JR第3の分割・民営化粉砕へ 職場で反合・運転保安闘争貫こう

週刊『前進』04頁(2875号02面04)(2017/09/11)


JR第3の分割・民営化粉砕へ
 職場で反合・運転保安闘争貫こう


 JRは第3の分割・民営化攻撃と呼ぶべき転籍・分社化攻撃に乗り出しています。この攻撃はJRだけでなくすべての労働者に襲いかかろうとしています。11・5労働者集会--改憲阻止1万人大行進の成功と第3の分割・民営化攻撃粉砕へ動労千葉の闘いの教訓をあらためて学びましょう。

外注化と闘いぬきシニア制度を粉砕

 動労千葉は第2の分割・民営化攻撃としてあった2000年以来の外注化攻撃と闘い、その緒戦でシニア制度を粉砕しました。シニア制度とは、外注化推進を誓う「シニア協定」をJRと結んだ労組の組合員だけを、60歳定年後、JRの関連会社に再就職あっせんするというものでした。
 最大の戦場は幕張車両センターでした。シニア協定の締結を拒否した動労千葉の組合員は定年後の再就職から排除されたため、最初の3年間は脱退者も出ました。しかし、動労千葉は外注化阻止の決戦態勢を確立して闘いました。問題は、東労組カクマルなどが、幕張車両センターの業務を請け負うCTS(千葉鉄道サービス)に再雇用されて幕張に来ることでした。
 動労千葉幕張支部は、「シニアで再就職した人が幕張に来ても、動労千葉の組合員に追及されて仕事にならない」状況をつくりあげ、職場支配権を確立していきました。
 JRは02年4月、交番検査の周期を3カ月に1回から1年に1回へと延伸し、要員を削減する「新保全体系」合理化を実施しました。JRはまた、午後4時までかかっていた仕事を午後3時までに終わらせ、5人でやっていた仕事を午後から2人にする作業ダイヤの策定を狙いました。
 これに対して幕張支部は連日、手を抜かずに仕事をすれば作業は午後5時までかかることを実際にやってみせる闘いに立ちました。定時に仕事が終わらなければ、外注先に仕事を回せません。力関係を押し返したこの闘いにより、05年12月には駅などに強制配転されていた組合員14人の幕張車両センターへの復帰をかちとり、06年にはシニア制度そのものを粉砕します。
 幕張支部組合員は『俺たちは鉄路に生きる3』の中で、「仕事は絶対に手を抜かない。手を抜かなければ遅れる。要員を削減できなくなる」「しっかり仕事をするということが実力闘争」と語っています。労働を武器に勝利したのです。

事故への処分攻撃と闘い団結に転化

 06年4月6日に幕張車両センターの構内で脱線事故が発生しました。事故が起きた箇所は、洗浄機の動作ランプの手前に入換信号機があり、動作ランプを信号機と見間違えて車両を動かしてしまう危険性がある所でした。動労千葉は以前からこのことを指摘し、改善を求めていました。
 事故を理由に組合員の処分をたくらむ会社に対し、動労千葉は処分粉砕闘争に立ち上がりました。動労千葉は3年前から安全衛生委員会で「南引き上げ線にATS(自動列車停止装置)を設置してほしい」という要求を出していたのに、会社はそれを握りつぶし、安全衛生委員会の議事録もその箇所だけが空白にされていた事実を暴きました。
 ピンチに陥った会社は、事故を「職場規律問題」にすりかえ、連日25人もの管理職を幕張に張り付けてきました。これに対して幕張支部は、組合の側から「1通告・1作業」を実践して闘いました。会社は実際の作業が「1通告・1作業」の基本どおりにやられていないことを承知したまま放置していました。
 助役はろくに現場に来ないし、仕事のやり方は全然知りません。結局、組合が会社に代わって作業ダイヤを管理することになりました。最終的にはJR千葉支社に「問題は管理体制の側にありました」と言わせて、闘いは勝利します。

11・5へ職場から新たな闘い開始を

 資本は労働の法則性や技術性などお構いなく、外から労働を指揮しようとします。それは、現場で実際の労働を担う労働者と必ず衝突します。11・5労働者集会の組織化のためにも、資本の矛盾を職場闘争に転化する経験や力量を身につけることが必要です。
 個々の職場闘争の単純な延長線上にプロレタリア革命がないことは、ひとつの真理です。しかし、四十数年にわたり反合理化・運転保安闘争を職場で積み重ねてきた動労千葉の闘いが、「職場闘争の単純な延長線」を超える展望を切り開いてきたこともまた否定できません。労働組合には職場生産点と労働過程を支配し、プロレタリア独裁を行う能力があるのです。
 労働者は人生のほとんどを職場で過ごします。〝事業所内で! 就業時間内に! 労働を通して!〟労働者の団結を守り強化する実践が必要です。それは労働運動の永遠のテーマです。労働者と向き合い、労働と向き合い、職場の現実と向き合えば、必ず進むべき道は見えてきます。
 反合・運転保安闘争路線は階級的労働運動の核心的中身であり、革命の路線です。この路線を貫き、階級決戦として第3の分割・民営化攻撃と闘いましょう。

------------------------------------------------------------
1通告・1作業 構内で車両がポイントを通過する際には信号所がポイントを切り替える必要がある。ポイントの切り替えを無線で通告するのが1通告、切り替えを確認した上で列車を移動させるのが1作業。

このエントリーをはてなブックマークに追加