改憲阻止1万人大行進へ 11・5労働者集会に大結集を JRの分社化・総非正規化を許すな 田中康宏動労千葉委員長が訴え

週刊『前進』02頁(2870号01面01)(2017/08/24)


改憲阻止1万人大行進へ
 11・5労働者集会に大結集を
 JRの分社化・総非正規化を許すな
 田中康宏動労千葉委員長が訴え

(写真 昨年11月6日、東京・日比谷野外音楽堂で行われた全国労働者集会。5800人が結集し、朝鮮侵略戦争阻止と労働法制大改悪粉砕の闘いを宣言)


 11・5全国労働者総決起集会に向けての第1回の実行委員会が8月3日、東京都内で開かれました。ここで行われた動労千葉の田中康宏委員長の提起の要旨を紹介します。(編集局)

今年は今までと違う決意で

 今年の11月労働者集会は全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組の呼びかけになってから20回目の節目に当たります。今年はもう一歩飛躍し、情勢に真剣に立ち向かいたい。「労働運動をよみがえらせよう」という集会を、ここまで維持してきたことは決定的なことです。その意味が、いよいよ生きる時が来ています。
 今年はこれまでの繰り返しではありません。安倍は2020年新憲法施行を唱え、自民党改憲推進本部での議論を8月中に一巡させて9月から始まる臨時国会に改憲案を出そうとしています。2020年までの3年間は、1日1日が決戦です。
 6・11国鉄闘争全国運動全国集会の時、関生支部の提起もあり、共謀罪粉砕の銀座デモに取り組みました。これを発展させたいという思いもあり、今年の11月集会は、新たな試みとして正午から午後2時までを労働者総決起集会、午後2時から3時までを改憲阻止1万人大行進という構成にしようと、3労組で議論しました。韓国では、前半は民主労総主催の労働者総決起大会、後半は民衆総決起闘争という形で闘争を組んでいます。
 「改憲絶対阻止1万人大行進」を打ち出したのは、今年は1万人、来年は10万、再来年は100万と、パククネを打倒した韓国のような情勢にこの2〜3年で持っていくためです。
 民主労総の6・30社会的ゼネストには6万人が参加し、「最低賃金1万ウォン獲得、非正規職撤廃、自由に労働組合活動をする権利の獲得」のスローガンのもと、歴史上初めて5万7千人の非正規労働者がストに入りました。
 11月集会にはこの民主労総をはじめ、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)やドイツ機関士労組など、多くの仲間が参加します。国際連帯闘争は大きく発展しています。
 安倍は崩壊の危機にあるからこそ、改憲・戦争へと突き進んでいます。秋の臨時国会の決戦をやりぬいた上で、さらに来年が決戦になる。これは、この過程でわれわれが成長できるかどうかをかけた決戦です。

改憲だけは絶対に許さない

 安倍政権は腐敗を噴出させて崩壊しています。これは支配階級の凶暴さとともに、労働者階級にとっての巨大な可能性を生んでいます。
 安倍の目指す国家像は「戦後レジームからの脱却」、まさに大日本帝国です。戦争法と共謀罪に加え、改憲で戦争を抑えていた留め金は全部外れようとしています。労働者階級はこれを絶対に止める決意をしなければなりません。改憲阻止は戦後労働運動の最大のテーマでした。2千万人のアジア人民を虐殺し、日本の労働者も数百万人が殺された。そのあまりに悲惨な戦争の現実があったからです。「改憲だけは許さない」は労働者の根源的な要求です。

