8・6ヒロシマ 改憲・核戦争に国際連帯で反撃 安倍に被爆者の怒り

週刊『前進』04頁(2867号01面01)(2017/08/14)


8・6ヒロシマ
 改憲・核戦争に国際連帯で反撃
 安倍に被爆者の怒り

【巻頭論文はこちら】
安倍改造内閣打倒し11月「改憲阻止1万人大行進」へ総決起を
国際連帯強め朝鮮戦争絶対阻止へ

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(写真 8・6ヒロシマ大行動のデモ【6日午後】)

(写真 「安倍かえれ」。安倍の式典参加を弾劾【6日朝】)

(写真 右翼・警察の妨害をはね返し集会を貫徹【6日朝 広島市・原爆ドーム前】)

(写真 8・6ヒロシマ大行動大集会をかちとり、国際連帯とゼネストで改憲を阻止する決意を固め団結ガンバロー【6日午後 広島市・県立総合体育館】)


 広島への原爆投下から72年の8月6日、広島で「安倍たおせ! 安倍を監獄へ!」の闘いが大高揚した。被爆者を踏みにじり、核兵器禁止条約に反対し、臨時国会で9条改憲に踏み込もうとしている安倍を、広島で打倒する気迫に満ち、労働者・学生が立ち上がった。新たな朝鮮戦争阻止へ日韓労働者の連帯が強まり、17〜18年改憲阻止の火ぶたが切られた。5日に各産別労働者集会、被曝労働拒否・福島連帯集会、青年労働者交流集会、学生集会、6日に8・6ヒロシマ大行動実行委員会主催で原爆ドーム前集会と安倍直撃のデモ、午後から大集会とデモが行われ、闘いは長崎闘争に引き継がれた。(関連記事2、4面)

原爆ドーム前で集会 安倍の先兵=在特会を粉砕

 6日早朝、8・6ヒロシマアピール集会に500人が結集した。警察権力は、在特会系右翼の挑発を利用し、ドーム前に多数の機動隊を導入した。続々と駆けつけた労働者・学生は、これと対決し実力で集会をかちとった。「安倍を監獄へ」の大のぼりと「ヒロシマの怒りで改憲と戦争の安倍をたおせ」の大横断幕のもと、6時45分からシュプレヒコールが上げられ、前段集会が始まった。核と戦争を体を張ってでも止めるというヒロシマの根源的怒りは、集会破壊をもくろんだ右翼を打ちのめし、警察権力も手出しができない。
 7時15分から始まった集会で、反戦被爆者の会の中島健さん(被爆2世)は原爆への怒り、安倍への怒りを表明し、「新たな朝鮮戦争・核戦争を止めるゼネストを」と訴えた。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)ヒロシマの訴えに続き、全国から集まった労働者が安倍に怒りを次々とたたきつけた。広島大学学生自治会の森田寛隆委員長は、1950年の朝鮮戦争下、被爆者と在日朝鮮人らが集会禁止の弾圧を打ち破って決起した歴史をふりかえり、安倍打倒を呼びかけた。
 韓国のソンジュ・サード配備撤回闘争委員会地域住民委員会代表のキムヒョンゲさんが「社会の主人公は労働者民衆だ。韓日米労働者の団結で世の中を根本からひっくり返そう!」と燃えるようなアジテーションを行い、集会全体が大きな拍手で応えた。
 全国被爆者青年同盟の壹貫田康博委員長がヒロシマアピールを読み上げ、原爆投下時刻の8時15分に黙禱(もくとう)を捧げた。
 「安倍を監獄へ」の大のぼりを翻らせ、いよいよデモに出発。安倍がいる式典会場の直近の元安橋へ500人が一団となって押し寄せる。8時26分、安倍の「あいさつ」開始と同時に「安倍はかえれ! 安倍はやめろ!」のコールが式典会場に響き渡る。安倍を約20分にわたり怒りのコールが直撃し、式典参列者からも抗議の声が上がり、被爆者も安倍に「満腔(まんこう)の怒り」のまなざしをもって応えた。

