9・23いわき闘争へ 汚染地域への帰還と被曝強制狙う 10・21常磐線富岡延伸を阻止しよう
9・23いわき闘争へ
汚染地域への帰還と被曝強制狙う
10・21常磐線富岡延伸を阻止しよう
JR東日本は常磐線の竜田―富岡間を10月21日に運転再開すると発表した。安倍政権が狙う2020年3月末までの常磐線全線開通へ向けた攻撃だ。動労水戸の呼びかけで9月23日に行われる、いわき闘争に結集し、住民に被曝と帰還を強制する常磐線全線開通を阻止しよう。
「帰れない」が現実 このどこが復興か
今年3月末に帰還困難区域を除く避難指示が一斉に解除されてから間もなく半年になる。浪江町・富岡町・飯舘村・川俣町山木屋地区への帰還率は4・2%。浪江町はわずか1・9%にすぎない。15年9月に避難指示が解除されてから2年がすぎた楢葉町でも4分の1しか戻っていない。放射能汚染で「帰れない」から「帰らない」のだ。
来春からの避難元自治体での学校再開が狙われているが、浪江町では95%が「通学させる考えがない」と答え、富岡町にいたっては「今後、町に戻ると考えている」と回答したのは9世帯(1・9%)だけだ。これのどこが復興なのか!
さらに福島県は、今年3月末で自主避難者への住宅の無償提供を打ち切ったのに続き、来年3月には楢葉町、19年3月には南相馬市・飯舘村など5市町村の避難者への仮設住宅や民間借り上げ住宅(いわゆる「みなし仮設」)の無償提供も打ち切ることを決定した。楢葉町では、今も1千世帯をこえる住民が、仮設住宅(「みなし仮設」を含む)で避難生活を余儀なくされているが、そのうち2割が「18年4月以降の住宅のめどがついていない」と答えている。そもそも、原発事故がなければ避難する必要はなかったのだ。原発事故によって自宅も、故郷も、仕事も、共同性も奪われた上に、再び住居が奪われようとしている。
鉄道の運行再開が帰還強制の手段に
それどころか、帰還困難区域への帰還をも強制しようとしているのが安倍政権だ。それは、国家による犯罪にほかならない。
3・11東日本大震災―福島第一原発事故によって、JR常磐線は線路や駅舎が流出し、さらに放射能汚染で不通となった。JRは11年10月の広野開通を突破口に、原発に向かって鉄道の運行再開を強行してきた。そして、10月21日には竜田(楢葉町)―富岡間の開通を強行しようとしている。
昨年、安倍政権は「帰還困難区域の中に特定復興拠点を設置し、5年以内をめどに避難指示を解除する」という方針を打ち出していたが、今年7月に高木陽介・経済産業副大臣(当時)は、常磐線全線開通に合わせて避難指示を2年前倒しして解除する方針を示した。常磐線を開通させても駅の避難指示を解除しなければ乗客が降りられないから、避難指示を解除して降りられるようにするということだ。住民の安全を切り捨てて避難指示を解除するなど、絶対に許されない。
これまでJRは、常磐線の運行再開に関して、労働組合との団交の中で「政府が避難指示を解除するから安全」「住民の要請に応える」ということを建前として言ってきた。しかし、ついにその建前すら投げ捨てた。常磐線を全線開通するということは、帰還困難区域への帰還の強制という国家的犯罪をJRが率先して担うということだ。
職場から被曝労働を拒否する闘いを
被曝労働を拒否し常磐線全線開通を阻止する闘いは、避難者の命を守る闘いだ。動労水戸とともに、被曝労働拒否の闘いを職場からつくりだそう。
安倍政権は北朝鮮の核・ミサイルの脅威をあおる一方で、高線量地域への帰還を強制し、避難者への賠償・補償をすべて切り捨てようとしている。それは、今秋臨時国会での「残業代ゼロ」「残業月100時間合法化」をはじめとする労働法制の大改悪、そして来春に迫る450万人の非正規職労働者の大量雇い止め攻撃と完全に一体の攻撃だ。
何よりも、常磐線の富岡延伸と一体で、動労水戸・辻川慎一副委員長のエルダー雇用をめぐる攻防、さらには常磐線特急の車掌削減、水郡線のワンマン化などの合理化を狙う10・14ダイヤ改悪との攻防として、決戦がJRにおいてすでに火を噴いている。
東京都議選最終日の7月1日、安倍は浪江町・飯舘村などを訪れ「復興」をアピールし、その「成果」をもって秋葉原での街頭演説に立とうとした。しかし、安倍を待ち受けていたのは「安倍帰れ!」「安倍辞めろ!」の労働者民衆の怒りだった。
この怒りと結びつく武器が「被曝と帰還の強制反対署名」であり、それを通して被曝労働拒否の闘いを職場からつくりだすことだ。この闘いこそ、安倍を打倒し、戦争・改憲を阻止する道だ。9・23いわき闘争に結集し、10・21富岡延伸を阻止しよう。
------------------------------------------------------------
避難指示解除後の帰還者数 | ||||
---|---|---|---|---|
市町村名 | 対象者 | 帰還者 | 帰還率(%) | 解除時期 |
楢葉町 | 7368 | 1906 | 25.9 | 15年9月 |
葛尾村 | 1347 | 169 | 12.5 | 16年6月 |
南相馬市小高区 | 10807 | 2107 | 19.5 | 16年7月 |
浪江町 | 15249 | 286 | 1.9 | 17年3月 |
飯舘村 | 5828 | 488 | 8.4 | 17年3月 |
川俣町山木屋 | 1156 | 235 | 20.3 | 17年3月 |
富岡町 | 9544 | 240 | 2.5 | 17年4月 |
※注1 帰還者数は南相馬市小高区と浪江町を除いて8月末時点(小高区は8月12日時点、浪江町は7月末時点)での住民数。新たな移住者なども含む。 |
------------------------------------------------------------
帰還の強制を許さない! 被曝労働拒否!
常磐線開通阻止!9・23いわき集会
9月23日(土)午後1時
平中央公園(いわき市平字三崎1、JR常磐線いわき駅から徒歩15分)
主催 国鉄水戸動力車労働組合