危険無視し飛行再開 日米の朝鮮戦争突進許すな
週刊『前進』04頁(2869号02面04)(2017/08/21)
危険無視し飛行再開
日米の朝鮮戦争突進許すな
8月5日にオーストラリア沖で強襲揚陸艦への着艦に失敗し甲板に衝突して墜落した普天間基地所属のオスプレイは、昨年12月にも名護市沖の浅瀬で墜落事故を起こしている。今回は、それからわずか8カ月で2回目の墜落だ。昨年12月の墜落事故後は、1週間の飛行停止措置が取られたのみで、事故調査結果も公表されていない。さらに今年6月にも伊江島補助飛行場、そして奄美空港に緊急着陸する事態が続いていた。
普天間基地周辺のみならず、伊江島、北部訓練場、嘉手納基地など沖縄全島がオスプレイの訓練場とされ、昼夜を問わず市街地や学校、病院など沖縄県民の頭上を飛び回っている。こうした中で、2回目の墜落事故に至ったのである。
許せないことに、米軍は墜落事故直後の7日から、オスプレイの飛行を強行した。防衛省は事故を受けて米側に求めていた「飛行自粛」を、11日に撤回した。そもそも日本政府の求める「飛行自粛」とは「米軍の運用上必要なものは除く」と菅義偉官房長官が明言したとおり、黙認以外の何ものでもない。だが防衛省はそれすら事故からわずか6日で撤回したのだ。
さらに10日から北海道大演習場や上富良野演習場で陸上自衛隊と米海兵隊との共同訓練が始まった。防衛省はこれにオスプレイ6機を18日から参加させ、夜間飛行も行うと発表した。
今回の墜落事故は、米日帝国主義の朝鮮侵略戦争が急切迫する情勢のただ中で起きた。オスプレイがどれほど危険かが再び示されたにもかかわらず、直ちに飛行を強行した理由も朝鮮侵略戦争の遂行上オスプレイが不可欠だからである。この戦争は北朝鮮のキムジョンウン体制転覆と韓国革命の圧殺を狙った人民大虐殺戦争である。米兵の命も徹底的に使い捨てにされる。
小野寺五典防衛相は10日の衆院安全保障委員会で、北朝鮮が米領グアム周辺を狙って弾道ミサイルを発射した場合、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」にあたると言及した。ミサイル発射の準備が認定されれば政府が「存立危機事態」を宣言し、米軍と共同して北朝鮮への先制攻撃を行うことは法的に可能と明言したのである。
こうした中で、沖縄をはじめ在日米軍は完全に臨戦態勢に入り、朝鮮侵略戦争発動を想定した演習を繰り返している。7月末には海兵隊がハワイで、オアフ島やカネオヘ基地などを地方都市などに見立て、オスプレイで米市民を救出する訓練を行った。
沖縄を朝鮮戦争の出撃基地にしてはならない! 日韓米労働者の国際連帯で戦争を絶対にとめよう! オスプレイ全面撤去! 辺野古新基地阻止! 8・12沖縄県民大会に結集した4万5千人の怒りを先頭に、闘う労働組合・学生自治会をよみがえらせ、全基地撤去・非正規職撤廃の全島ゼネストへ闘おう。