三里塚・請求異議裁判 〝強制執行の権利なし〟 執行阻止へ署名提出
三里塚・請求異議裁判
〝強制執行の権利なし〟
執行阻止へ署名提出
8月10日、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で、市東孝雄さんの農地の明け渡し強制執行を阻む「請求異議裁判」の第3回弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労農学100人は、農地強奪攻撃への怒りに燃えて闘った。
午前9時、千葉市中央公園で決起集会が開かれた。司会の太郎良陽一さんが、前日に北原鉱治事務局長が亡くなったことを告げ、全員で黙禱(もくとう)を捧げた。
東峰の萩原富夫さんが北原さんをしのびながら、「先輩方の遺志を継ぎ、空港絶対反対の闘いを貫く」と決意を述べた。
動労千葉の田中康宏委員長は、北原さんを「動労千葉の最高の理解者」としてたたえ、第3の国鉄分割・民営化攻撃を粉砕する決意を述べた。さらに連帯発言を受けて、反対同盟を先頭にデモ行進に出発した。
宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが、「農地死守」を訴え、千葉地裁までのデモをやりぬいた。
続いて、強制執行を許さない署名(第2次分2429筆。第1次分と合わせて8824筆)の地裁提出行動が行われ、反対同盟と葉山岳夫弁護士を門前から拍手で送り出した。
法廷で弁護団は「強制執行権の行使は権利濫用(らんよう)であり許されない」と断じ、以下3点の内容を展開した。
①1993年の成田空港問題シンポジウムの最終所見で、「平行滑走路の用地取得のために、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならない」と確認された。ところがNAA(成田空港会社)は、農地法裁判の反動判決が確定するや、それまでの沈黙から一転して強制執行を求めてきた。
②1971年の第2次強制代執行の違法無効性を争う裁判で、故大木よねさんの遺族とNAAとの間で一昨年に最終的な和解が成立した。国、県、NAAは「空港建設を急ぎ、話し合いの努力が足りなかった」と謝罪した。一方でNAAは市東さんに対する「話し合いの努力」など一切なく強制執行を求めている。
③NAAは市東さんの南台耕作地の敷地外部分を、「貨物用の機材・特殊車両の置き場にする」と主張するが、緊急にデッチあげた架空の転用計画だった!
1時間に及ぶ圧巻の陳述に、傍聴席から大きな拍手と歓声が起きた。
閉廷後には伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんが「北原さんの生き方に学び、私もぶれずに信念をもって闘う。この裁判に勝って、NAAに一泡吹かせる」と力強く述べた。
葉山弁護士が北原さんを追悼し、「強制執行をなんとしても止める」と述べ、弁護団全員が勝利の展望と意気込みを語った。動労水戸の木村郁夫書記長も連帯発言を行った。最後に萩原さんが、10・8全国総決起集会を市東さん宅の南に位置する萩原さんの畑で開くことを明らかにし、「三里塚51年の勝利を一層発展させよう」と訴えた。
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三里塚裁判日程
◎団結街道裁判
9月1日(金)
午前10時30分 千葉地裁