〝財閥と妥協ありえない〟 革命の第2段階へ進む
週刊『前進』02頁(2858号02面02)(2017/07/06)
〝財閥と妥協ありえない〟
革命の第2段階へ進む
6・30ゼネストは、ムンジェイン政権の発足後に行われた初の全面ストライキとなった。このストは旧パククネ勢力による敵対だけでなく、新政権と与党=「ともに民主党」の「今この時期にゼネストなどやるな」という非難の声をも正面から打ち破ってかちとられた。
ムンジェイン政権は、パククネを罷免(ひめん)した民衆の巨大な「ろうそく決起」の力に押し上げられて登場した。打倒されたパククネと支配階級は、大統領選挙過程で極右勢力の再結集による必死の巻き返しを狙った。それを全力で支えたのが、北朝鮮の核・ミサイル開発を絶好の餌食として朝鮮半島での戦争突入をあおった米日帝国主義の行動だった。これに対して、パククネの復活は断じて許さないという労働者人民の固い決意が、保守派をたたき落としてムンジェインを圧勝させたのである。
だがムンジェイン政権は労働者階級の政権ではまったくない。「ともに民主党」の本質は資本家階級の党、第2ブルジョア政党である。ムンジェインは労働者が掲げた「財閥解体」などのスローガンを選挙公約に掲げて当選したが、本気でそれを実践しようとは思っていない。逆に、政権発足後には「社会的大妥協」を口にし始めた。財閥の解体ではなく、財閥と労働者階級が「相互に譲り合い」「和解」せよというのだ。そして実際、パククネが推進した政策の一部を廃棄するなど「改革政権」としてふるまっているものの、獄中のハンサンギュン民主労総委員長の釈放や全教組弾圧の中止などは拒否したままだ。
ムンジェイン政権の「改革」はペテン
その中で決定的な焦点に浮上したのが非正規職問題だ。ムンジェインは「労働が尊重される社会」をつくるとし、そのためにまず公共部門の非正規職の「ゼロ化」を宣言した。しかしその中身は「非正規職撤廃」とはおよそ似て非なるものである。政府の構想は公共機関の業務を分割し分社化して、新設の子会社に労働者を「正社員」として雇用するというものだ。そこでは本体とは異なる賃金体系が最初から導入され、賃金はこれまでの正規職の7〜8割に引き下げられる。これは非正規職の正規職化ではまったくない。また、パククネが強制した成果給の導入を撤回する代わりに、職務給の導入が新たに画策されている。これらは労働者の分断をさらに進め、逆により大量の非正規職をつくりだし、全労働者の賃金を引き下げていく結果しかもたらさない。
労働者が求める最低賃金1万ウォンについても「すぐには無理」がムンジェイン政府の立場だ。資本の側はこれを受け、来年度の時給を6625㌆、わずか2・4%の引き上げにとどめると回答してきた。
6・30ゼネストは、非正規職労働者自身の現場からの実力決起をもって、こうした状況を突き破る歴史的闘いとしてかちとられた。非正規職労働者は政府による救済の対象では断じてなく、資本主義・新自由主義の社会を根底から覆す革命の主体であることを公然と全社会に示したのだ。ムンジェイン政権の「社会的大妥協」路線をきっぱりと拒否し、「財閥解体」をあくまで掲げて進むことこそ、パククネ打倒として始まった韓国における革命をさらに発展させる道である。連帯してともに闘おう。