8・5広島 始まる前に戦争とめよう

週刊『前進』04頁(2867号02面01)(2017/08/14)


8・5広島 始まる前に戦争とめよう


 8・6ヒロシマ大行動(記事1面)に先立ち、前日5日に広島市で福島連帯集会と全国青年労働者交流集会、東広島市で全国学生集会が意気高く開かれました。今夏今秋の闘いに向かって、大いに討論し交流を深めました。(編集局)

福島連帯集会に350人
 ヒロシマの怒りと固く結合

(写真 福島と広島が一体となり労働組合を軸に団結をつくろう、核と原発推進の現体制を打ち倒そうと決意【8月5日 広島市】)

 被曝労働拒否・福島連帯集会が8月5日午後3時30分から広島市東区民文化センターで開催された。約350人が会場を埋め、司会を務めるNAZENヒロシマ事務局長で高陽第一診療所労組書記長の矢田三恵さんと3・11反原発福島行動実行委員会の椎名千恵子さんの熱いあいさつで集会が始まった。
 まず、ふくしま共同診療所の杉井吉彦医師が基調報告を行った。杉井さんは冒頭、世界戦争の危機を訴え、「すべての力を改憲阻止に集中しよう」と提起。続けて、「被曝と帰還の強制反対署名は3万8千筆を超え、全国で保養運動も取り組まれている。『避難・保養・医療』の原則は、人間性と共同性を奪い返す根底的な運動であり、社会変革の運動だ。動労水戸の被曝労働拒否の労働運動は、労働組合を軸に団結を生み出したときに、自らが主体となって社会を変革できることを示している」と核心を語った。さらに、福島で〝安全・安心・帰還・復興キャンペーン〟攻撃が続いていると断罪し、「『フクシマの怒りはこれらすべてに対する心底からの告発であり、これを強制する現体制への根底的な批判とならざるをえない』ことを再度確認しよう」と呼びかけた。
 小児甲状腺がんの多発と検査の縮小・打ち切り攻撃が加速している現状についても報告した後、方針を提起。「『避難・保養・医療』の3原則の深化をかちとっていこう」「新自由主義の崩壊が進行する中で、あらゆる医療要求、とくに『住宅問題』に密接に関連する要求を、医療にかかわるすべての人びとの団結した運動・運動体として突破していこう。原発の再稼働を阻止しよう」と訴えた。
 呼びかけ4団体からの報告の最初に、動労水戸の照沼靖功さんが「動労総連合青年部の闘いを前進させ、労働運動を労働者の手に取り戻す。9・23いわき行動に結集を」と呼びかけた。ふくしま共同診療所の布施幸彦院長は「被曝と帰還の強制反対署名を、改憲決戦の到来だからこそ労働組合先頭に取り組もう。診療所も長期強靭な活動を続けていく」と決意を語った。
 八尾北医療センターの末光道正医師は「労働組合と地域の団結をつくり出し、ゼネスト―プロレタリア革命に勝利しよう」と訴え、NAZEN事務局長の織田陽介さんは「全国で署名運動を軸にして運動と拠点と組織をつくる闘いを始めましょう」と提起した。
 闘う仲間の発言を、都庁ふくしま署名解雇と闘う柿沼庸子さん、保養に来ているお母さん・子どもたちとともに登壇した安芸太田町議会議員でNAZENヒロシマの大江厚子さん、NAZEN関西の深町加代子さん、愛媛県職労書記長の臼坂伸二さんが行った。
 柿沼さんは「ゼネストに向かって、たくさんの怒りを束ねていく闘いにしたい」と宣言。大成功のうちに集会を終えた。

全国の青年が団結
 広島の労働者が中心に

(写真 集会の最後に、発言に立った青年労働者が壇上に勢ぞろいし、「団結がんばろう!」【8月5日 広島市】)

