全学連大会への結集を訴える(上) 「護憲」ではなく「革命」を 改憲阻止し資本主義を打倒しよう
全学連大会への結集を訴える(上)
「護憲」ではなく「革命」を
改憲阻止し資本主義を打倒しよう
全学連大会の最大のテーマは、全国学生運動が今年秋〜来年の改憲阻止闘争に全力で立ち上がることだ。日帝・安倍政権は「2020年までの改憲」を明言した。「3項追加(自衛隊明文化)」という形をとった第9条破棄であり、「戦争放棄条項」抹殺だ。「憲法を変える」とはどういう意味を持つのか? 「日本国憲法」とは何か? なぜ安倍は改憲に執着するのか? 歴史をひもといて考える。
原点は「二度と戦争を許さぬ」怒り
「戦後レジームからの脱却」----これが安倍の10年来の主張だ。自らのホームページには、「戦後レジームからの脱却を成し遂げるためには憲法改正が不可欠です」と明記している。
「戦後レジーム」とは、第2次世界大戦敗北後のGHQ(連合国軍総司令部)占領下で制定された日本国憲法(1947年5月3日施行)を中心とした戦後憲法体制―民主主義的統治形態の総体であり、その中核が「戦争放棄」の憲法第9条(=平和主義)だ。
「二度と戦争を繰り返すな!」
日本--アジアの労働者人民の戦後70年を超える闘いが憲法改悪を阻んできた。45年8月15日の敗戦直後から労働者民衆の怒濤(どとう)のような決起が巻き起こった。敗北したとはいえ「一個の革命」であり、戦争への怒りがその原動力だった。
「15年戦争(31年の『満州事変』=柳条湖事件による中国侵略戦争の本格的開始から45年の敗戦まで)」で、日帝の軍隊は朝鮮--中国--アジアの民衆を少なく見積もっても2千万人虐殺した。兵士として戦場に駆り出された日本の人民は延べ1千万人を超え、非戦闘員を含め310万人が犠牲になった。戦地での餓死・病死、原爆や空襲、沖縄戦での日本軍による死の強制で命を失った。日帝は南京大虐殺、731部隊による細菌戦や人体実験、朝鮮人・中国人の強制連行や軍隊慰安婦政策など極悪の所業を「天皇のため、国のため」と正当化した。
権力奪取へ進撃した労働者階級
敗戦と飢餓の中で労働者民衆は怒りを解き放った。闘いの口火を切ったのは強制連行されて来ていた在日朝鮮人・中国人労働者だった。「生きさせろ!」の叫びの中から無数の労働組合が組織され、ひとたび団結して闘いを開始するや、社会変革の主人公としての力を発揮し始めた。職場を実力占拠する「生産管理闘争」が拡大し、労働組合は職場生産点での労働者階級の団結の砦(とりで)だけでなく、飢餓からの脱出を求める全人民の闘いの拠点となった。そこにはソビエト形成とプロレタリア独裁樹立への萌芽(ほうが)があった。朝鮮―中国―アジアの闘いと結びつき、世界革命をたぐり寄せる現実性は圧倒的にあった。
46年4月7日の幣原(しではら)内閣打倒人民大会(写真)には7万人が結集し、デモ隊は首相官邸に突入した。復活した5・1メーデーには東京で50万人が参加し、「人民政府即時樹立!」の叫びがとどろいた。5月19日の食糧メーデーには「朕(ちん)はタラフク食ってるぞ ナンジ人民餓えて死ね」のプラカードが登場し、怒りの矛先は天皇にも向いた。約1カ月間政権が組閣されない「権力空白」状態が生まれ、日帝は打倒寸前に追い詰められた。
米日支配階級は、プロレタリア革命を阻止するために「上からの民主革命」で旧天皇制国家を解体・再編する必要に迫られた。その切り札が「新憲法」制定だった。核心は「象徴天皇制」と「軍備放棄」であり、当時のGHQ民政局長ホイットニーは日帝に「天皇を護持し、彼らになお残されている権力を保持したければ、決定的に左にかじを切った憲法を受け入れるしかない」と通告した。憲法第9条は、天皇と日帝を守る「避雷針」だった。
闘いは国鉄・海員ストと46年10月闘争を経て吉田茂内閣打倒を掲げる47年2・1ゼネストにまで上り詰めたが、闘争の主導権を握る日本共産党の土壇場での大裏切り(=スト回避)で敗北させられる。ゼネストを貫徹すれば、弾圧があっても強固な団結が形成され、より根底的な革命の炎が成長していたはずだ。スターリン主義の裏切りが革命の息の根を止めた。戦後革命のうねりは資本主義体制内に収束させられ、「戦後レジーム」が形成された。
「戦争か革命か」の決着しかない
戦後憲法体制の特徴は一つに、象徴天皇制と議会制民主主義という統治形態の大転換だ。首の皮一枚残して生き延びた天皇制は、日帝の最後のよりどころとして復活する余地を残した。
二つに、戦後憲法は戦後革命敗北と「引き換え」で与えられたが、そこには資本家階級に力で強制してもぎり取ったものが刻まれている。最大の象徴は憲法9条であり、戦後の国家と社会を規定し続けてきた。これが「戦争のできる国家」になることでしか延命できない日帝と安倍が現憲法へ憎悪を募らせる根拠だ。
三つに、戦後憲法体制は最初から解決できない根本矛盾を抱えていた。憲法9条が日米安保と沖縄の米軍政への売り渡し(その後の沖縄全島基地化)を前提にしたこと、日帝と天皇の戦争責任を徹底してあいまいにしたことだ。現在これらの矛盾が火を噴いている。
四つに、スターリン主義の「戦後憲法賛美」が果たした反革命的役割の大きさだ。革命的労働者党が不在であるときに闘いはつぶされるという血の教訓だ。
改憲阻止決戦は「改憲か護憲か」ではなく、「改憲(戦争)か革命か」による決着しかありえない。矛盾に満ちた戦後体制を守るのでも、「古きよき戦後」を懐かしみ回帰するのでもない。戦後革命の敗北をのりこえ、今度こそ革命に勝利することだ。戦争と貧困の新自由主義を打ち倒し、労働者人民が主人公の社会をつくることだ。青年・学生の未来は革命の中にのみある。学生運動の果たす役割は決定的だ。全学連大会への大結集をかちとろう。
〔革共同中央学生組織委員会〕
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キャンパスから貧困と軍事研究なくそう!
改憲とめる大学ストをやろう!
全学連第78回定期全国大会
8月30日(水)午前10時開会~31日(木)
浜町区民館 (東京都中央区日本橋浜町3―37―1)
※参加費1000円(2日間)
全日本学生自治会総連合(斎藤郁真委員長)