耕作権裁判 デモで地裁を包囲 「早期結審許さず闘う」
週刊『前進』04頁(2881号03面02)(2017/10/02)
耕作権裁判 デモで地裁を包囲
「早期結審許さず闘う」
9月25日、耕作権裁判の弁論が千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で開かれた。反対同盟と顧問弁護団、支援の労農学市民85人は、農地強奪攻撃への怒りも新たに闘いに臨んだ。
午前9時、千葉市中央公園で、伊藤信晴さんの司会で決起集会が開かれた。最初に反対同盟事務局の萩原富夫さんが、「NAA(成田空港会社)が市東さんを〝不法耕作者〟と決めつけ、農地明け渡しを求めてきたのがこの裁判だ。農地破壊と軍事空港建設に反対して闘おう」と訴えた。
続いて動労千葉の田中康宏委員長が連帯のあいさつに立ち、「11・5全国労働者総決起集会は米帝トランプ来日に対する怒りの大闘争になる」と訴え、大結集を呼びかけた。
意気高くシュプレヒコールを上げてデモに出発。「千葉地裁は市東さんの畑を強制収用するな」と書かれた横断幕を掲げて、地裁包囲デモを貫徹した。
10時30分に開廷。前回に続き「証拠の墨塗り」問題で白熱の攻防となった。1970年当時の南台農地の耕作状況を詳細に調査した資料である「乙85」は、大きな部分を墨塗りにされたまま証拠提出されている。この裁判の最大争点であるNAAによる畑の位置の特定の誤りと文書偽造を明らかにする上で、乙85の墨塗りで隠された部分が決定的証拠となる可能性がある。弁護団と市東さんは全面開示をあらためて求めた。
これをかたくなに拒否する裁判長に対して、弁護団はここで新たな「文書提出命令申立書」を提出した。乙85墨塗り部分を含め、NAA=空港公団が行った旧地主・藤﨑政吉、さらに小作者の石橋、根本、鈴木各人との用地買収の交渉記録の提出を求めるものだ。
裁判長はさすがにこれを受け取るしかなかった。
次回期日を11月20日として閉廷した。
千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。最初に市東さんが、「裁判長の早期結審を許さずに闘う」と決意を述べた。続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団全員が裁判長を弾劾し、勝利への展望と決意を表した。
質疑応答後、萩原さんが10・8への大結集を呼びかけ、全員が拍手で応えた。