8月全学連大会へ

週刊『前進』02頁(2864号02面03)(2017/07/27)


8月全学連大会へ


 全学連第78回定期全国大会(8月30〜31日)に向け全学連中央執行委員会からの招請状です。(編集局)

全学連大会への参加を呼びかけます
 2017年7月20日
 全学連中央執行委員会(委員長・斎藤郁真)

 いま大学はますます「就職予備校」「人材工場」への道を進み、学問の本義を省みず、多くの学生から未来を奪う場となっています。「森友・加計学園問題」は、このような教育政策が生み出した腐敗の象徴です。この現実に立ち向かうために、学生は団結した組織的力を持とう。
 学生が団結できない状況下で、大学が抱える多くの問題は深刻さを増しています。たとえば奨学金と学費高騰。労働条件悪化で貧困が拡大する中、学生の貧困も拡大しています。学費はこの40年ほどで私立で3倍、国立で30倍近くにはね上がり、多くの学生が奨学金に頼らざるをえません。無利子奨学金のほとんどの条件は「成績優秀であること」。貧困な学生ほどバイトに励み、様々な節約に時間を割き、「成績優秀」の条件は高い壁です。奨学金制度すら教育機会に格差をつくっています。学生が団結しなければ、奨学金をめぐる不毛な競争や、そもそも学費が高騰していく流れに抵抗することは困難です。
 たとえば就活とスキル競争。学生は資格学校や単位、GPA(成績平均値)に時間・余裕を奪われる。「100人に1人の資格」は市場価値が高く、誰もが持っている資格の市場価値は低いので、すべての学生が「スキル」を求めた結果、すべての学生が自分を安売りすることになる。賞賛されるべき努力が自分と仲間の価値を低め、安売りされた労働力を使いつぶすブラック企業を生み、誰も幸せにならない。学生を団結できなくすることで、この不毛なサイクルは強化されます。
 これで「未来に希望を持て」というのはムチャです。闘うためには団結が必要です。
 1980年代から始まり、2000年以降本格化した「大学改革」の実態は、「大学の企業化(私物化)」でした。それは大学の現場で、学生・教職員から団結するための権利と機会を奪いました。教育が企業のようにカネ・コネで動かされる中、戦後初めて大学で軍事研究が公然と始まりました。
 全学連はこの流れに抗し、全国大学で闘ってきました。2006年以降、法政大学によって100人をこえる逮捕者、13人もの停学・退学処分者を出されながらも闘いを続けています。京都大学の仲間たちは2015年10月、「戦争反対・軍事研究協力拒否」を訴えて大学ストライキを敢行。京大はストを主催した4学生に「無期停学」処分を下しましたが、新たな世代が自治会執行部に選出されています。沖縄大学では日本最悪の貧困と「基地・戦争の島」という現実に立ち向かって学生自治会が奮闘しています。広島大学や東北大学、富山大学でも挑戦を続けています。
 現場から私たちを取り巻く常識を変える----この運動をもっと強く広くしていきたい。そのために全国から学生が集まって討論・交流する場が全学連大会です。
 状況は変わりつつあります。さる東京都議選では、カネまみれの腐敗と強権政治への怒りが爆発し、自民党は惨敗しました。安倍政権は焦り、スケジュールを早めて2018年中の改憲を狙っています。政治を奪われた大学と対決し、キャンパスから行動を始めよう。古くて新しい「団結」という常識を、大会の場からつくり出そう。ともに闘い、社会を変え、ともに生きよう!
     ◆
キャンパスから貧困と軍事研究なくそう! 改憲とめる大学ストをやろう!
全学連第78回定期全国大会
8月30日(水)午前10時開会〜31日(木)/浜町区民館(東京都中央区日本橋浜町3―37―1/都営新宿線・浜町駅A2出口から徒歩5分)/参加費1000円(2日間)

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「全学連大会」とは
 全日本学生自治会総連合(全学連)は、戦後間もない1948年に発足しました。戦前の大学が侵略戦争に協力し、学生を戦地にかり出した(=学徒動員)反省の上に生まれました。◆学生自治会とは、学生の生活と権利を守るための団結体です。全学連は一貫して、戦争に反対し、学生自治・寮自治・サークル自治を守るために活動してきました。◆毎年1回、全国の学生が集まる「全学連大会」では、お互いの実践を持ち寄って討論・交流し、団結を深めています。

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