倍の「教育無償化」の狙いです。「生産性革命」で労働者を搾取し、「人づくり革命」で幼児教育・保育無償化と称して、お国と資本のために死ぬ人づくりをする、ということです。
 子育て・教育とは本来、子ども、親、現場労働者、地域が育み合い成長していく極めて人間的行為です。しかし安倍の子育て・教育は「冷たい現金勘定」(マルクス)です。「教育投資は『コスト』ではなく『未来への先行投資』」「労働市場の評価に大きな影響を与える4つの基本的なモラル(『うそをついてはいけない』『他人に親切にする』『ルールを守る』『勉強をする』)の躾(しつけ)を全て受けた者と、一つでも欠けた者では、前者の方が約64万円多く所得を得ている」(教育再生実行会議第八次提言資料)と、〝社畜〟になることを就学前教育の「効果」としてうたい、5歳児の義務教育化の検討を始めました。
 そして今年2月、安倍は保育園と幼稚園にも「日の丸・君が代」に「親しむ」方針を打ち出しました。森友学園では幼児に「教育勅語」を叩き込み、安倍はこれを全国に拡大しようとしましたが、人民の戦争絶対反対の怒りで大破産。そこで戦争突入にあって安倍と小池は仕切り直し、朝鮮高校無償化取り消しで排外主義をあおりながら、税金をふんだくって戦争教育をやろうとしているのです。

民営化で団結破壊

 小池や維新などの「教育無償化」も、橋下徹・元大阪府知事が「財源を公立保育所の民営化でねん出」とつぶやくように、民営化による非正規職化と公立つぶし、労組つぶしです。大阪では私立高校無償化による学校間の競争で、公立高校4校が廃校にされました。
 子どもたちは、ぶつかり合いながら助け合って生きていくことを学ぶ。それは現場、保護者の団結なしには成り立ちません。労働組合はその要になってきました。それは労働者階級の誇りです。子育て・教育を戦争と金もうけの道具にして生きる誇りを奪う安倍・小池らを労働組合の力でぶっとばし、斎藤いくまと共に保育と教育を取り戻そう。
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