ゼネストで朝鮮戦争阻止を サード配備撤回へ闘う韓国労働者

週刊『前進』02頁(2860号01面02)(2017/07/13)


ゼネストで朝鮮戦争阻止を
 サード配備撤回へ闘う韓国労働者

(写真 上京したソンジュの住民を先頭に「南北関係は私たちが解く」のボードを掲げて抗議【6月24日 ソウル・米大使館前】)

 7月4日に北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表した。これを口実に、米日帝が北朝鮮への戦争重圧をエスカレートさせている。今春の米韓合同軍事演習を引き継ぎ、朝鮮戦争の発動を狙う一触即発の情勢が進行している。最悪の戦争放火者・安倍政権を打倒し、朝鮮戦争を始まる前にとめよう。

ミサイル発射を口実に戦争重圧

 戦争の危機の根源にあるのは全世界的な新自由主義の崩壊であり、資本主義・帝国主義の矛盾の爆発そのものだ。こうした中で、中東と並ぶ戦争の最大の焦点として朝鮮半島がある。
 韓国の労働者民衆は、民主労総のゼネストを柱とした闘いでパククネ政権を倒し、文字通り監獄にたたきこむ闘いをやりぬいた。帝国主義の世界支配の一角を打ち砕いた世界史的事態だ。米日帝は、東アジアにおける支配の崩壊を何とかして食い止めるために戦争への衝動を強めている。この間、米帝・日帝とパククネが北朝鮮の政権転覆のためにキムジョンウン(金正恩)の暗殺も含めた工作を計画していたことも明らかになった。しかし、これも韓国労働者民衆の闘いによって阻止されてきたのだ。

ムン政権の本質示した米韓会談

 6月30日、訪米したムンジェイン(文在寅)は米帝トランプと米韓首脳会談を行った。
 この場で米日韓3国同盟の維持・強化を求めたトランプに、ムンジェインは全面的に賛同した。「朝鮮戦争開戦67年」を強調し「戦争の砲火の中で血で結ばれた」などという表現で韓米同盟を称揚し、トランプの戦争政策への支持を明確にした。さらに続く7月6日、ドイツ・ハンブルクで行われた米日韓首脳会談で共同声明を発し、北朝鮮に「最大限の圧力をかけるため協力する」と強調した。 韓国労働者民衆は、米帝と一体となって形成されてきた韓国支配階級の打倒を求め、「積弊清算」を掲げて闘ってきた。ムンジェインはこれに真っ向から敵対している。象徴的なのは、大きな焦点となったサード(THAAD、高高度迎撃ミサイルシステム)配備問題だ。ムンジェインは訪米中に「サードを撤回する考えはない」「韓米間の決定を尊重する」と語り、あくまで配備を強行する意思をはっきりと示した。
 総じて、今回の米韓首脳会談はブルジョア政権としてのムンジェイン政権の矛盾を露呈させ、その破産を促進させるものとなった。韓国労働者民衆の闘いは、必ずこれをのりこえて爆発していく。
 まさにこの会談が行われた6月30日、ソウルでは「非正規職撤廃」「財閥解体」の叫びがとどろく中、「世界を変え、歴史をつくる、私たちは労働者だ!」という誇り高い宣言が発せられた。民主労総結成以来初めての「非正規職ゼネスト」として、学校非正規職労働者を先頭に5万7千人が決起したのだ。
 これに先立つ24日にも、サード配備撤回を求めて配備予定地ソンジュ(星州)の住民を先頭に5千人がソウルのアメリカ大使館を包囲した。ムンジェイン政権が「キャンドル革命」の地平を裏切ってパククネの政治を継続しようとすることに対し、労働者民衆自身の力で社会を根底から変革する闘いが力強く前進している。

18年改憲と朝鮮出兵を狙う安倍

 こうした中で、同時にあいまいにできないのが北朝鮮スターリン主義の犯罪性だ。核開発に自らの延命の道を求めて戦争情勢を推進し、韓国の労働者の闘いに敵対しているのだ。
 これをも餌食としてもっとも凶暴な戦争推進者として登場しているのが日帝・安倍である。都議選で歴史的な惨敗を喫して絶体絶命の危機に追いやられた安倍は、だからこそ戦争で一切を突破しようと襲いかかってきているのだ。
 安倍はこの間、2018年に改憲を前倒しする考えを明らかにした。自衛隊を朝鮮半島に派兵することこそが狙いだ。日本軍軍隊慰安婦をめぐって2015年末に強行された「日韓合意」も、狙いは日帝の戦争犯罪を歴史上から抹消し、新たな戦争への道を掃き清めることにあったことが日増しに鮮明になっている。
 戦争を止める力は、労働者階級が国境を越えて団結し、真の敵である自国政府を倒す闘いの中にある。何よりもここ日本でゼネストを実現し、安倍を監獄にたたきこもう。
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