紹介 『労働運動の変革をめざして』 国鉄闘争全国運動 編 国鉄分割・民営化と闘って30年 その総括から展望を明らかに

週刊『前進』04頁(2859号02面05)(2017/07/10)


紹介
 『労働運動の変革をめざして』 国鉄闘争全国運動 編
 国鉄分割・民営化と闘って30年 その総括から展望を明らかに


 国鉄闘争全国運動が編集した『国鉄分割・民営化と闘って30年/労働運動の変革をめざして』が発刊された。本書は、国鉄分割・民営化から30年の節目にあたり、国鉄闘争の総括と今後の展望を明らかにするため、8人の執筆者によって書かれた。本書発刊に向けての討議は、国鉄1047名解雇をめぐり不採用基準の策定そのものが不当労働行為だったことを確定させた2015年の最高裁決定から始まった。以来約2年に及ぶ討議が、本書に結実した。
 本書は、動労千葉を中心に国鉄闘争を叙述している。動労千葉は1972年の船橋事故闘争以来、三里塚ジェット燃料輸送阻止闘争、動労本部からの分離・独立、国鉄分割・民営化反対闘争、外注化阻止闘争など、およそ「不可能」「非現実的」と言われた困難な課題に立ち向かってきた。組合員の団結と「労働者階級は必ず立ち上がる」という深い信念・信頼にのみ依拠して、30年の闘いは継続されてきた。
 〈労働者は団結して闘うことができる。それは必ず階級情勢を転換させる〉〈国鉄労働者、そして全国の労働者は必ず立ち上がる〉という信念において、動労千葉はけっして敗北主義や絶望に陥ることなく、真に大衆的に闘い、階級闘争におけるひとつの「革命」を成し遂げた。
 動労千葉は反合理化・運転保安闘争を基軸的路線としながら、現場組合員一人ひとりと向き合って議論し、小さな「勝利」を積み重ね、闘争への組合員の確信と信頼を形成する中で団結を強化してきた。これが、あらゆる困難に立ち向かい、これまでの階級闘争の「常識」を覆して勝利を手にする力になった。
 韓国をはじめ米欧、全世界で始まった労働者の流動と活性化は、日本の労働者階級の深部でも起きている。都議選の結果もそれ示した。「労働者階級は必ず立ち上がる」「労働者は団結して闘える」----この精神を失わず、階級全体を獲得するために闘えば、必ず階級闘争の敗北の歴史を覆すことはできる。
 マルクス・エンゲルスは『共産党宣言』で、プロレタリア革命はブルジョアジーの善意や空想的プランで行うものではなく、労働者階級自身の事業であること、階級闘争を通して労働者階級は自らを組織し、革命を遂行して新たな社会を建設する能力を獲得することを明らかにした。本書はこの『共産党宣言』の神髄を立証し、未来の展望を示している。
 職場で労働者が団結し全力で闘うときが来た。労働運動の変革をめざし、本書を徹底的に活用しよう。

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