 被曝労働拒否・福島連帯集会に続いて、同じ会場で「オキナワとヒロシマをむすぶ8・5青年労働者交流集会」が開かれた。
 集会を中心で担ったのは、広島と中国・四国地方の青年たちだ。戦争と改憲に突き進む安倍を打倒し、始まる前に戦争をとめようと全国の青年と互いに団結を打ち固めた。
 連帯アピールに立った韓国の民衆行動代表のイドクチェさんは「資本主義は労働者が死なない程度だけ賃金を与えます。それが最低賃金制度です。最低賃金制度は資本主義下の奴隷制にほかなりません」と弾劾し、日本と韓国の青年たちの団結を呼びかけた。
 続いて、動労総連合青年部書記長の山田和広さん(動労西日本)が基調報告を行った。「今秋からの改憲阻止決戦の爆発と11月労働者集会への大結集、とりわけ職場からの総決起をかちとろう」「帝国主義による核武装と侵略戦争、共謀罪、改憲、労働法制改悪との闘いの勝利は、第3の分割・民営化攻撃を粉砕する国鉄闘争の勝利にかかっている。動労総連合の組織拡大をかちとりゼネストを切り開こう」と呼びかけた。
 特別アピールを行った沖縄の日本IBM・ビジネスサービス労働組合の富田晋委員長は「沖縄闘争と広島闘争をもう一度、青年の闘いとして結び付けたい。沖縄は『復帰』から45年を経て、再度ゼネスト情勢を迎えている」と訴えた。東京から参加した女性労働者は都議選を総括し、「自分が正しいと思ったことは職場で通用する。この都議選で、青年に度胸がついた」と元気に発言した。
 決意表明に入り、広島で働く非常勤の教育労働者は「自分の給料は授業をしたコマ数だけ。春休みや夏休みはゼロ。生活にせいいっぱいで授業以外のことを子どもたちに教えたくても、そんな余裕はない。教育労働者で非常勤という働き方はなくすべきだ」と訴えた。広島の自治体の非正規労働者は、職場の評価制度が非正規職員の首切りと一体のものだと弾劾した。
 動労総連合青年部が登壇し、代表して副部長の照沼靖功さん(動労水戸)が「韓国でパククネを打倒したゼネストを、日本でもやろう。闘いの軸は国鉄決戦です。日本でのゼネストを実現するために動労総連合青年部をつくった。一人ひとりの青年がとなりの一人をオルグしよう」と呼びかけた。
 最後にまとめと「団結がんばろう」を徳島医療福祉労組書記長の原祥吾さんが行い、翌日の闘いと11月集会へ青年が先頭に立って闘う決意を固めた。

広島大で学生集会
 〝被爆者の闘い受け継ぐ〟

(写真 8月30〜31日の全学連大会と、秋からの改憲阻止決戦へ向けて決意と団結を固めた【8月5日 東広島市】)

 8・5全国学生交流集会が、会場を埋め尽くす50人の結集で開催されました。今年は開催場所を広島大学構内に移し、集会後はバーベキューで交流。広大生と全国学生が安倍来広を迎え撃つ広島闘争と、8・30〜31全学連大会に向かって、熱く討論を交わしました。
 集会では、広大自治会委員長の森田寛隆君が基調を提起。「被爆者は戦後すぐにGHQ(連合国軍総司令部)統治下のもとプレスコードが敷かれ存在自体を否定されてきた。8月6日は初めから反戦反核の日だったわけではない。1950年、弾圧を恐れず立ちあがったことで朝鮮戦争での米帝の核兵器使用を阻止し、その後の運動の中で被爆者の存在は全世界的なものになった」「未来を奪われている今の学生・青年の置かれている状況は、被爆者の置かれた状況と同じだ。最も理不尽な仕打ちを受けている当該が、その悔しさを共有して立ちあがる主体となれる団結があれば、無責任な大学・資本に代わって、未来を取り戻すことはできる」と訴え、闘いの方向性を提起しました。
 その後、京都大学全学自治会同学会の仲間が、4学生への退学通知を許さず、処分撤回まで闘う決意を表明し、万雷の拍手が送られました。
 さらに、この秋から本格化する安倍の改憲攻撃を控え、大学の現場から改憲を打ち破っていくため、「『大学改革』と改憲・戦争」と題する学習会が提起されました。そこで新自由主義30年の破綻の帰結が今の大学・教育の惨状であることが、初参加の学生とも共有されました。
 初参加の学生が積極的に感想や質問を述べてくれ、予定していた終了時間を大きく超えるほど、活発な集会になりました。その後のバーベキューも大いに盛り上がり、学生同士の団結が大きく深まる一日となりました。
(広島大学・A)

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