韓国・放送労働者がスト 2大公営放送 経営陣退陣を要求
韓国・放送労働者がスト
2大公営放送 経営陣退陣を要求
パククネを打倒した「キャンドル革命」を引き継ぐ「積弊清算」の闘いは、戦争重圧の激化をはね返し、今もさまざまな職場で不屈に継続されている。こうした中でついに、韓国の2大公営放送の労働者たちが新たな闘いに立ち上がった。
ウソ・デマ報道の責任を徹底追及
9月4日、全国言論(メディア)労組のMBC(文化放送)・KBS(韓国放送)本部はソウル市内の各社屋で出陣式を開き、ゼネストに突入した。1600人あまりの記者とディレクター、アナウンサーは8月から制作拒否闘争に入ってきた。2労組の同時ストは5年ぶりで、ニュース番組が大幅に短縮されるなど全社会に直接訴えかける闘いとして進んでいる。MBCでは、社員食堂の労働者もストに参加している。
「言論積弊清算」を掲げるこの闘いは、パククネ政権によって選任され、労働者に歪曲・偏向報道を強制してきた社長ら経営陣の退陣を求めるものだ。
2015年民衆総決起闘争での農民ペクナムギさん虐殺やサード配備をめぐる歪曲・真実の隠蔽(いんぺい)、ストライキに対する否定的な報道、過去の軍事独裁政権の美化、さらには2014年セウォル号事件発生直後の「全員救助」の誤報のような「報道惨事」、政権に批判的な文化人のブラックリストの作成と現場からの排除----報道現場には徹底的に支配階級の意思が貫かれ、声を上げた労働者に対しては不当な懲戒や配転が乱発されてきた。
さらにこの間、入社9カ月目のプロデューサーが長時間の強労働やパワハラを苦にして自殺に追い込まれるという事件も起こっている。こうした現実を終わらせ、労働者民衆のもとに真の報道を奪い返すという宣言がついに発せられたのだ。不当に解雇された労働者の原職復帰も、今回のストにおける大きな要求のひとつだ。
8日にはソウル・光化門広場で「KBS・MBC共同ストライキと言論労組総力闘争勝利のための決意大会」が開かれた。1600人以上の労働者と市民が結集し、「言論積弊勢力をすべて追い出すまで引かずに闘う」と決意を固めた。キムファンギュン言論労組委員長は、「メディアは片隅に追いやられた人びとの絶叫やうめき声を聞くものでなければならない」と述べた。
労組、市民、学生が熱く支持・連帯
80以上の労組、500以上の市民社会団体がこのゼネストに支持と連帯を表明している。この日の集会にも全国公務員労組とソウル地下鉄労組の委員長が参加。ソウル地下鉄労組の委員長は、メディア労働者のストを支持する壁新聞を鉄道と地下鉄に掲示していると報告した。学生たちとの連帯も広がっている。
決定的なのは、この闘いが、北朝鮮のミサイル発射や核実験を口実とした「職場に戻って報道を行え」という恫喝に屈することなく続けられていることだ。日本でも求められている闘いはまったく同じだ。職場から安倍打倒へ闘おう!