大量解雇粉砕・非正規職撤廃を 改憲・戦争阻止、労働改悪うち破れ 職場から闘いを起こし11・5へ

週刊『前進』02頁(2872号01面01)(2017/08/31)


大量解雇粉砕・非正規職撤廃を
 改憲・戦争阻止、労働改悪うち破れ
 職場から闘いを起こし11・5へ


 私たちはモノじゃない、誇りある労働者だ! 非正規職青年労働者の怒りが噴出し、闘いの火の手が上がっている。改憲と戦争に突進する安倍政権は秋の臨時国会に「残業代ゼロ」法、残業月100時間合法化と裁量労働制拡大、「同一労働同一賃金」を掲げた労働契約法改悪などの一括法案と「働き方改革」の基本法案を提出しようとしている。戦後労働法制を解体し雇用・労働・賃金・団結を破壊する改憲攻撃そのものだ。労働時間規制撤廃とともに「正社員ゼロ」=総非正規職化が最大の柱だ。韓国ゼネストに続き、非正規職撤廃へ総決起しよう。

すでに9割非正規の職場も

 安倍政権は「生産性の向上」を掲げて、労働者への極限的搾取と団結破壊の攻撃に出てきた。「過労死」ラインまで長時間労働を強いるとともに、全労働者の賃金を「最低賃金」レベルに落とし解雇も自由にする「正社員ゼロ」攻撃だ。
 すでに非正規職は全労働者の4割、郵便局の集配職場では6割を超えた。サンマルクカフェ、すき家や松屋、衣料品のしまむら、東進ハイスクールなどは8~9割に達し、スーパーのイオンやNTT、JR東日本なども軒並み増やしている。5年前、2012年の総務省就業構造基本調査ですら青年労働者の約4割、女性労働者は約5割が最初から非正規職として就職したとされる(グラフ参照)。ほとんどが「一生非正規」となるしかない。
 「替わりはいくらでもいる」と罵声を浴びてこき使われ、手取りは月十数万円、いつ解雇されるかもしれない----。怒りが噴出するのはあまりにも当然だ。

5年で解雇攻撃

 攻撃は本当に悪質だ。13年4月施行の改定労働契約法の「5年で無期雇用に転換」ルールをめぐり、18年を前に解雇する攻撃との激しい攻防となっている。有期雇用労働者1500万人がこの渦中にいる。
 5年ルールを真っ先に悪用しようとしたのはJR東日本だ。JR東の完全子会社、CTS(千葉鉄道サービス)は「5年になる前に試験を受け、合格しなければ雇い止め」とする就業規則の改悪をたくらんだ。CTSの動労千葉組合員を狙い撃ちして選別・解雇し、非正規職全員をさらに徹底して屈従させて低賃金にたたきこもうとした。
 この攻撃は現場の怒りに火をつけた。動労千葉は大反撃し、組織拡大を実現した。昨年10月、CTSは就業規則の改悪を強行したが、今年3月の団交では、65歳まで雇用を希望する場合は「面接でそう言ってくれればいい」とする回答を引き出した。だが、仮に無期雇用になったとしても、最低賃金スレスレの労働条件は変わらない。
 さらに第3の国鉄分割・民営化との決戦が始まった。JRによる全面分社化・転籍攻撃は総非正規職化・労組破壊そのものだ。
 攻防は社会全体に広がっている。東北大学の非正規教職員3243人への来年3月末の解雇通告との闘いに続いて、東京大学がパート教職員を最長5年で雇い止めにするルールを作り、約500人は無期雇用に転換するが、残り約4800人を解雇しようとしている事実が明らかになった。

名ばかり正社員

 労働契約法は、無期転換後の賃金などは転換前と同じで構わないとする。職務や勤務地を限る「限定正社員」は、仕事や事業所が廃止されればその時点で解雇される。資本は簡単に解雇できない解雇規制や年功賃金制のない「名ばかり正社員」を増やし正規職を「最低賃金」労働者に置き換えようとする。当然食えなくなるから「副業・兼業」も認めて奨励している。
 安倍政権と小池都知事はインターネットを使う「テレワーク」を広げようとしている。8時間労働制を有名無実化させる一方、労働基準法や労働組合法から外れ労災補償も雇用保険もない「個人請負」労働者を大量に生みだすことを狙っている。究極の「正社員ゼロ」攻撃である。金銭解雇制までたくらんでいる。金を払えば労組破壊の不当解雇もまかり通る解雇自由化だ。

怒りの決起が社会揺るがす

 安倍と資本の雇用・労働破壊への怒りの決起が社会を揺るがしている。動労千葉―動労総連合に続き、あらゆる産別・職場で解雇を許さず非正規職撤廃の闘いが繰り広げられている。
 郵政の約8万人のアソシエイト(無期転換)社員は低賃金のままで退職金もない。事業縮小と事業所廃止による解雇、スキル評価を使った解雇がJP労組本部の裏切りで協約―就業規則化された。スキル評価制度撤廃の労働委闘争が全国に拡大しようとしている。
 奈良市従業員労組では下水道民営化絶対反対で非正規職の解雇を阻止し、さらに清掃非正規職の解雇撤回へ階級的団結をかけて闘いぬかれている。
 小池知事による都庁レストラン非正規職労働者の解雇を許さない闘いが福島切り捨て・労組破壊の小池を直撃して発展している。
 14年に解雇撤回・原職復帰をかちとった東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会を先頭に合同・一般労組全国協の進撃が続く。
 連合本部・労組幹部の支配をぶっ飛ばす、職場からの総反撃が始まった。非正規職撤廃はゼネストと革命のスローガンだ。11・5労働者集会に総結集しよう。

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