改憲勢力化頓挫し連合は崩壊の危機

 国鉄分割・民営化の時、中曽根は「これで新憲法を安置する」と言った。国鉄分割・民営化以降、改憲阻止は労働運動の最大の課題と認識されなくなったけれど、その後も実際は改憲をめぐって争われてきた。われわれは分割・民営化と真正面から闘って改憲を阻止してきた中心的勢力です。改憲阻止は労働者階級全体の決戦ですが、何よりもわれわれ自身の決戦です。
 連合の分裂情勢は、UAゼンセンを使って連合の産業報国会化・改憲勢力化を進めていた安倍の改憲プログラムがいったん破綻したことを意味します。
 逢見直人事務局長の出身母体のUAゼンセンは「全員を組合員にする」というユニオンショップ協定を資本と結び、「組合員でない者は解雇」と資本に代わって労働者の首を切り、労働者の反乱をつぶしてきた。徴兵制、共謀罪、安保戦争法にも賛成するUAゼンセンは、資本と自民党に育成された組合です。
 労働組合のナショナルセンターの再編はこれで4度目です。1度目は産業報国会の結成、2度目は朝鮮戦争下での再編、3度目は国鉄分割・民営化と連合の結成、そして30年たって連合の崩壊が始まった。これは改憲攻撃が生んだ歴史的事態です。

数百万が最賃の「正社員」に

 社会の総崩れが始まろうとしています。攻撃の柱の一つは8時間労働という労基法に残った最後の一線をつぶし、労働法制を最終的に解体することです。
 もっと重大なことは、数百万人の労働者が、最低賃金の「正社員」にされようとしていることです。JR東日本の子会社のCTS(千葉鉄道サービス)では、260人が無期転換の対象です。形式的には無期雇用になっても、文字通り最低賃金。JRにはCTSのようなグループ会社が約千社あるから、JRだけで26万人、全社会では数百万人がこの攻撃にさらされる。その破壊力は国鉄分割・民営化の比ではありません。この現実が改憲と戦争を準備するんです。
 二つ目の柱は、社会丸ごとの民営化です。小池のもとで東京都は、都営地下鉄とメトロを一元化し民営化すると主張しています。それに対して財務省や国土交通省は「メトロの株価を毀損(きそん)しないことが統合の条件」と言う。結局は、徹底的な賃下げとリストラです。
 地方の切り捨てもすさまじい。この10年で全国の小中学校5千校が廃校にされ、バス路線は1年で1600㌔も削減された。JR北海道の現実は全国に蔓延(まんえん)しています。
 館山の運動は「地域革命」のようになっています。動労千葉と一緒にやるかどうかをめぐって大変な議論になったけれど、「『動労千葉は過激だ』と言われるが立派な組合だ」という結論になり、地元の教組などが内房線切り捨て反対署名の取り組みを大会決定しました。市が運動を妨害すると、「内房線と地域を守る会」が働き掛けて、沿線の市の施設にまで署名を置かせる事態になっています。地域が戦闘的になっている。
 国家が破綻し、社会保障制度も破綻する。こうしたことが2020年をめぐって全面的に起きようとしています。

第3の分割・民営化を打ち砕く決戦に

 1987年の国鉄分割・民営化、2000年からの全面外注化に続き、今年6月のJR東日本の「エルダー業務拡大提案」で第3の分割・民営化攻撃が始まりました。第1、第2の分割・民営化に対し、われわれはいい勝負をしたけれど、今度は全部をひっくり返したい。
 あらためて1047名解雇撤回闘争を前面に押し出したい。ブレイディみかこさんが書いた『子どもたちの階級闘争』という本を読みましたが、彼女は、イギリスでは「昨年の時点で『サッチャー』という言葉が修羅のごときブロークン・ブリテン(破壊されたイギリス)のキーワードになっていた」と言っています。われわれも「国鉄分割・民営化からすべてが始まった」を労働者の合言葉にすることができるはずです。
 9月9〜10日の動労千葉の定期大会と9月23日の動労水戸の常磐線全線開通反対の集会、10月10日の動労総連合強制出向無効確認訴訟の判決をステップに11月に向かいたい。
 11月集会の成功へ、ともに全力で闘うことを訴えます。

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11・5全国労働者集会
 11月5日(日)正午/東京・日比谷野外音楽堂
改憲阻止1万人大行進(日比谷→銀座→東京駅までデモ)
 ①正午から 改憲・労働法制改悪と闘う全国労働者総決起集会
 ②午後2時から 改憲阻止!各団体のアピール 午後3時デモ出発
 (呼びかけ)全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合
 【事務局/千葉市中央区要町2--8DC会館】

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