団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(2869号04面04)(2017/08/21)


団結ひろば 投稿コーナー

北原さん宅を訪ねた思い出
 三多摩 加納敏弘

 三里塚空港反対同盟の北原鉱治事務局長が亡くなられた。95歳だから、天寿をまっとうされたのであろうが、「志なかば」という思いの方が強いのだろうと思う。
 訃報(ふほう)を聞いて思いだしたのが、私が三里塚で逮捕・起訴されて出獄したばかりの1992年4月に、ほかの被告の仲間とともに、お礼のために北原さん宅におじゃました時のことだ。北原呉服店の奥の居間に通されて、北原さん自ら、被告団に酒を振る舞われた。
 あの時の北原さんは上機嫌だった。せっかくいただいた酒を残しては悪いと、飲めないのに必死で飲んだのを思い出す。
 私は、成田治安法によって団結小屋が撤去攻撃にあったときに、死守戦を闘った。そのことで逮捕されたのだが、「団結小屋がなくなっても、人民の団結が崩されない限り三里塚は勝利できる」と思ったものだ。
 あれから四半世紀の時が過ぎ、その間には、「党の革命」などさまざまなことがあった。しかし北原さんは、どんなことがあっても、革共同と労働者階級の未来を信じ、われわれを叱咤(しった)激励し、ともに闘ってくれた人だった。
 三里塚闘争50年の闘いは、星野文昭さんや鎌田雅志さんをはじめ、無数の革命家を生み、全国に革命の種をまいた。今、その誰もが、全国で動労総連合の建設など、ゼネストの拠点を形成するために頑張っている。
 成田空港を朝鮮侵略戦争に使うな! 韓国・民主労総のようにゼネストで闘おう!

許せない! 患者拘束し虐殺
 医療労働者、精神医療当事者 HM

 今年5月、神奈川県の大和病院という精神科の病院で、ニュージーランド人の青年英語教師、ケリー・サベージさんが強制入院の上、四肢拘束を10日間も受け、静脈血栓で死亡しました。許せないことです。まさに安倍政権による共謀罪の強行成立と一体の精神保健福祉法体制の実態そのものです。
 拘束は、苦痛で、人間としての尊厳を破壊するだけでなく、命の危険も伴う危険な「医療行為」です。しかし、厚生労働省の調査では、14年度には全国で過去最多の1万人以上が拘束されています。調査項目に拘束の状況が加わった03年度以降、増加の一途をたどり、10年間で倍増しています。事故も多発しています。
 新自由主義が医療現場で横行し、病院のほとんどが銀行管理になり、コストと営利が優先されたため、労働力が不足し、労働負荷が拡大し、医療労働が破壊され、労働者同士の団結が破壊されたためです。そのため、人間の尊厳を考えるどころか安全も顧みなくなっているのです。また朝鮮戦争の切迫下、有事医療が強要されています。イラク戦争では、外傷だけでなく急性精神症状に対する拘束や電気ショックなどの強制医療が頻繁に行われました。 病院は本来、患者家族と現場の医療労働者が豊かな人間的交歓を行う癒やしと連帯の場のはずなのに、真逆の、分断と人間破壊の場になっています。
 このような医療労働の破壊と患者殺し、労働者殺しに対し、医療労働者は、現場から「戦争反対、人間解放の医療を」の旗を掲げ、患者当事者、家族とも連帯し、団結して闘う必要があります。韓国の医療労働者のようにストライキで闘おう。

「ラジオ体操」は戦争と一体
 東京西部ユニオン・元日放労組合員 山本敏昭

 小池都知事が都庁でオリンピックに向けて機運を盛り上げようと、職員全員のラジオ体操を始めました。小池は会見で「ラジオ体操は日本人のDNAに刻まれたスポーツ」と言いました。
 ラジオ体操には日本帝国主義の軍事体制と一体で国民を束ねた歴史があります。その発端は1928年です。その5月には関東軍が張作霖(ちょうさくりん)の列車を爆破した年でした。11月の天皇裕仁の「御大礼(即位式など)」の記念事業として始まったのがこの「ラジオ体操」です。
 小学生などを組織した「ラジオ体操の会」は、32年に内務省、文部省、帝国在郷軍人会が後援することになり、またたく間に4400万人が参加するようになります。体操の号令をアナウンスしたのは陸軍戸山学校の元軍楽隊員です。後に「ラジオ体操」は、皇居の方向に向かって敬礼する「宮城遙拝(きゅうじょうようはい)」と一体化されます。
 1945年8月には1日3回停波(電波の送信を停止すること)されたラジオでしたが、ラジオ体操は毎日3回欠かさず放送されました。敗戦後、占領軍はこの「ラジオ体操」に禁止命令を出します。復活したのは、ポツダム宣言受諾で日本の主権が戻された1951年でした。
 天皇制と戦争翼賛の思想統制と一体で、国家が住民を組織するのが「ラジオ体操のDNA」です。日本会議の小池百合子にして初めて考えつく都の労働者支配の手段です。しかし都労連労働者はこんな小池都知事を団結して必ず都庁から追い出すことでしょう。

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