サード配備と闘うキムヒョンゲさんに聞く ろうそく集会400日米日帝の戦争阻む

週刊『前進』04頁(2869号03面02)(2017/08/21)


サード配備と闘うキムヒョンゲさんに聞く
 ろうそく集会400日米日帝の戦争阻む





(写真 ソンジュでのサード配備撤回闘争=写真提供/キムヒョンゲさん)


 8・6ヒロシマ大行動に韓国・ソンジュ(星州)から駆けつけたソンジュ・サード配備撤回闘争委員会地域住民委員会代表のキムヒョンゲさんに、サード闘争の経過とムンジェイン政権との闘いについてインタビューした。(編集局)

突然の配備決定

 私たちは、サード配備撤回を闘うソンジュの闘いを感動をもって注目してきました。サード闘争の経過を聞かせてください。
 昨年7月16日、突然サード配備が発表されたのです。ただちにソンジュ地域で住民たちが立ち上がり、サード配備決定撤回の闘いが始まりました。
 ソンジュは、大統領選挙でパククネ支持率が86%の地域でした。そのソンジュが選ばれたのは、政治的抵抗が一番小さい地域だと判断されたのだと思います。
 しかし、それは大失敗でした。ソンジュの住民たちはパククネを支持したにもかかわらず軍事基地を配備されたことで、裏切られたと猛反発しています。
 その猛烈な反発に驚いたパククネ政権は、設置場所をソンジュのソンサンからソソンリにあるロッテゴルフ場に変更しましたが、ソソンリの隣のキムチョン(金泉)の住民も一緒にろうそく集会を毎日やっています。ソンジュのろうそく集会は、8月16日には400日になります。
 最初、ソンジュのろうそく集会は自治体が主導して始まったんです。しかし自治体首長はパククネ政権の圧力に屈服し、圧力をかけてきました。それで住民たちが自治体とは関係なく、独自の組織を結成しようということで地域住民委員会ができたのです。
 サード闘争は、セウォル号闘争や民衆総決起闘争で亡くなったペクナムギ農民の闘いと結合し、公共部門民営化反対闘争、鉄道ゼネストとつながりました。
 昨年10月にパククネ・チェスンシルゲートが暴露され、パククネ退陣、非正規職撤廃を掲げた民衆総決起闘争が始まりました。1700万人が立ち上がったろうそく集会の中で、サード配備反対闘争は民衆全体の課題になりました。

追加配備を決定

 パククネが弾劾・拘束され、自ら「ろうそく政府」だと称するムンジェイン政権ができあがりました。そのムンジェインが、北朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)発射(7月28日)に対し、即座にサード追加配備を決定しました。30日、ソンジュ・キムチョンのサード配備撤回全国共同行動委員会は「ムンジェイン政府がろうそくを裏切った」と発表し、積弊清算を掲げて大統領府への抗議デモ、抗議集会、国防部前での抗議集会を行いました。
 今、住民たちは基地に通じる道路を占拠し、発射台搬入を阻止しています。
 朝鮮半島における米帝、日帝の戦争挑発にムンジェイン政権が協力する形になっています。この中で、サード反対闘争こそが戦争を阻止する闘いではないかと思っています。
 5年前にきのこ栽培を始める前は民主労総・金属労組のリーダーとして活躍されていたわけですが。
 サードは農村に配備されたんですが、戦争という観点から見れば、農民、労働者を問わずにすべての人民の問題だと思っています。
 戦争は、資本の欲望から生み出されるものです。資本をもっと太らせるために非正規職だとか、穀物の低価格政策とか、農民と労働者を犠牲にしています。労農連帯で闘うことは当たり前のことです。
 世界情勢を見ると、戦争危機の高まりは、朝鮮半島でのアメリカの支配権を維持するためのものであり、北朝鮮のICBM発射は口実でしかありません。
 新自由主義を転覆し、どうすれば人間が人間らしく生きることができる社会をつくりだすことができるのかが、われわれの課題だと思っています。

共に戦争阻止を

 最後に、日本の労働者・農民にメッセージを。
 今は新しい世界への転換点、変革の時代です。韓国と日本の労働者、農民が一緒になって戦争に立ち向かうことはすばらしいことだと思います。
 安倍政権は、帝国主義として朝鮮半島の戦争に突入しようとしています。再び全アジアに惨禍がもたらされることがないように、原爆投下から72年、広島の原爆犠牲者、被爆者の声、平和を願う声を聞いてほしいと思います。

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