豊洲移転 都議会が予算可決を強行 「居座ってでも止める」闘いへ

週刊『前進』04頁(2875号02面01)(2017/09/11)


豊洲移転
 都議会が予算可決を強行
 「居座ってでも止める」闘いへ

(写真 東京労組交流センターが呼びかけ、8月24日、築地市場前で豊洲移転絶対反対・小池打倒を掲げたデモが闘われた)

 9月5日に都知事・小池は39年ぶりの臨時都議会を開いて、豊洲移転のための補正予算を強行可決した。このままではブルジョアジーのためのオリンピックに間に合わないからだ。

「命かけ阻む」の声 築地の現場に拡大

 しかし7月の都議選後、あらゆる意味で小池の正体があらわになり、築地で働く人びとを先頭に怒りが爆発している。「築地女将さん会」会長の山口タイさんは8月26日のシンポジウムで「私はブレてません。最後の最後まで一人になっても頑張る。命に代えても頑張る」と豊洲移転反対の断固たる決意を表明した。実際、築地の現場には「居座ってでも止めたい」の声が急速に広がっている。小池が強行すればするほど、闘えば勝てる情勢は深まる。
 小池は8月28日の所信表明で、①豊洲移転は来年の6月以降、②豊洲の赤字は毎年90億円、③豊洲は中央卸売市場として移転、④築地は「民間主導により再開発する」と言明した。
 ①は豊洲移転を強行するという表明であり、②「90億の赤字」とは、つくられた赤字を理由に民営化する、上山信一が大阪でやった手法である。そして③は中央卸売市場としての築地を破壊・更地化し、さらに豊洲を民営化するものだ。④の「民間主導の再開発」は、「築地市場の再整備」とは別物である。

更地化し大資本に明け渡し狙う小池

 小池の言う「築地ブランド」やテーマパークというのもカムフラージュだ。オリンピック後は超高級ホテルや劇場、国際会議場や巨大オフィスビルといった巨大資本のための開発計画が準備されている。「5年で戻る」も「戻る業者がいれば」ということで虚構でしかない。実際には、移転によって多くの仲卸業者が廃業に追い込まれ、生き延びたとしても戻る体力など残らない。豊洲移転は、最初から仲卸を潰し、民営化するための移転なのだ。
 現場の怒りに追い詰められた小池は、市場プロジェクトチームの小島敏郎・都顧問を先兵にして、選挙中はペテン的に「築地再整備案」を触れ回り、今は仲卸の切り崩しのために暗躍している。プロジェクトチーム報告で「将来に仲卸の姿はない」と言い放った小島は、築地の仲間に「このままでは仲卸は自然廃業する」「だから移転をのめ」と脅迫・分断している。しかし逆に仲卸の怒りは激しく燃え上がっている。
 小池は「無害化できなくてすみません」「でも移転します」と宣言。すべて「専門家会議が言っている」として強行しているが、その3人の専門家会議とは元都知事の石原慎太郎が任命した極悪の御用学者だ。結局、小池は石原と同じことをほぼそのまま実行しようとしているのだ。
 しかし、豊洲ではいま大量のカビが発生し、地下水が原因のカビそのものにベンゼンなどの有毒物質が付着している可能性がある。豊洲は絶対に市場に使ってはならないのだ。

小池を裏で支える共産党をも許すな

 犯罪的なのは、この小池や小島を裏で支えてきた日本共産党だ。豊洲の責任はそれまでの知事にあるとして、絶対に小池を批判しないできた。小池の「謝罪」や小島の「再整備案」を、自分たちの主張が通ったと「評価」してきたのも日本共産党だ。今も「小池知事はだまされている」というように触れ回っている。
 安倍と結託し改憲を狙い、朝鮮人虐殺の事実を抹殺する極右小池の姿が全面的に明らかになりつつある。そして東京都丸ごと民営化の狙いが、築地や東京交通労組での闘いを先頭に明らかになりつつある。都庁レストラン解雇撤回の闘いが、小池との激突を切り開いている。築地で働く仲間と都の公務員労働者が、民営化絶対反対、豊洲移転阻止で団結すれば、移転を阻止し小池を倒すことは可能だ。団結して闘おう。
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