安倍が「次期国会に改憲案」明言 「安倍と連携」の小池も許すな
週刊『前進』04頁(2859号01面02)(2017/07/10)
安倍が「次期国会に改憲案」明言
「安倍と連携」の小池も許すな
安倍・自民党の歴史的大惨敗となった7・2都議選の翌日、安倍は毎日新聞のインタビューに答え、秋の臨時国会に新たな改憲案を提出する方針は「変わっていない」と明言した。安倍はそこで、5月3日に日本会議系の集会でぶち上げた「憲法9条1項、2項を残したまま自衛隊を明記する」という安倍改憲案をあらためて展開した。
安倍改憲案とは、自衛隊を憲法9条に明記することで、自衛隊が行う一切の戦争行為や軍備増強(敵基地攻撃能力や核兵器の保有を含む)を合憲化しようと狙うものだ。米トランプ政権が北朝鮮への先制攻撃=朝鮮侵略戦争への突入を画策する中で、これへの参戦を狙う安倍は、焦りに駆られて9条改憲に踏み込もうとしているのだ。
だが、今回の都議選大惨敗で安倍の求心力は自民党内でも急落している。しかも2018年末に衆議院議員の任期切れを控え、次期衆院選で勝つ展望もまったく描けない中で、安倍は18年通常国会で改憲発議にこぎつけ、その閉会後に衆院解散・総選挙と改憲国民投票を(場合によっては同時に)強行しようと狙っている。もはや安倍に時間は残されていないのだ。17年後半から18年にかけて、改憲をめぐる歴史的決戦となることは不可避だ。
「何が改憲だ、ふざけるな! 安倍は今すぐ監獄へ行け!」——北島邦彦氏の烈火の怒りを込めた訴えは、杉並区民をはじめとした広範な労働者民衆から熱烈な共感と支持を得た。今こそこのわき起こる怒りを改憲・戦争絶対阻止のゼネストへと転化する時だ。
稲田発言に都民の広範な怒りが噴出
こうした中であらためて重大なのは、安倍の子飼いの防衛相・稲田朋美が自民党都議候補の応援演説で「防衛省・自衛隊、防衛相、自民党としてもお願いしたい」という驚くべき発言を行い、その稲田を安倍や官房長官・菅義偉らが擁護し続けていることだ。稲田は「誤解を招きかねない言葉があった」として発言を撤回し、記者会見で「誤解」という言葉を30回以上も連呼して弁解したが、稲田の発言が「誤解」の余地など一切ない明白な公職選挙法違反であることは言うまでもない。しかも稲田は、演説会場の1㌔先に陸上自衛隊練馬駐屯地があることを意識して、自衛隊員とその家族・関係者に「自衛隊・防衛省と連携のある候補」(稲田演説)への投票を呼びかけたのだ。
これは、5月23日に統合幕僚長・河野克俊が安倍の改憲案を「非常にありがたい」と発言したこととも一体だ。安倍・稲田らの意図は、河野のような極右・改憲派の自衛隊幹部クラスを中心に、自衛隊を丸ごと改憲勢力として取り込み、動員することにある。
だが、稲田が演説した板橋区(定数5)では、東京都連会長・下村博文の元秘書の自民党現職候補2人がそろって落選するという、安倍・自民党にとって目も当てられない大惨敗となった。安倍の改憲・戦争策動への怒りが稲田発言を契機に噴出した結果だ。
この怒りが安倍と同じ日本会議で改憲・核武装論者の小池と都民ファーストに対しても爆発していくことは不可避だ。すでに小池は「安倍政権との連携は必要」「北朝鮮問題も日米関係も大変な時期にある。安倍首相にはしっかりと国政を担っていただきたい」とエールを送った。だからこそ小池は東京都丸ごと民営化で労働運動を一気に壊滅しようと狙っているのだ。今こそこの攻撃と真っ向対決し、安倍・小池打倒のゼネストへ進もう。