韓国・ソンジュ サード追加配備に実力闘争 500人が徹夜の攻防
週刊『前進』02頁(2876号02面02)(2017/09/14)
韓国・ソンジュ
サード追加配備に実力闘争
500人が徹夜の攻防
(写真 発射台を搬入する米軍車両を阻止しようと住民たちは固くスクラムを組み、警察の暴力に一歩も引かず18時間にわたり闘った【9月7日 ソンジュ】)
韓国・ムンジェイン(文在寅)政権は7日、慶尚北道・ソンジュ(星州)への在韓米軍のサード(THAAD、高高度迎撃ミサイルシステム)発射台4基の追加配備を強行した。今年4月に強行配備された2基とあわせて「1個砲台」を完成させ、近く本格運用を始めることを狙っている。絶対に許すことはできない。
国防部はこれを「北朝鮮の核・ミサイルの脅威から国民の生命と安全を保護するための措置の一環」だと説明した。これまで「国民の同意なきサード配備は強行しない」と語ってきたムンジェインは結局、「国家安保」を掲げて労働者民衆を裏切ったのだ。
昨年7月の一方的な配備決定から1年以上も闘いぬいてきた現地の住民や宗教者たちは、追加配備決定の報を受けてただちに駆けつけた。500人もの人びとが結集して路上に車でバリケードを築き、スクラムを組んでお互いの体をロープでつなぎ、18時間にわたって闘いぬいた。警察は許しがたいことに8千人もの部隊で襲いかかり、現場が戦場と化す中で数十人が負傷し、二人が連行された。
住民たちはこれに対して、「国民の念願として誕生したムンジェイン政権が国民を裏切った」「今ソンジュは、ムンジェイン政権への未練を捨てた。ムンジェインに投票した人びとは今、指を切り落としてしまいたい心境だ」と激しい怒りをたたきつけた。また、「サード発射台の追加搬入は阻止できなかったが、18時間にわたってここを守り気勢を上げて闘ったことはわれわれの明確な勝利だ」と胸を張って確認し、「サードは戦争のための兵器だ。平和のために5年でも10年でも闘う覚悟だ」と決意を述べた。
ソンジュ現地で闘ってきた労働組合のナショナルセンター・民主労総(全国民主労働組合総連盟)も、声明で「サード配備強行によって不安定な朝鮮半島情勢はさらに悪化する」「民主労総はソンジュの住民と朝鮮半島の平和を望むすべての市民とともに、不法なサード配備の無効化および撤去のために引き続き闘っていく」と宣言した。
また公共運輸労組のイムウォルサンさんは、米メディア「デモクラシー・ナウ」のインタビューで「危機を激化させたのは、北朝鮮の体制転換のために核兵器・非核兵器を使用すると脅してきた米国の北朝鮮敵視政策だ」と弾劾した。
サード配備の狙いは、北朝鮮の核やミサイルへの恐怖をあおることで、パククネ前大統領を打倒した昨年来の「キャンドル革命」を引き継ぎ社会の全面的な変革に向けて進む韓国労働者民衆の闘いを圧殺することにある。しかし、現地ソンジュの住民は「朝鮮半島のどこにもサードはいらない」を掲げてこの攻撃に立ちはだかり、民主労総も「核兵器も軍事境界線もない朝鮮半島を」「すべての軍事的行為と制裁措置を中止しろ」と訴えてともに闘っている。この闘いこそ、今日まで朝鮮侵略戦争を阻止している最大の力だ。
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