紹介/『障害者解放』第9号 社会を変える闘いの最先頭に 障害者が立とうと熱烈に提起

発行日:

週刊『前進』04頁(2873号04面05)(2017/09/04)


紹介/『障害者解放』第9号
 社会を変える闘いの最先頭に
 障害者が立とうと熱烈に提起


 『障害者解放』第9号が発行されました。プロレタリア革命勝利・障害者解放に向かって、地域と現場労働者の実践とその手応えに基づく思想的確信にあふれた内容で、突き抜けたものとなっています。
 冒頭の「改憲決戦を闘い、全人間解放かちとろう!」(夏山俊一論文)と「障害者解放闘争は18年改憲決戦の先頭で闘おう!」(朝霧広巳論文)は、ともに障害者解放闘争の位置と任務を鮮明にしています。
 寄稿「〈労働の奪還〉掲げ、精神科医療労働運動の階級的飛躍をかちとろう!」(谷川大雪論文)は、勤務していた精神病院内で10年前に起こった入院患者による看護士殺害の事態に茫然(ぼうぜん)自失しつつも、この事件が「人間労働の共同性と協働性破壊の現実」であると認識し、自らの階級的再生の契機ととらえ返して再び組合的団結で資本・権力に立ち向かい、「価値創造的闘いであると確信し、人間社会の未来をたぐり寄せる闘いに挑戦しよう」と新たな展望を呼びかける論文です。
 「八尾北労組を地域の団結とソビエトの拠点に!」という八尾北からの報告では、国鉄分割・民営化と一体の大阪・八尾市による西郡と診療所の更地化・民営化(廃院・全員解雇)攻撃と徹底対決し、血債主義派や利権=話し合い路線との党派闘争をやりぬいた地平で、労働者の闘いそのものとして部落差別との闘いもすえきる前人未到の領域に突入しています。国家と資本が本質的につくり出す差別=分断を階級的団結で打破する路線への確信が縦横無尽に展開されています。労組拠点があれば地域のあらゆる課題で団結できること、協働性・共同性の中に一切の戦線の課題も展望も見えてくることが指摘されています。国家権力を打倒し、資本主義を廃絶するとき、「なんでもできる」「すべてを奪い返す」といったあらゆる可能性の扉を開け、未来を引き寄せることができる。そうした〈理念〉〈実践〉〈総括〉の土台が党であり、集約点が党建設だと展望を示します。
 「保育現場における障害児保育と非正規職化」(豊中・深町加代子さん)からは、「社会に適応できないのは障害のせい」だとして〈新しい障害名〉がつけられ、障害者がつくり出されていることに対し、適応できないという考え方は人間の逆転した見方であり、そうした人が仲間とともに地域で生きていくことを阻まれていることに怒りを向けます。「資本主義の発展は……自らの墓掘り人を生み出した。障害者総合支援法はその上に障害者を〈労働者〉と位置づけ、墓掘り人に合流させた」。この社会を変える最先頭に障害者は立とう!と熱烈に訴えています。
 私の息子も重度障害者です。『障害者解放』第9号の内容は、これまで未解決にしてきた問題を否応なくこじ開けさせます。あらためて〈障害者とは何か〉ということをさらに深めるパンフです。是非ぜひ一読を。
(竹原りつ子)
このエントリーをはてなブックマークに追加