安倍を監獄へ 850人デモ 大行動 若者先頭に街中席巻

 午後0時30分から、広島県立総合体育館に850人が集まり、8・6ヒロシマ大行動大集会が開催された。集会後に平和記念資料館までのデモ行進が行われた。デモは「改憲と戦争に進もうとする安倍を絶対に許さない」という広島の労働者人民の怒りを解き放った。本通商店街アーケードでは若者が飛び入りし、解放感あふれるデモとなった。解散地点の資料館前では全国・海外から訪れた人びとが大注目した。
 大集会は、韓国でサード配備絶対阻止を闘う住民・労働者との連帯をつくりだし、「国際連帯とゼネストで朝鮮戦争・核戦争を阻止しよう」と高らかに宣言した。安倍は内閣支持率の急落に追い詰められながらも3日に内閣改造を行い、臨時国会で改憲と労働改悪に突進しようとしている。これに対し、動労総連合を先頭に、連合を打倒し、ゼネストで改憲・戦争を阻止する労働運動をつくりだす決戦の火ぶたを切った。
 中島健さんの開会あいさつに続き、キリスト者の吉原美玲子さんは、72年前に小学3年生だった自身の被爆体験を静かに語り、「核兵器禁止に日本政府が背を向けている。安倍晋三を政権から引きずり下ろしたい」と怒りを表明した。
 基調報告を広島連帯ユニオン副委員長・高陽第一診療所労組書記長の矢田三恵さんが提起した。矢田さんは「労働者階級が勝利する時代を迎えました。沖縄で、福島で、全国の非正規・青年労働者の煮えたぎる怒りを解き放つ、改憲阻止の大決戦に本日8・6ヒロシマから直ちに立ち上がりましょう」と訴えた。
 沖縄から日本IBM・ビジネスサービス労働組合(IJBS労組)の富田晋委員長、福島からふくしま共同診療所医師の布施幸彦さん、動労福島委員長の橋本光一さんが発言した。無実で獄中42年の星野文昭さんのメッセージが司会から読み上げられた。
 韓国から来日した3人の仲間が紹介された。ソンジュ・サード配備撤回闘争委員会のキムヒョンゲさんが「戦争は始まる前に阻止しなければならない。労働基本権を守ることと戦争を阻止することは同じ。戦争に向かって走る安倍は必ず打倒されるべきです」と熱い檄(げき)を飛ばした。三里塚芝山連合空港反対同盟などから、キムヒョンゲさんらに檄布が手渡された。NPO法人よもぎのアトリエの室本けい子さんがカンパアピールを行った。
 被曝労働拒否を闘う労働組合として、愛媛県職労委員長の宇都宮理さんが伊方原発再稼働を弾劾し、動労水戸・動労総連合青年部副部長の照沼靖功さんが常磐線延伸阻止の9・23いわき闘争を呼びかけた。改憲阻止決戦へのアピールとして、島根人類愛善会会長の松浦武生さん、動労千葉書記長の川崎昌浩さん、婦人民主クラブ全国協議会広島支部副支部長・安芸太田町議会議員の大江厚子さん、憲法と人権の日弁連をめざす会代表の武内更一さんが発言した。川崎さんは11月5日の東京での労働者集会と改憲阻止の1万人大行進実現に向け奮闘を訴えた。
 動労西日本の岡崎昭夫副委員長が五日市駅のサービス労働撤廃の闘いを報告し、広教組組合員・被爆2世の平野綾子さんが「非正規職の青年労働者が解放の主体だ」と提起した。広島大学学生自治会の学生が大学の管理強化と京大4学生への放学処分を弾劾した。生き生きとした発言に大きな拍手が送られた。動労西日本委員長の大江照己さんが閉会あいさつを行った。

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