都営交通の民営化阻止を 戦争・改憲進める安倍・小池の労組破壊攻撃に全面対決する

週刊『前進』04頁(2879号02面02)(2017/09/25)


都営交通の民営化阻止を
 戦争・改憲進める安倍・小池の労組破壊攻撃に全面対決する

都営バスを標的に民間譲渡・廃止叫ぶ

 総務省が「自治体400事業 経営点検」を打ち出しました。「企業や住民が自治体の不採算事業の実態を把握しやすくすることで民間譲渡や廃止の決断を(国が)後押しする」というものです。資本の利益になるものは民営化し、利益を生まない公共事業は切り捨てる地方切り捨てです。
 特に都営バスを名指しして、東京都も運営する電気事業にも言及し、「交通や電力関連の2分野を先行して公表する」と、あからさまに都営交通を標的にしています。都営バスについては「コストも民間に比べて高い」「人件費が5割高い」から「事業の見直しを促す」と、民営化を推し進める意思をはっきり表しています。これは安倍と都知事・小池が一体で都営交通民営化攻撃に乗り出したということです。
 民間との比較について、同じエリアでの比較と言うものの、範囲も業者もはっきりしません。人件費も運転手だけか役職者を含めてなのかもわかりません。すでに都営バス運転手の賃金は10%引き下げられ、多くの青年が「生活できない」と辞めていくのが実態です。都バスの賃金が高いのではなく、民間バスの賃金が低すぎるのです。
 小池は6月30日の定例記者会見で都営地下鉄と東京メトロの「運賃通算化」について「実務者クラスで勉強会」を開始していることを明らかにしました。「運賃値下げ」を口実に経営統合=民営化に動き出したということです。これまでも統合についてはメトロが「株式価値最大化を優先」するため「株価を毀損(きそん)しない」ことが条件とされてきました。累積赤字を持つ都営地下鉄には賃下げと、外注化による人件費削減が強行されます。
 読売新聞が「『メトロ』乗り継ぎ運賃値下げ意向に『都営』猛反発」と、都に悪意を向けさせる報道を行うなど、マスコミを使った攻撃が始まっています。

国鉄分割・民営化とまったく同じだ

 民営化攻撃の正体が何なのか明らかにして闘う時です。今回の攻撃は国鉄分割・民営化と同じです。マスコミを使って国鉄の赤字を過大に宣伝し、「ヤミ・カラ」キャンペーンや労働組合たたきで、責任が国鉄労働者にあるかのように扇動しました。そして20万人が職場を追われ全国で膨大な線路がはがされました。
 大阪市営地下鉄、バスの民営化でやられたことも同じです。市長の橋下徹とそのブレーンの上山信一慶応大教授が「運賃が高い」「賃金が高い」「地下鉄はぼったくりバー」と悪宣伝を振りまき、しかも上山は自ら招いた事業失敗(2013年に住之江車庫用地の複合ビル建設で、累積欠損金が約800億円に膨れ上がり、バス事業は経営健全化団体になった)による赤字を口実に、バスの民営化を強行しました。不祥事をあげつらい労働組合をたたき、度重なる賃下げ、バス赤字路線の廃止、228人が職場を追われました。

働き方改革容認し小池支持する連合

 小池は都議選の直後に、安倍と改憲で連携する意思を明らかにしています。そして安倍の働き方改革の先兵として東京から労働法制改悪を進めようとしているのです。そのために最大の抵抗勢力である労働組合をつぶす攻撃にきています。その標的が都労連であり、何よりも東交です。この時、連合は働き方改革一括法案を容認し、連合東京にいたっては東交破壊の小池を支持したのです。
 都労連・東交は国鉄1047名解雇撤回闘争の最大の支援勢力であり、国鉄闘争とともに改憲・戦争を止めてきた存在です。だから民営化・労組破壊を許せば、Jアラートで鉄道が止められているように、自治体としても、交通機関としても、戦争協力へ動員させられます。東交労働者は民営化阻止・小池打倒に決起しよう。戦争・改憲を止めよう。
(東交労働者・中井悟郎)

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